ダブルクリックでタブを自在に操る！Qt WidgetsにおけるQTabBar::mouseDoubleClickEvent()徹底解説

QTabBar::mouseDoubleClickEvent()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQTabBarウィジェットでダブルクリックイベントが検知された際に呼び出される仮想関数です。この関数は、ダブルクリックされたタブを処理するために使用されます。

機能

この関数は、QMouseEventポインタをパラメータとして受け取ります。このポインタには、ダブルクリックイベントに関する情報が含まれています。

この関数は、ダブルクリックされたタブインデックスを特定し、そのタブに関連するアクションを実行するために使用できます。一般的なアクションとしては、タブの切り替え、タブの閉じ、タブに関連するウィジェットの表示などが挙げられます。

例

以下の例は、ダブルクリックされたタブを次のタブに切り替えるコードを示しています。

void MyTabBar::mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent *event)
{
    int index = tabAt(event->pos());
    if (index != -1) {
        setCurrentIndex(index + 1);
    }
}

このコードでは、tabAt()関数を使用して、ダブルクリックされたタブのインデックスを取得しています。インデックスが -1 ではない場合は、setCurrentIndex()関数を使用して、次のタブに切り替えています。

QTabBar::mouseDoubleClickEvent()関数は、デフォルトでは何も処理されません。ダブルクリックされたタブを処理するには、この関数をオーバーライドする必要があります。

#include <QApplication>
#include <QTabBar>

class MyTabBar : public QTabBar
{
public:
    MyTabBar(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent *event) override;
};

MyTabBar::MyTabBar(QWidget *parent) : QTabBar(parent)
{
}

void MyTabBar::mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent *event)
{
    int index = tabAt(event->pos());
    if (index != -1) {
        setCurrentIndex(index + 1);
    }
}

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QTabBar *tabBar = new MyTabBar;
    tabBar->addTab("Tab 1");
    tabBar->addTab("Tab 2");
    tabBar->addTab("Tab 3");

    tabBar->show();

    return app.exec();
}

このコードは以下の動作をします。

MyTabBarという名前の新しいQTabBarウィジェットを作成します。
3つのタブを作成し、Tab 1、Tab 2、Tab 3というラベルを付けます。
tabBarウィジェットをウィンドウに表示します。
mouseDoubleClickEvent()関数をオーバーライドして、ダブルクリックされたタブを次のタブに切り替えます。

このコードをビルドして実行すると、3つのタブを含むウィンドウが表示されます。タブをダブルクリックすると、次のタブに切り替わります。

以下のコードは、ダブルクリックされたタブを閉じて、そのタブに関連するウィジェットを削除する例です。

void MyTabBar::mouseDoubleClickEvent(QMouseEvent *event)
{
    int index = tabAt(event->pos());
    if (index != -1) {
        widgetForIndex(index)->close();
        removeTab(index);
    }
}

代替方法

以下に、QTabBar::mouseDoubleClickEvent()の代替方法をいくつか紹介します。

QTabBar::connectSignal()を使用する
QTabBarウィジェットのtabBarClicked()シグナルを接続し、ダブルクリックイベントを検知したときにカスタムスロットを呼び出すことができます。この方法では、より柔軟な処理を行うことができます。

tabBar->connectSignal(tabBarClicked, this, &MyTabBar::onTabClicked);

void MyTabBar::onTabClicked(int index)
{
    if (event->button() == Qt::LeftButton && event->modifiers() == Qt::NoModifier) {
        if (event->clickCount() == 2) {
            // ダブルクリックされたときの処理
        }
    }
}

QTabBar::tabBarEvent()を使用する
QTabBarウィジェットのtabBarEvent()仮想関数を実装し、すべてのマウスイベントを処理することができます。この方法では、より詳細な制御を行うことができます。

bool MyTabBar::tabBarEvent(QTabBarEvent *event)
{
    if (event->type() == QEvent::MouseButtonDoubleClick) {
        int index = tabAt(event->pos());
        if (index != -1) {
            // ダブルクリックされたときの処理
            return true;
        }
    }

    return QTabBar::tabBarEvent(event);
}

選択

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

シンプルなダブルクリック処理のみが必要な場合は、QTabBar::mouseDoubleClickEvent()を使用しても問題ありません。
より詳細な制御が必要な場合は、QTabBar::tabBarEvent()を使用することをお勧めします。
より柔軟な処理が必要な場合は、QTabBar::connectSignal()を使用することをお勧めします。

代替方法を使用する場合は、QTabBar::mouseDoubleClickEvent()仮想関数をオーバーライドする必要はありません。
代替方法を使用する場合は、QTabBar::mouseDoubleClickEvent()シグナルを接続する必要はありません。