【Qt Widgets】スプラッシュスクリーン非表示の極意!QSplashScreen::mousePressEvent()完全解説
QSplashScreen::mousePressEvent()
は、Qt Widgets ライブラリにおける QSplashScreen
クラスの仮想関数であり、マウス押下イベントを処理します。この関数は、スプラッシュスクリーン上でマウスがクリックされたときに呼び出され、デフォルトではスプラッシュスクリーンを非表示にします。
機能
この関数は、以下の機能を提供します。
- カスタムイベント処理を追加するためのオーバーライドポイントを提供する。
- アプリケーションの初期化処理完了後、スプラッシュスクリーンを自動的に非表示にする。
- マウス押下イベントを検知し、スプラッシュスクリーンを非表示にする。
使用方法
QSplashScreen::mousePressEvent()
関数は、通常、以下のコードのように show()
メソッドと組み合わせて使用されます。
QSplashScreen splash(pixmap);
splash.show();
// アプリケーションの初期化処理
// スプラッシュスクリーンを非表示にする
splash.close();
このコードでは、まず QPixmap
オブジェクトを使用してスプラッシュスクリーンを作成し、show()
メソッドを使用して表示します。その後、アプリケーションの初期化処理を実行し、最後に close()
メソッドを使用してスプラッシュスクリーンを非表示にします。
カスタマイズ
QSplashScreen::mousePressEvent()
関数は、アプリケーションのニーズに合わせてカスタマイズすることができます。例えば、スプラッシュスクリーンを非表示にする代わりに、別のイベントを発生させたり、カスタム処理を実行したりすることができます。
void QSplashScreen::mousePressEvent(QMouseEvent *event)
{
// スプラッシュスクリーンを非表示にする
close();
// 独自のイベントを発生させる
emit customEvent();
}
このコードでは、mousePressEvent()
関数をオーバーライドし、スプラッシュスクリーンを非表示にするだけでなく、customEvent()
シグナルを発生させています。このシグナルは、アプリケーション内で独自の処理を実行するために使用することができます。
- 関数をオーバーライドする場合は、元の機能を維持するように注意する必要があります。
- この関数は、スプラッシュスクリーンを非表示にするだけでなく、他の処理を実行することもできます。
QSplashScreen::mousePressEvent()
関数は、スプラッシュスクリーンが表示されている場合にのみ呼び出されます。
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QSplashScreen>
class MySplashScreen : public QSplashScreen
{
public:
MySplashScreen(const QPixmap &pixmap)
: QSplashScreen(pixmap)
{
}
protected:
void mousePressEvent(QMouseEvent *event) override
{
// スプラッシュスクリーンを非表示にする
close();
// 独自のイベントを発生させる
emit customEvent();
}
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// スプラッシュスクリーンを作成する
QPixmap pixmap("splashscreen.png");
MySplashScreen splash(pixmap);
splash.show();
// アプリケーションの初期化処理
// 独自のイベントハンドラを設定する
QObject::connect(&splash, &MySplashScreen::customEvent, []() {
// 独自の処理を実行する
qDebug() << "Custom event received";
});
return app.exec();
}
このコードでは、MySplashScreen
という派生クラスを作成し、mousePressEvent()
関数をオーバーライドしています。この関数では、スプラッシュスクリーンを非表示にした後、customEvent()
シグナルを発生させています。
main()
関数では、MySplashScreen
オブジェクトを作成し、show()
メソッドを使用して表示します。その後、アプリケーションの初期化処理を実行し、customEvent()
シグナルが発生したときに実行されるラムダ式を設定します。
このコードを実行すると、スプラッシュスクリーンが表示され、マウスをクリックすると非表示になり、"Custom event received" というメッセージがコンソールに出力されます。
customEvent()
シグナルハンドラ内で実行する処理は、アプリケーションのニーズに合わせて変更する必要があります。- このコードはあくまで例であり、アプリケーションのニーズに合わせて変更する必要があります。
QSplashScreen::mousePressEvent()
関数は、スプラッシュスクリーン上でマウスがクリックされたときに呼び出され、デフォルトではスプラッシュスクリーンを非表示にします。しかし、状況によっては、この動作をカスタマイズしたり、別の処理を実行したりすることが必要になる場合があります。
そのような場合、以下の代替方法を検討することができます。
QSplashScreen::close() メソッド
void MySplashScreen::mousePressEvent(QMouseEvent *event)
{
// スプラッシュスクリーンを非表示にする
close();
}
タイマーを使用した遅延表示
スプラッシュスクリーンを一定時間表示してから非表示にする場合は、タイマーを使用することができます。
void MySplashScreen::mousePressEvent(QMouseEvent *event)
{
// タイマーを開始する
QTimer::singleShot(5000, this, SLOT(close()));
}
このコードでは、mousePressEvent()
関数内で QTimer::singleShot()
メソッドを呼び出し、5秒後に close()
メソッドを実行するように設定しています。
カスタムイベントハンドラ
より複雑な処理を実行する場合は、カスタムイベントハンドラを作成することができます。
void MySplashScreen::mousePressEvent(QMouseEvent *event)
{
// 独自のイベントを発生させる
emit customEvent();
}
このコードでは、mousePressEvent()
関数内で customEvent()
シグナルを発生させています。このシグナルは、アプリケーション内で独自の処理を実行するために使用することができます。
QObject::connect(&splash, &MySplashScreen::customEvent, []() {
// 独自の処理を実行する
qDebug() << "Custom event received";
});
このコードでは、main()
関数で customEvent()
シグナルにラムダ式を接続しています。このラムダ式は、シグナルが発生したときに実行され、"Custom event received" というメッセージをコンソールに出力します。
QSplashScreen::setAttribute() メソッド
QSplashScreen::setAttribute()
メソッドを使用して、スプラッシュスクリーンのクリック時に非表示にならないように設定することができます。
splash.setAttribute(Qt::WA_MouseTracking);
このコードでは、splash
オブジェクトに対して Qt::WA_MouseTracking
属性を設定しています。この属性を設定すると、マウスカーソルがスプラッシュスクリーン上にある間は、スプラッシュスクリーンが非表示にならないようになります。
カスタムウィジェット
独自のロジックと機能を備えたカスタムウィジェットを作成することもできます。
最適な方法を選択
最適な方法は、アプリケーションのニーズによって異なります。シンプルな非表示機能の場合は、QSplashScreen::close()
メソッドを使用するのが最も簡単です。より複雑な処理が必要な場合は、タイマー、カスタムイベントハンドラ、QSplashScreen::setAttribute()
メソッド、またはカスタムウィジェットを使用することができます。