Qt GUIにおけるQStandardItemModel::insertColumns()プログラミング:詳細解説


QStandardItemModel::insertColumns()関数は、Qt GUIアプリケーションにおいて、QStandardItemModelモデルに新しい列を挿入するために使用されます。この関数は、モデル内の既存の列のインデックスと挿入する列の数を指定することで呼び出されます。挿入された列には、空のアイテムが自動的に作成されます。

構文

bool QStandardItemModel::insertColumns(int column, int count, const QModelIndex &parent = QModelIndex());

引数

  • parent: 挿入する列の親アイテムのインデックス (省略可能、デフォルトはルートアイテム)
  • count: 挿入する列の数
  • column: 挿入する列のインデックス

戻り値

挿入が成功した場合はtrue、失敗した場合はfalseを返します。

次のコードは、QStandardItemModelモデルに2つの新しい列を挿入する例です。

QStandardItemModel model;

// 既存の列をいくつか作成する
model.insertColumns(0, 3);

// 2つの新しい列を挿入する
model.insertColumns(2, 2);

このコードを実行すると、モデルには合計5つの列が作成されます。既存の列は0番目から1番目まで、新しく挿入された列は2番目から3番目までになります。

  • 列を削除するには、QStandardItemModel::removeColumns()関数を使用する必要があります。
  • 挿入する列にアイテムを追加するには、QStandardItem::insertRow()関数を使用する必要があります。
  • insertColumns()関数は、モデル内のアイテムの構造を変更するため、モデルビューに表示されている場合は更新する必要があります。


#include <QApplication>
#include <QStandardItemModel>
#include <QTableView>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStandardItemModel model;

    // 既存の列をいくつか作成
    model.insertColumns(0, 3);

    // 2つの新しい列を挿入
    model.insertColumns(1, 2);

    // モデルデータを挿入
    for (int row = 0; row < 5; ++row) {
        for (int col = 0; col < model.columnCount(); ++col) {
            QStandardItem *item = new QStandardItem(QString("Row %1, Col %2").arg(row).arg(col));
            model.setItem(row, col, item);
        }
    }

    // テーブルビューを作成
    QTableView tableView;
    tableView.setModel(&model);
    tableView.show();

    return app.exec();
}

例2:ルートアイテムの下に列を挿入

この例では、ルートアイテムの下に3つの新しい列を挿入します。

#include <QApplication>
#include <QStandardItemModel>
#include <QTableView>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成
    QStandardItemModel model;

    // 3つの新しい列を挿入
    model.insertColumns(0, 3);

    // モデルデータを挿入
    for (int row = 0; row < 5; ++row) {
        for (int col = 0; col < model.columnCount(); ++col) {
            QStandardItem *item = new QStandardItem(QString("Row %1, Col %2").arg(row).arg(col));
            model.setItem(row, col, item);
        }
    }

    // テーブルビューを作成
    QTableView tableView;
    tableView.setModel(&model);
    tableView.show();

    return app.exec();
}

説明

これらの例では、まずQStandardItemModelモデルを作成します。次に、insertColumns()関数を使用して、モデルに新しい列を挿入します。挿入する列のインデックスと挿入する列の数を指定します。

その後、モデルにデータを挿入します。これを行うには、QStandardItem::insertRow()関数を使用して、モデルに新しい行を挿入し、各セルにQStandardItemオブジェクトを追加します。

最後に、QTableViewを作成してモデルを表示します。

これらの例は、QStandardItemModel::insertColumns()関数の使用方法を理解するのに役立ちます。

  • 列を削除するには、QStandardItemModel::removeColumns()関数を使用する必要があります。
  • モデルデータを挿入する前に、モデル構造が変更されないように注意する必要があります。
  • これらの例は、基本的な使用方法のみを示しています。より複雑なシナリオでは、追加の処理が必要になる場合があります。


代替方法

  • QStandardItemModel::insertRows()関数を使用する

QStandardItemModel::insertRows()関数は、モデルに新しい行を挿入するために使用されます。この関数は、挿入する行のインデックスと挿入する行の数、およびオプションで親アイテムのインデックスを指定することができます。

各新しい行には、空のアイテムが自動的に作成されます。その後、QStandardItem::insertColumn()関数を使用して、各行に新しい列を挿入することができます。

// 既存の行をいくつか作成
model.insertRows(0, 3);

// 各行に2つの新しい列を挿入
for (int row = 0; row < model.rowCount(); ++row) {
    model.insertColumn(row, 2);
}
  • QStandardItemModel::setHorizontalHeaderLabels()関数を使用する

モデルに新しい列を追加するもう1つの方法は、QStandardItemModel::setHorizontalHeaderLabels()関数を使用して、モデルの水平ヘッダーラベルリストを更新することです。この関数は、新しいヘッダーラベルのリストを指定します。

新しい列には、空のアイテムが自動的に作成されます。その後、QStandardItem::insertRow()関数を使用して、モデルにデータ行を挿入することができます。

// 水平ヘッダーラベルリストを更新
QStringList labels;
labels << "Name" << "Age" << "City" << "New Column 1" << "New Column 2";
model.setHorizontalHeaderLabels(labels);

// データ行を挿入
for (int row = 0; row < 5; ++row) {
    model.insertRow(row);
}

どちらの代替方法を選択するべきか

どちらの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。

  • QStandardItemModel::setHorizontalHeaderLabels()関数は、モデルに新しい列のみを追加したい場合に適しています。
  • QStandardItemModel::insertRows()関数は、モデルに新しい行と列を同時に挿入したい場合に適しています。
  • 列を削除するには、QStandardItemModel::removeColumns()関数を使用する必要があります。
  • いずれの代替方法を使用する場合も、モデルビューに表示されている場合は、更新する必要があります。