Qt Widgets でタイトルバーを極める！QStyleOptionTitleBar::titleBarFlags でできることとできないこと

QStyleOptionTitleBar::titleBarFlags は、Qt Widgets ライブラリにおける QStyleOptionTitleBar クラスのメンバー変数であり、タイトルバーのウィジェットフラグを管理します。このフラグは、タイトルバーの外観と動作を制御するために使用されます。

用途

titleBarFlags は、以下のような様々な状況で使用されます。

タイトルバーの装飾を制御する
タイトルバーのサイズと位置を制御する
タイトルバーのクリック動作を制御する
タイトルバーのボタンを表示するかどうかを制御する

設定方法

titleBarFlags は、QStyleOptionTitleBar::setTitleBarFlags() メソッドを使用して設定できます。このメソッドには、Qt::WindowFlags 型の引数が必要です。

使用例

QStyleOptionTitleBar option;
option.titleBarFlags = Qt::WTitleBar | Qt::ElideLeft;

// スタイルを適用する
style->drawControl(QStyle::Control::CT_TitleBar, &option);

この例では、titleBarFlags に Qt::WTitleBar フラグと Qt::ElideLeft フラグを設定しています。Qt::WTitleBar フラグは、タイトルバーを表示することを示します。Qt::ElideLeft フラグは、タイトルバーのテキストがウィジェット幅を超えた場合、左側から省略することを示します。

タイトルバーの外観と動作を完全に制御するには、カスタムスタイルエンジンを作成する必要があります。
titleBarFlags は、スタイルエンジンによってどのように解釈されるかを完全に制御するものではありません。
QStyleOptionTitleBar クラスは、スタイルエンジンによってタイトルバーを描画するために使用されます。

#include <QApplication>
#include <QPushButton>
#include <QStyle>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットを作成
  QWidget widget;

  // ボタンを作成
  QPushButton button("ボタン");

  // タイトルバーにボタンを追加
  widget.layout()->addWidget(&button);

  // スタイルを適用
  QStyle *style = QApplication::style();
  QStyleOptionTitleBar option;
  option.titleBarFlags = Qt::WTitleBar | Qt::ElideLeft;
  option.window = &widget;
  option.titleText = "タイトル";

  // ボタンの位置を設定
  option.rect.setRect(option.rect.right() - button.size().width(),
                     option.rect.top(),
                     button.size().width(),
                     button.size().height());

  // ボタンを描画
  style->drawControl(QStyle::Control::CT_TitleBar, &option);

  // ウィジェットを表示
  widget.show();

  return app.exec();
}

例2: タイトルバーのクリック動作を制御

この例では、titleBarFlags を使用してタイトルバーのクリック動作を制御する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // メインウィンドウを作成
  QMainWindow window;

  // タイトルバーのクリック動作を無効化
  window.windowTitleButton()->setUpdatesEnabled(false);

  // ウィジェットを表示
  window.show();

  return app.exec();
}

例3: タイトルバーのサイズと位置を制御

この例では、titleBarFlags を使用してタイトルバーのサイズと位置を制御する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // メインウィンドウを作成
  QMainWindow window;

  // タイトルバーのサイズを設定
  window.titleBar()->setFixedHeight(30);

  // タイトルバーの位置を設定
  window.titleBar()->move(0, 10);

  // ウィジェットを表示
  window.show();

  return app.exec();
}

例4: タイトルバーの装飾を制御

この例では、titleBarFlags を使用してタイトルバーの装飾を制御する方法を示します。

#include <QApplication>
#include <QMainWindow>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // メインウィンドウを作成
  QMainWindow window;

  // タイトルバーの装飾を無効化
  window.setWindowFlags(window.windowFlags() & ~Qt::WindowTitleHint);

  // ウィジェットを表示
  window.show();

  return app.exec();
}

しかし、titleBarFlags にはいくつかの制限があります。

タイトルバーの外観と動作を完全に制御するには、カスタムスタイルエンジンを作成する必要があります。
スタイルエンジンによってどのように解釈されるかを完全に制御するものではありません。

これらの制限を回避するために、titleBarFlags の代替方法をいくつか検討する必要があります。

代替方法

カスタムスタイルエンジンを作成する

最も柔軟な方法は、カスタムスタイルエンジンを作成することです。これにより、タイトルバーのすべての側面を完全に制御できます。

スタイルシートを使用する

スタイルシートを使用して、タイトルバーの外観をある程度制御できます。ただし、titleBarFlags で制御できないすべての機能を制御することはできません。

ウィジェットのレイアウトを変更する

タイトルバーをカスタムウィジェットで置き換えることで、タイトルバーの外観と動作を完全に制御できます。ただし、この方法には、より多くのコードが必要になります。

具体的な状況

最適な代替方法は、具体的な状況によって異なります。

タイトルバーを完全にカスタマイズしたい場合は、ウィジェットのレイアウトを変更する必要があります。
タイトルバーの動作を完全に制御したい場合は、カスタムスタイルエンジンを作成する必要があります。
タイトルバーの外観をある程度変更したい場合は、スタイルシートを使用するのがよいでしょう。