クリックされたタブを賢く操作: QTabBar::tabAt() 関数を超えたアプローチ

QTabBar::tabAt() 関数は、指定されたスクリーン座標位置にあるタブインデックスを返します。つまり、ユーザーがマウスをクリックした位置がどのタブに対応しているかを判断するために使用できます。

構文

int QTabBar::tabAt(const QPoint & pos) const

引数

pos: タブバー上のスクリーン座標位置を表す QPoint オブジェクト

戻り値

タブインデックス。クリックされた位置がタブ上にある場合は有効なインデックスが返され、そうでない場合は -1 が返されます。

詳細

QTabBar::tabAt() 関数は、タブバー上の各タブの領域を計算し、クリックされた位置がどの領域に属しているかを判断します。タブ領域に属している場合は、そのタブのインデックスを返します。

例

QTabBar *tabBar = new QTabBar(this);
tabBar->addTab("Tab 1");
tabBar->addTab("Tab 2");
tabBar->addTab("Tab 3");

connect(tabBar, &QTabBar::clicked, this, &MyWidget::handleTabClicked);

void MyWidget::handleTabClicked(int index)
{
    if (index != -1) {
        // タブがクリックされた
        QString tabText = tabBar->tabText(index);
        qDebug() << "Clicked tab:" << tabText;
    } else {
        // タブバー以外の領域がクリックされた
        qDebug() << "Tab bar not clicked";
    }
}

この例では、handleTabClicked() スロットは、QTabBar::clicked シグナルによって呼び出されます。シグナルの引数はクリックされたタブのインデックスです。インデックスが -1 の場合は、タブバー以外の領域がクリックされたことを意味します。

タブバーのスタイルによっては、タブ領域が実際に見えている領域よりも大きい場合があります。このような場合、QTabBar::tabAt() 関数は、実際に見えている領域ではなく、タブ領域全体を考慮して計算されます。
QTabBar::tabAt() 関数は、マウスボタンが押されたときにのみ有効です。マウスボタンが離された後では、常に -1 を返します。

#include <QApplication>
#include <QTabBar>

class MyWidget : public QWidget {
public:
    MyWidget() {
        tabBar = new QTabBar(this);
        tabBar->addTab("Tab 1");
        tabBar->addTab("Tab 2");
        tabBar->addTab("Tab 3");

        connect(tabBar, &QTabBar::clicked, this, &MyWidget::handleTabClicked);
    }

private:
    QTabBar *tabBar;

signals:
    void tabClicked(int index);

private slots:
    void handleTabClicked(int index) {
        if (index != -1) {
            // タブがクリックされた
            QString tabText = tabBar->tabText(index);
            qDebug() << "Clicked tab:" << tabText;
            emit tabClicked(index);
        } else {
            // タブバー以外の領域がクリックされた
            qDebug() << "Tab bar not clicked";
        }
    }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);
    MyWidget widget;
    widget.show();
    return app.exec();
}

このコードでは、MyWidget クラスが作成され、タブバーと 3 つのタブが作成されます。tabBar::clicked シグナルは、handleTabClicked() スロットに接続されます。このスロットは、クリックされたタブのインデックスを受け取り、ログに記録します。

さらに、tabClicked() シグナルが emit され、このシグナルは他のオブジェクトによってリスニングできます。

コードをコンパイルして実行するには、Qt Framework がインストールされている必要があります。
このコードは、Qt Creator 4.15.2 と Qt 5.15.2 でテストされています。

QTabBar::currentTab() 関数

QTabBar::currentTab() 関数は、現在選択されているタブのインデックスを返します。この方法は、ユーザーが最後にクリックしたタブを特定したい場合に役立ちます。

int index = tabBar->currentTab();
if (index != -1) {
    // 現在選択されているタブ
    QString tabText = tabBar->tabText(index);
    qDebug() << "Current tab:" << tabText;
} else {
    // タブが選択されていない
    qDebug() << "No tab selected";
}

タブバーのイベントハンドラを使用する

タブバーの mousePressEvent() または mouseReleaseEvent() イベントハンドラを使用すると、ユーザーがタブをクリックしたときにイベントを捕捉することができます。イベントハンドラ内で、クリックされたタブの位置を計算して、対応するタブインデックスを特定することができます。

void MyWidget::mousePressEvent(QMouseEvent *event)
{
    QPoint pos = event->pos();
    int index = tabBar->tabAt(pos);
    if (index != -1) {
        // タブがクリックされた
        QString tabText = tabBar->tabText(index);
        qDebug() << "Clicked tab:" << tabText;
    }
}

カスタムウィジェットを使用する

タブバーにカスタムウィジェットを配置して、ユーザーのクリックを処理することができます。カスタムウィジェット内で、クリックされた位置を計算して、対応するタブインデックスを特定することができます。

サードパーティ製のライブラリを使用する

QTabBar の代替となるサードパーティ製のライブラリもいくつか存在します。これらのライブラリは、QTabBar::tabAt() 関数よりも柔軟な機能を提供している場合があります。

最適な方法の選択

どの方法を選択するかは、状況によって異なります。以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。

コードの複雑性
タブバーのスタイル
ユーザーがどの操作を行うのか