【保存版】Qt GUI でのテキスト配置に関する包括的なガイド - QStaticText::size() 関数から高度なテクニックまで

QStaticText::size() 関数は、QStaticText オブジェクトの境界矩形のサイズを QSizeF 型で返します。境界矩形とは、テキストを含む最小限の矩形のことです。この関数は、テキストの描画位置や配置を決定する際に役立ちます。

構文

QSizeF QStaticText::size() const;

戻り値

QSizeF 型の値を返します。この値は、矩形の幅と高さを表します。

詳細

QStaticText::size() 関数は、テキストのフォント、書式、およびオプションに基づいて境界矩形を計算します。テキストがリッチテキストの場合は、インラインフォーマットも考慮されます。

この関数は、テキストを描画する前に呼び出す必要があります。描画後に呼び出すと、古いレイアウト情報に基づいて誤ったサイズが返される可能性があります。

例

QStaticText text("Hello, World!");
text.setFont(QFont("Arial", 16));

QSizeF size = text.size();
qDebug() << "Size:" << size;

このコードは、"Hello, World!" というテキストを含む QStaticText オブジェクトを作成し、そのフォントを Arial 16pt に設定します。次に、size() 関数を呼び出して境界矩形のサイズを取得し、そのサイズをコンソールに出力します。

パフォーマンスのヒント

QStaticText::size() 関数は、テキストのレイアウトを計算する必要があるため、比較的重い処理です。テキストのレイアウトが頻繁に変更されない場合は、prepare() 関数を呼び出すことでパフォーマンスを向上させることができます。

prepare() 関数は、テキストのレイアウトを事前に計算し、キャッシュします。これにより、size() 関数の呼び出し速度が大幅に向上します。

テキスト幅の取得

テキストの幅のみを取得したい場合は、textWidth() 関数を使用できます。この関数は、テキストの幅をピクセル単位で返します。

qreal width = text.textWidth();
qDebug() << "Width:" << width;

例 1: テキストの境界矩形サイズを取得する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QStaticText>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストを作成
  QStaticText text("Hello, World!");
  text.setFont(QFont("Arial", 16));

  // 境界矩形サイズを取得
  QSizeF size = text.size();

  // 境界矩形サイズの情報を表示
  qDebug() << "Size:" << size;

  return app.exec();
}

例 2: テキストラベルにテキストを配置する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QStaticText>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストを作成
  QStaticText text("Hello, World!");
  text.setFont(QFont("Arial", 16));

  // テキストラベルを作成
  QLabel label;
  label.setText(text.text());

  // テキストラベルのサイズを境界矩形サイズに設定
  label.resize(text.size());

  // テキストラベルを表示
  label.show();

  return app.exec();
}

このコードは、"Hello, World!" というテキストを含む QStaticText オブジェクトを作成し、そのフォントを Arial 16pt に設定します。次に、setText() 関数を使用してテキストラベルにテキストを設定し、resize() 関数を使用してテキストラベルのサイズを境界矩形サイズに設定します。最後に、show() 関数を使用してテキストラベルを表示します。

例 3: テキストの幅を取得する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QStaticText>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テキストを作成
  QStaticText text("Hello, World!");
  text.setFont(QFont("Arial", 16));

  // テキストの幅を取得
  qreal width = text.textWidth();

  // テキストの幅の情報を表示
  qDebug() << "Width:" << width;

  return app.exec();
}

このコードは、"Hello, World!" というテキストを含む QStaticText オブジェクトを作成し、そのフォントを Arial 16pt に設定します。次に、textWidth() 関数を使用してテキストの幅を取得し、その幅をコンソールに出力します。

QPainter::drawText() 関数

QPainter::drawText() 関数は、テキストを描画するために使用できます。この関数は、テキストの境界矩形サイズも返します。

QPainter painter(widget);
painter.setFont(font);
QRectF rect = painter.drawText(QRect(0, 0, width, height), text);

qDebug() << "Size:" << rect.size();

このコードは、QPainter オブジェクトを作成し、フォントを設定します。次に、drawText() 関数を使用してテキストを描画し、境界矩形を取得します。最後に、境界矩形サイズの情報をコンソールに出力します。

QFontMetrics クラス

QFontMetrics クラスは、フォントに関する情報を提供します。このクラスを使用して、テキストの幅と高さを取得できます。

QFont font("Arial", 16);
QFontMetrics metrics(font);

qreal width = metrics.width(text);
qreal height = metrics.height(text);

qDebug() << "Size:" << QSizeF(width, height);

このコードは、QFontMetrics オブジェクトを作成し、フォントを設定します。次に、width() と height() 関数を使用してテキストの幅と高さを取得します。最後に、境界矩形サイズの情報をコンソールに出力します。

QTextLayout クラス

QTextLayout クラスは、テキストのレイアウトを管理します。このクラスを使用して、テキストの境界矩形サイズを取得できます。

QTextLayout layout(text);
layout.setFont(font);
QRectF rect = layout.boundingRect();

qDebug() << "Size:" << rect.size();

このコードは、QTextLayout オブジェクトを作成し、テキストとフォントを設定します。次に、boundingRect() 関数を使用して境界矩形を取得します。最後に、境界矩形サイズの情報をコンソールに出力します。

選択の指針

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。

パフォーマンス：QFontMetrics クラスと QTextLayout クラスは、QStaticText::size() 関数よりもパフォーマンスが良い場合があります。
柔軟性：QPainter::drawText() 関数は、テキストを描画する際に追加の制御を提供します。
シンプルさ：最もシンプルなのは QStaticText::size() 関数を使用する方法です。