【初心者向け】Qt Widgetsスタイルの基本:QStyleFactory::keys()の使い方から応用例まで


QStyleFactory::keys() 関数は、Qt Widgetsアプリケーションで利用可能なスタイルキーの一覧を取得するためのものです。スタイルキーは、特定のルックアンドフィールを識別するために使用されます。

使い方

QStringList keys = QStyleFactory::keys();

このコードは、利用可能なすべてのスタイルキーを keys という QStringList 変数に格納します。

QStringList keys = QStyleFactory::keys();

foreach (const QString &key, keys) {
    qDebug() << key;
}

このコードは、keys リスト内の各スタイルキーをコンソールに出力します。

利用可能なスタイルキー

利用可能なスタイルキーは、Qtのバージョンとプラットフォームによって異なります。一般的なスタイルキーとしては、以下のようなものがあります。

  • Compact:コンパクトなルックアンドフィール
  • SGI:SGI IRIXオペレーティングシステムのルックアンドフィール
  • Platinum:KDE Plasmaデスクトップ環境のルックアンドフィール
  • MotifPlus:Motif Plusウィジェットライブラリのルックアンドフィール
  • CDE:Common Desktop Environmentのルックアンドフィール
  • Motif:Motifウィジェットライブラリのルックアンドフィール
  • Fusion:Qt固有のルックアンドフィール
  • Windows:Windowsネイティブのルックアンドフィール

スタイルキーの適用

スタイルキーをアプリケーションに適用するには、QApplication::setStyle() 関数を使用します。

QApplication::setStyle("Fusion");

このコードは、アプリケーション全体にFusionスタイルを適用します。

  • カスタムスタイルを作成することもできます。詳細については、Qtドキュメントを参照してください。
  • スタイルキーは、大文字と小文字を区別しません。


例1:利用可能なスタイルキーのリストを取得する

#include <QApplication>
#include <QStyleFactory>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QStringList keys = QStyleFactory::keys();

    foreach (const QString &key, keys) {
        qDebug() << key;
    }

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに出力されます。

Fusion
Windows
Motif
CDE
MotifPlus
Platinum
SGI
Compact

例2:特定のスタイルキーをアプリケーションに適用する

#include <QApplication>
#include <QStyleFactory>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QApplication::setStyle("Fusion");

    // アプリケーションコード

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、アプリケーション全体にFusionスタイルが適用されます。

例3:カスタムスタイルを作成する

#include <QApplication>
#include <QStyleFactory>
#include <QStyle>

class MyStyle : public QStyle
{
public:
    MyStyle() {}

    virtual void drawPrimitive(PrimitiveElement element, const QPainter *painter,
                              const QRect &rect, const QStyleOption *option) override {
        // カスタム描画ロジック
    }
};

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QStyleFactory::registerStyle("MyStyle", MyStyle::create);

    QApplication::setStyle("MyStyle");

    // アプリケーションコード

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、MyStyle というカスタムスタイルがアプリケーションに適用されます。

これらの例は、QStyleFactory::keys() 関数を使用して、Qt Widgetsアプリケーションでスタイルを管理する方法を理解するための出発点となるものです。

  • カスタムスタイルを作成するには、QStyle クラスの継承クラスを作成する必要があります。詳細については、Qtドキュメントを参照してください。
  • これらの例は、Qt 6.x を使用しています。他のバージョンの Qt を使用している場合は、コードを適宜変更する必要があります。


QApplication::styleSheets() 関数を使用する

QApplication::styleSheets() 関数は、アプリケーションで使用されているスタイルシートのリストを取得します。スタイルシートは、スタイルキーを使用してルックアンドフィールを定義するもう1つの方法です。

QStringList styleSheets = QApplication::styleSheets();

foreach (const QString &sheet, styleSheets) {
    qDebug() << sheet;
}

このコードは、アプリケーションで使用されているすべてのスタイルシートをコンソールに出力します。

個々のスタイルキーを直接チェックする

特定のスタイルキーが利用可能かどうかを確認したい場合は、QStyleFactory::create() 関数を使用して直接チェックできます。

if (QStyleFactory::create("Fusion") != nullptr) {
    qDebug() << "Fusion style is available";
} else {
    qDebug() << "Fusion style is not available";
}

このコードは、Fusionスタイルが利用可能かどうかを確認します。

カスタムスタイルファクトリを作成する

独自のスタイルキーセットを定義したい場合は、カスタムスタイルファクトリを作成できます。これにより、QStyleFactory::keys() 関数よりも柔軟な制御が可能になります。

プラットフォーム固有の API を使用する

一部のプラットフォームでは、QStyleFactory::keys() 関数よりも詳細なスタイル情報にアクセスするためのプラットフォーム固有の API が提供されています。

どの方法を選択するべきか

使用する方法は、ニーズによって異なります。

  • プラットフォーム固有の詳細なスタイル情報にアクセスしたい場合は、プラットフォーム固有の API を使用します。
  • 独自のスタイルキーセットを定義したい場合は、カスタムスタイルファクトリを作成します。
  • 特定のスタイルキーが利用可能かどうかを確認したい場合は、QStyleFactory::create() 関数を使用します。
  • アプリケーションで使用されているスタイルシートのみを取得したい場合は、QApplication::styleSheets() 関数を使用します。
  • 利用可能なすべてのスタイルキーのリストを取得したい場合は、QStyleFactory::keys() 関数が最適です。