Qt Widgets：QStyledItemDelegate::initStyleOption()の代替方法を徹底比較！〜あなたに合った方法はどれ？〜

QStyledItemDelegate::initStyleOption()は、QStyledItemDelegateクラスの仮想関数であり、モデルデータに基づいてQStyleOptionViewItem構造体を初期化するために使用されます。この構造体は、アイテムの描画や編集に関する情報を格納し、デリゲートがスタイル情報を取得するために使用されます。

役割

initStyleOption()関数は、以下の役割を果たします。

デリゲートがスタイル情報を取得するために使用できるオプション情報を提供します。
スタイルエンジンに渡されるオプション情報を設定します。
QStyleOptionViewItem構造体を初期化し、モデルデータに基づいて必要な情報を設定します。

引数

index: モデルインデックス
option: 初期化されるQStyleOptionViewItem構造体へのポインタ

処理内容

QStyleOptionViewItem構造体を初期化します。
モデルインデックスからアイテムデータを取得します。
取得したアイテムデータを使用して、QStyleOptionViewItem構造体の各メンバを設定します。
スタイルエンジンに渡されるオプション情報を設定します。

例

void MyDelegate::initStyleOption(QStyleOptionViewItem *option, const QModelIndex &index) const
{
    // QStyleOptionViewItem 構造体を初期化
    option->initFrom(view);
    option->index = index;

    // モデルインデックスからアイテムデータを取得
    QString text = index.data(Qt::DisplayRole).toString();
    int value = index.data(Qt::UserRole).toInt();

    // 取得したアイテムデータを使用してオプション情報を設定
    option->text = text;
    option->value = value;

    // スタイルエンジンに渡されるオプション情報を設定
    option->features |= QStyleOptionViewItem::HasIcon;
    option->icon = index.data(Qt::DecorationRole).value<QIcon>();
}

スタイルエンジンは、QStyleクラスによって提供されます。
デリゲートは、この関数をオーバーライドして、スタイル情報の設定方法をカスタマイズすることができます。
initStyleOption()関数は、デリゲートがアイテムを描画したり編集したりする前に呼び出されます。

この説明が、Qt WidgetsにおけるQStyledItemDelegate::initStyleOption()の理解に役立つことを願っています。

上記以外にも、QStyledItemDelegateクラスには、アイテムの描画や編集に関する様々な機能を提供する関数が用意されています。

#include <QtWidgets>

class MyDelegate : public QStyledItemDelegate
{
public:
    using QStyledItemDelegate::paint;

    void initStyleOption(QStyleOptionViewItem *option, const QModelIndex &index) const override
    {
        // QStyleOptionViewItem 構造体を初期化
        option->initFrom(view);
        option->index = index;

        // モデルインデックスからアイテムデータを取得
        QString text = index.data(Qt::DisplayRole).toString();
        int value = index.data(Qt::UserRole).toInt();

        // 取得したアイテムデータを使用してオプション情報を設定
        option->text = text;
        option->value = value;

        // スタイルエンジンに渡されるオプション情報を設定
        option->features |= QStyleOptionViewItem::HasIcon;
        option->icon = index.data(Qt::DecorationRole).value<QIcon>();
    }
};

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルとビューを作成
    QStandardItemModel model;
    QTableView tableView;

    // モデルにデータを挿入
    model.insertRows(0, 5);
    for (int i = 0; i < 5; ++i) {
        model.setData(model.index(i, 0), QString("Item %1").arg(i + 1));
        model.setData(model.index(i, 1), i + 1);
        model.setData(model.index(i, 2), QIcon(QPixmap(":/icon.png")));
    }

    // デリゲートを設定
    MyDelegate delegate;
    tableView.setItemDelegate(&delegate);

    // モデルをビューに設定
    tableView.setModel(&model);

    // ビューを表示
    tableView.show();

    return app.exec();
}

このコードの説明

MyDelegate クラスを定義します。このクラスは QStyledItemDelegate クラスを継承し、paint() 関数をオーバーライドします。
initStyleOption() 関数をオーバーライドし、モデルインデックスからアイテムデータを取得し、QStyleOptionViewItem 構造体に設定します。
main() 関数で、QStandardItemModel モデルと QTableView ビューを作成します。
モデルにデータを挿入します。
MyDelegate インスタンスを作成し、ビューに設定します。
モデルをビューに設定します。
ビューを表示します。

