【超便利】Qt Widgets：タブバーのサイズヒントを自由自在に操るQTabBar::sizeHint()

QTabBar::sizeHint() 関数は、Qt Widgets ライブラリにおける QTabBar ウィジェットの推奨サイズを計算します。この関数は、タブバーのコンテンツ (タブのラベル、アイコンなど) に基づいて、適切な幅と高さを決定します。

役割

QTabBar::sizeHint() 関数は、タブバーのレイアウトとサイズ設定において重要な役割を果たします。以下の場面で使用されます。

タブの追加/削除
タブが追加または削除されたとき、QTabBar::sizeHint() 関数はタブバーのサイズを再計算するために使用されます。
タブバーの初期サイズ設定
ウィジェットが初めて作成されたとき、QTabBar::sizeHint() 関数はデフォルトのサイズを決定するために使用されます。

戻り値

QTabBar::sizeHint() 関数は、QSize 構造体を返します。この構造体は、幅と高さを表す 2 つの整数を格納します。

例

QSize sizeHint = tabBar->sizeHint();
int width = sizeHint.width();
int height = sizeHint.height();

カスタマイズ

QTabBar::sizeHint() 関数は仮想関数として定義されており、独自のサイズヒントロジックを実装するためにオーバーライドすることができます。これは、特定のレイアウト要件やデザイン要件に合わせてタブバーのサイズを調整する場合に役立ちます。

Qt Widgets には、QTabBar ウィジェット以外にも様々なウィジェットが用意されています。それぞれのウィジェットには、独自のサイズヒント関数 (例: QWidget::sizeHint()) が用意されています。

#include <QApplication>
#include <QTabBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // タブバーを作成
  QTabBar tabBar;

  // タブを追加
  tabBar.addTab("タブ 1");
  tabBar.addTab("タブ 2");
  tabBar.addTab("タブ 3");

  // タブバーの推奨サイズを取得
  QSize sizeHint = tabBar.sizeHint();

  // 推奨サイズを出力
  qDebug() << "推奨幅: " << sizeHint.width();
  qDebug() << "推奨高さ: " << sizeHint.height();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のような出力が得られます。

推奨幅: 320
推奨高さ: 24

この出力は、タブバーの推奨幅が 320 ピクセル、推奨高さが 24 ピクセルであることを示しています。

QApplication オブジェクトを作成します。これは、Qt アプリケーションのメインイベントループを管理します。
QTabBar オブジェクトを作成します。これは、タブバーウィジェットを表します。
addTab() メソッドを使用して、タブバーにタブを追加します。
sizeHint() メソッドを呼び出して、タブバーの推奨サイズを取得します。
qDebug() マクロを使用して、推奨幅と推奨高さを出力します。

代替方法

以下に、QTabBar::sizeHint() の代替方法をいくつか紹介します。

手動でサイズを計算する

最も単純な代替方法は、タブバーのコンテンツ (タブのラベル、アイコンなど) のサイズを個別に計算し、それらを合計してサイズを決定することです。これは、シンプルなタブバーの場合には有効ですが、複雑なタブバーや動的に変化するコンテンツの場合は、煩雑になる可能性があります。

例

int width = 0;
int height = 0;

for (int i = 0; i < tabBar->count(); ++i) {
  QTabBar::Tab tab = tabBar->tabAt(i);
  QSize labelSize = tabBar->font().size(QFont::SizePolicy::Minimum, tab.text());
  QSize iconSize = tab.icon().size();
  width = qMax(width, labelSize.width() + iconSize.width() + tabBar->spacing());
  height = qMax(height, labelSize.height() + iconSize.height() + tabBar->spacing());
}

QSize size(width, height);

QFontMetrics を使用する

例

QFontMetrics fm = tabBar->fontMetrics();
int width = 0;
int height = 0;

for (int i = 0; i < tabBar->count(); ++i) {
  QTabBar::Tab tab = tabBar->tabAt(i);
  QSize labelSize = fm.size(Qt::ElideRight, tab.text());
  QSize iconSize = tab.icon().size();
  width = qMax(width, labelSize.width() + iconSize.width() + tabBar->spacing());
  height = qMax(height, labelSize.height() + iconSize.height() + tabBar->spacing());
}

QSize size(width, height);

カスタムレイアウトを使用する

QTabBar::sizeHint() 関数は、デフォルトのレイアウトアルゴリズムに基づいてサイズを計算します。独自のレイアウト要件がある場合は、カスタムレイアウトを使用してタブバーのサイズを決定することができます。これは、より複雑なタブバーや動的に変化するコンテンツを扱う場合に役立ちます。

例

class CustomTabBarLayout : public QTabBarLayout {
public:
  QSize sizeHint(const QTabBar *tabBar) const override {
    // カスタムレイアウトアルゴリズムを実装
  }
};

QTabBar tabBar;
tabBar.setLayout(new CustomTabBarLayout());

外部ライブラリを使用する

Qt Widgets 以外にも、タブバーのレイアウトとサイズ設定を支援するライブラリがいくつか存在します。これらのライブラリは、より高度な機能や柔軟性を提供する場合があります。

例

最適な方法の選択

QTabBar::sizeHint() の代替方法は、状況によって異なります。シンプルなタブバーの場合には、手動でサイズを計算したり、QFontMetrics を使用したりするだけで十分な場合があります。複雑なタブバーや動的に変化するコンテンツを扱う場合は、カスタムレイアウトを使用したり、外部ライブラリを使用する方が効率的です。

QTabBar ウィジェットには、minimumSizeHint() や maximumSizeHint() などの他のサイズヒント関数も用意されています。これらの関数は、それぞれタブバーの最小サイズと最大サイズを計算します。