Qt Widgetsにおけるステータスバー操作の集大成: QStatusBar::insertWidget()使いこなしガイド

QStatusBar::insertWidget() 関数は、Qt Widgetsライブラリにおける QStatusBar クラスのメソッドであり、ステータスバーにウィジェットを挿入するために使用されます。ステータスバーは、アプリケーションウィンドウの下部に配置される領域であり、通常、アプリケーションの状態に関する情報を表示するために使用されます。

使用方法

int QStatusBar::insertWidget(int index, QWidget *widget, int stretch = 0);

この関数は、以下の引数を取ります。

stretch: ウィジェットの伸縮係数。0を指定すると、ウィジェットは最小限のスペースしか占有しません。より大きな値を指定すると、ウィジェットはステータスバーが拡大縮小される際に伸縮されます。
widget: 挿入するウィジェット。
index: ウィジェットを挿入するインデックス。0から始まり、ステータスバー内の既存のウィジェットの数まで指定できます。

例

QStatusBar *statusBar = new QStatusBar(this);
statusBar->addWidget(new QLabel("Ready"));
statusBar->insertWidget(1, new QProgressBar());

この例では、ステータスバーに QLabel ウィジェットと QProgressBar ウィジェットが挿入されます。QLabel ウィジェットはインデックス0に挿入され、QProgressBar ウィジェットはインデックス1に挿入されます。

ウィジェットがステータスバーから削除されると、ウィジェットはステータスバーの子ウィジェットではなくなります。
ウィジェットがステータスバーに挿入されると、ステータスバーのレイアウトが自動的に更新されます。
QStatusBar::insertWidget() 関数は、ウィジェットをステータスバーに挿入するだけでなく、ウィジェットをステータスバーの子ウィジェットとして設定します。

ステータスバーにウィジェットを挿入する際には、ステータスバーの幅を考慮する必要があります。ステータスバーが狭すぎる場合は、ウィジェットが表示されない可能性があります。
QStatusBar::insertWidget() 関数は、ステータスバーに永久的にウィジェットを挿入します。一時的にウィジェットを挿入するには、QStatusBar::showMessage() 関数を使用します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QMainWindow>
#include <QProgressBar>
#include <QStatusBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QStatusBar *statusBar = window.statusBar();

  statusBar->addWidget(new QLabel("Ready"));
  statusBar->insertWidget(1, new QProgressBar());

  window.show();
  return app.exec();
}

例2：ステータスバーにボタンとラベルを挿入

この例では、ステータスバーにボタンとラベルを挿入し、ボタンをクリックするとラベルのテキストが "Clicked" に変更されます。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QPushButton>
#include <QMainWindow>
#include <QStatusBar>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QStatusBar *statusBar = window.statusBar();

  QPushButton *button = new QPushButton("Click me");
  QLabel *label = new QLabel("Not clicked");

  connect(button, SIGNAL(clicked()), label, SLOT(setText("Clicked")));

  statusBar->addWidget(button);
  statusBar->insertWidget(1, label);

  window.show();
  return app.exec();
}

例3：ステータスバーにカスタムウィジェットを挿入

この例では、ステータスバーにカスタムウィジェットを挿入し、ウィジェットは現在の日付と時刻を表示します。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QMainWindow>
#include <QStatusBar>
#include <QTimer>

class CustomWidget : public QWidget {
public:
  CustomWidget() {
    updateDateTime();
    timer = new QTimer(this);
    connect(timer, SIGNAL(timeout()), this, SLOT(updateDateTime()));
    timer->start(1000);
  }

  void updateDateTime() {
    QDateTime dateTime = QDateTime::currentDateTime();
    setText(dateTime.toString("yyyy-MM-dd hh:mm:ss"));
  }

private:
  QLabel label;
  QTimer *timer;
};

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QMainWindow window;
  QStatusBar *statusBar = window.statusBar();

  statusBar->addWidget(new CustomWidget());

  window.show();
  return app.exec();
}

代替方法

カスタムレイアウトを使用する: ステータスバーのレイアウトを完全に制御したい場合は、カスタムレイアウトを使用することができます。この方法は、より複雑なレイアウトを作成する場合に役立ちます。
QStatusBar::addPermanentWidget() 関数: ステータスバーに永久的なウィジェットを追加するために使用されます。ウィジェットは、ステータスバーの右側に表示されます。
QStatusBar::showMessage() 関数: ステータスバーに一時的なメッセージを表示するために使用されます。メッセージは、ステータスバーの左側に表示されます。

それぞれの方法の詳細

QStatusBar::showMessage()` 関数

void QStatusBar::showMessage(const QString &message, int timeout = 5000);

timeout: メッセージが表示される時間 (ミリ秒)。デフォルトは5秒です。
message: 表示するメッセージ。

例

QStatusBar *statusBar = new QStatusBar(this);
statusBar->showMessage("Loading...");

この例では、"Loading..." というメッセージがステータスバーに5秒間表示されます。

QStatusBar::addPermanentWidget()` 関数

void QStatusBar::addPermanentWidget(QWidget *widget, int stretch = 0);

stretch: ウィジェットの伸縮係数。0を指定すると、ウィジェットは最小限のスペースしか占有しません。より大きな値を指定すると、ウィジェットはステータスバーが拡大縮小される際に伸縮されます。
widget: 追加するウィジェット。

例

QStatusBar *statusBar = new QStatusBar(this);
statusBar->addPermanentWidget(new QLabel("Ready"));

この例では、"Ready" というテキストが表示されるラベルがステータスバーに追加されます。

カスタムレイアウトを使用する

カスタムレイアウトを使用するには、まず QHBoxLayout などのレイアウトクラスのインスタンスを作成する必要があります。次に、ステータスバーに挿入するウィジェットをレイアウトに追加します。最後に、QStatusBar::setLayout() 関数を使用して、ステータスバーにレイアウトを設定します。

例

QStatusBar *statusBar = new QStatusBar(this);

QHBoxLayout *layout = new QHBoxLayout();
layout->addWidget(new QLabel("Ready"));
layout->addWidget(new QProgressBar());

statusBar->setLayout(layout);

この例では、ラベルとプログレスバーを含むカスタムレイアウトがステータスバーに設定されます。

どの方法を選択するべきか

どの方法を選択するべきかは、状況によって異なります。

ステータスバーのレイアウトを完全に制御したい場合は、カスタムレイアウトを使用します。
ステータスバーに永久的なウィジェットを追加したい場合は、QStatusBar::addPermanentWidget() 関数を使用します。
ステータスバーに一時的なメッセージを表示したい場合は、QStatusBar::showMessage() 関数を使用します。

ウィジェットがステータスバーから削除されると、ウィジェットはステータスバーの子ウィジェットではなくなります。
QStatusBar::insertWidget() 関数は、ステータスバーにウィジェットを挿入するだけでなく、ウィジェットをステータスバーの子ウィジェットとして設定します。