このコードを実行すると

次のようになります。

5 つの行と 3 つの列を持つテーブルが表示されます。各行には、テキスト、数値、アイコンが表示されます。

アイテムの編集をサポートするようにデリゲートを拡張します。
カスタムスタイル情報を設定するようにデリゲートを拡張します。
異なるタイプのアイテムをレンダリングするようにデリゲートを拡張します。

代替方法

サブクラスを作成し、initStyleOption() 関数をオーバーライドする
QItemDelegate::editorEvent() 関数を実装する
QItemDelegate::paint() 関数を実装する

詳細

QItemDelegate::paint() 関数を実装する

QItemDelegate::paint() 関数は、アイテムを描画するために使用されます。この関数内で、QStyleOptionViewItem 構造体を手動で初期化し、必要な情報を設定することができます。

void MyDelegate::paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index)
{
    // QStyleOptionViewItem 構造体を手動で初期化
    QStyleOptionViewItem myOption = option;

    // モデルインデックスからアイテムデータを取得
    QString text = index.data(Qt::DisplayRole).toString();
    int value = index.data(Qt::UserRole).toInt();

    // 取得したアイテムデータを使用してオプション情報を設定
    myOption.text = text;
    myOption.value = value;

    // アイテムを描画
    painter->drawText(myOption.rect, Qt::AlignCenter, text);
}

QItemDelegate::editorEvent() 関数を実装する

QItemDelegate::editorEvent() 関数は、アイテムが編集されるときに呼び出されます。この関数内で、QStyleOptionViewItem 構造体を手動で初期化し、必要な情報を設定することができます。

bool MyDelegate::editorEvent(QEvent *event, QModelIndex &index)
{
    if (event->type() == QEvent::Type::FocusIn) {
        // QStyleOptionViewItem 構造体を手動で初期化
        QStyleOptionViewItem option;
        option.initFrom(view);
        option.index = index;

        // モデルインデックスからアイテムデータを取得
        QString text = index.data(Qt::DisplayRole).toString();
        int value = index.data(Qt::UserRole).toInt();

        // 取得したアイテムデータを使用してオプション情報を設定
        option.text = text;
        option.value = value;

        // スタイルエンジンに渡されるオプション情報を設定
        option.features |= QStyleOptionViewItem::HasIcon;
        option.icon = index.data(Qt::DecorationRole).value<QIcon>();

        // エディタを作成
        QLineEdit *editor = new QLineEdit(text, parent());
        setEditorData(editor, index);

        // エディタを設定
        setEditor(editor);

        return true;
    }

    return QItemDelegate::editorEvent(event, index);
}

サブクラスを作成し、initStyleOption() 関数をオーバーライドする

QStyledItemDelegate クラスからサブクラスを作成し、initStyleOption() 関数をオーバーライドすることができます。この方法は、デリゲートの動作をより細かく制御したい場合に役立ちます。

class MyDelegate : public QStyledItemDelegate
{
public:
    using QStyledItemDelegate::paint;

    void initStyleOption(QStyleOptionViewItem *option, const QModelIndex &index) const override
    {
        // QStyleOptionViewItem 構造体を初期化
        option->initFrom(view);
        option->index = index;

        // モデルインデックスからアイテムデータを取得
        QString text = index.data(Qt::DisplayRole).toString();
        int value = index.data(Qt::UserRole).toInt();

        // 取得したアイテムデータを使用してオプション情報を設定
        option->text = text;
        option->value = value;

        // スタイルエンジンに渡されるオプション情報を設定
        option->features |= QStyleOptionViewItem::HasIcon;
        option->icon = index.data(Qt::DecorationRole).value<QIcon>();

        // カスタムオプション情報を設定
        option->myCustomOption = "Custom value";
    }
};

どの方法を選択するべきか？

どの方法を選択するかは、状況によって異なります。

シンプルなアイテムを描画する場合は、QItemDelegate::paint() 関数を実装するのが最も簡単です。

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代替方法

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