【保存版】Qt Widgetsでタブを活性化・非活性化する2つの方法:QTabBar::setTabEnabled()とStyleSheet


QTabBar::setTabEnabled() 関数は、Qt Widgetsライブラリにおけるタブウィジェットの個々のタブを有効化または無効化するために使用されます。この関数は、タブバー上のタブの外観とユーザーとのインタラクションを制御するのに役立ちます。

文法

void QTabBar::setTabEnabled(int index, bool enable);

引数

  • enable: タブの状態を指定します。true の場合、タブは有効になり、ユーザーがクリックして選択できます。false の場合、タブは無効化され、ユーザーはクリックしても選択できません。
  • index: 有効化または無効化したいタブのインデックス。インデックスは、タブがタブバーに追加された順序に基づいて決定されます。最初のタブはインデックス 0、2 番目のタブはインデックス 1、... となります。

戻り値

なし

詳細

  • プログラム内でタブを動的に有効化/無効化することで、アプリケーションのユーザーインターフェースをより直感的かつ制御しやすくなります。
  • ユーザーが無効化されたタブをクリックしようとすると、何も起こりません。
  • 無効化されたタブは、グレー表示されます。
  • タブが有効化されているかどうかを確認するには、isTabEnabled() 関数を使用します。
QTabBar *tabBar;
...

// タブ 5 を有効化する
tabBar->setTabEnabled(5, true);

// タブ 2 を無効化する
tabBar->setTabEnabled(2, false);
  • タブバーの外観をさらにカスタマイズするには、setTabIcon(), setTabText(), setTabToolTip() などの他の QTabBar 関数を使用できます。
  • QTabBar::setTabEnabled() 関数は、タブウィジェットのタブバーにのみ適用されます。タブウィジェット内のコンテンツウィジェットを直接有効化/無効化するには、QWidget::setEnabled() 関数を使用する必要があります。


#include <QApplication>
#include <QTabWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // タブウィジェットの作成
    QTabWidget tabWidget;

    // タブウィジェットにタブを追加
    for (int i = 0; i < 5; ++i) {
        QString tabText = QString("Tab %1").arg(i + 1);
        QWidget *tabPage = new QWidget;
        tabPage->setWindowTitle(tabText);
        tabWidget.addTab(tabPage, tabText);
    }

    // 最初のタブのみ有効化
    for (int i = 1; i < tabWidget.count(); ++i) {
        tabWidget.setTabEnabled(i, false);
    }

    // シグナルとスロットの接続
    QObject::connect(&tabWidget, &QTabBar::currentChanged,
                     &tabWidget, &QTabWidget::setTabEnabled);

    // タブウィジェットの表示
    tabWidget.show();

    return app.exec();
}

このコードの説明

  1. QApplication オブジェクトを作成します。
  2. QTabWidget オブジェクトを作成します。
  3. ループを使用して、5 つのタブをタブウィジェットに追加します。
  4. 最初のタブのみ有効化します。
  5. currentChanged シグナルを setTabEnabled スロットに接続します。これにより、ユーザーが別のタブを選択したときに、現在のタブが有効化され、他のタブが無効化されます。
  6. タブウィジェットを表示します。

実行結果

このコードを実行すると、5 つのタブを含むタブウィジェットが表示されます。最初のタブのみ有効化されており、ユーザーは他のタブをクリックして選択することができます。別のタブを選択すると、そのタブが有効化され、以前のタブが無効化されます。

  • シグナルとスロットの接続の詳細については、Qtドキュメントを参照してください。
  • このコードでは、setTabEnabled スロット内で currentTab() 関数を使用して現在のタブのインデックスを取得しています。


代替方法

以下に、QTabBar::setTabEnabled() 関数の代替方法として考えられるいくつかの方法をご紹介します。

StyleSheet を使用する

Qt スタイルシートを使用して、無効化されたタブの外観をカスタマイズすることができます。例えば、以下のスタイルシートを使用すると、無効化されたタブをグレー表示することができます。

QTabBar::tab:!enabled {
    background-color: gray;
}

QTabBar::tabBarEvent() 関数を使用する

QTabBar::tabBarEvent() 関数を使用して、タブバー上のイベントを処理することができます。この関数は、ユーザーがタブをクリックしたときに発生する QMouseEvent イベントを捕らえるために使用することができます。イベントを捕らえたら、event->type() プロパティをチェックして、ユーザーが有効化されていないタブをクリックしたかどうかを確認することができます。もしそうであれば、event->ignore() 関数を呼び出してイベントを無視することができます。

カスタムタブバーウィジェットを作成する

独自のロジックを実装する必要がある場合は、カスタムタブバーウィジェットを作成することができます。このウィジェットは、QTabBar クラスを継承し、setTabEnabled() 関数の独自の実装を提供する必要があります。

それぞれの方法の利点と欠点

方法利点欠点
StyleSheet を使用する簡単でシンプルカスタマイズオプションが限られている
QTabBar::tabBarEvent() 関数を使用するより柔軟な制御が可能コードが複雑になる
カスタムタブバーウィジェットを作成する完全な制御が可能最も複雑な方法

どの方法を選択するべきか

どの方法を選択するかは、具体的なニーズと要件によって異なります。

  • 完全な制御が必要で、独自のロジックを実装する必要がある場合は、カスタムタブバーウィジェットを作成する方が良いでしょう。
  • より柔軟な制御が必要な場合は、QTabBar::tabBarEvent() 関数を使用する方が良いでしょう。
  • 簡単でシンプルな方法が必要な場合は、StyleSheet を使用する方が良いでしょう。
  • コードの保守性: カスタムタブバーウィジェットを作成すると、コードが複雑になり、保守が難しくなる可能性があります。
  • パフォーマンス: StyleSheet を使用すると、パフォーマンスが向上する場合があります。これは、カスタムロジックを実装する必要がないためです。