Qt Widgetsでスプリッターのハンドルをドラッグしてリアルタイムにサイズ変更!QSplitter::opaqueResize徹底解説
QSplitter::opaqueResize プロパティは、スプリッターのハンドルをドラッグした際に、ウィジェットのサイズ変更をリアルタイムに行うかどうかを制御します。
デフォルト動作
デフォルトでは、opaqueResize
は false に設定されており、ハンドルをドラッグしてもウィジェットのサイズ変更は行われません。ハンドルを放した後にのみ、ウィジェットのサイズが調整されます。
opaqueResize を true に設定
opaqueResize
を true に設定すると、ハンドルをドラッグした際にウィジェットのサイズ変更がリアルタイムに行われます。これは、ユーザーがスプリッターを操作している間、ウィジェットのサイズが常に変化していることを意味します。
利点
- アニメーションのような滑らかな動きを実現できる
- ユーザーがスプリッターを操作している間、ウィジェットのサイズを常に把握できる
欠点
- 複雑なレイアウトでは、予期しない動作が発生する可能性がある
- パフォーマンスが低下する可能性がある
QSplitter splitter;
splitter.setOpaqueResize(true);
// スプリッターをウィジェットに追加
addWidget(&splitter);
例 1: 単純なスプリッター
#include <QApplication>
#include <QSplitter>
#include <QLabel>
int main(int argc, char* argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ラベルを作成
QLabel label1("Label 1");
QLabel label2("Label 2");
// スプリッターを作成
QSplitter splitter(Qt::Horizontal);
splitter.setOpaqueResize(true);
// ラベルをスプリッターに追加
splitter.addWidget(&label1);
splitter.addWidget(&label2);
// ウィジェットを表示
splitter.show();
return app.exec();
}
このコードを実行すると、2 つのラベルを含む水平スプリッターが表示されます。ユーザーがスプリッターのハンドルをドラッグすると、ラベルのサイズがリアルタイムに変更されます。
例 2: レイアウト付きのスプリッター
#include <QApplication>
#include <QSplitter>
#include <QLabel>
#include <QVBoxLayout>
int main(int argc, char* argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ラベルを作成
QLabel label1("Label 1");
QLabel label2("Label 2");
// レイアウトを作成
QVBoxLayout layout;
layout.addWidget(&label1);
layout.addWidget(&label2);
// スプリッターを作成
QSplitter splitter(Qt::Horizontal);
splitter.setOpaqueResize(true);
// レイアウトをスプリッターに追加
splitter.setLayout(&layout);
// ウィジェットを表示
splitter.show();
return app.exec();
}
このコードを実行すると、2 つのラベルを含む垂直レイアウトと水平スプリッターが表示されます。ユーザーがスプリッターのハンドルをドラッグすると、ラベルのサイズがリアルタイムに変更され、レイアウト全体も調整されます。
説明
上記のコードでは、以下の点に注目してください。
splitter.setLayout(&layout);
行は、レイアウトをスプリッターに追加します。splitter.addWidget(&label);
行は、ラベルをスプリッターに追加します。splitter.setOpaqueResize(true);
行は、スプリッターのハンドルをドラッグした際にウィジェットのサイズ変更をリアルタイムに行うように設定します。
そこで、opaqueResize
の代替方法として以下の方法が考えられます。
タイマーを使用する
ハンドルをドラッグした際にタイマーを開始し、一定時間後にウィジェットのサイズ変更を行う方法です。
void MyWidget::handleSplitterResize() {
// タイマーを停止
timer.stop();
// 一定時間後にサイズ変更を行う
QTimer::singleShot(500, this, &MyWidget::resizeWidgets);
}
void MyWidget::resizeWidgets() {
// ウィジェットのサイズ変更
// ...
}
この方法の利点は、パフォーマンスを向上させることができることです。ただし、タイマーのインターバルによっては、ユーザーがスプリッターを操作している間、ウィジェットのサイズが少し遅れて変化する可能性があります。
カスタムシグナルを使用する
ハンドルをドラッグした際にカスタムシグナルを発行し、そのシグナルをスロットに接続してウィジェットのサイズ変更を行う方法です。
class MyWidget : public QWidget {
public:
signals:
void splitterResize();
};
void MyWidget::handleSplitterResize() {
emit splitterResize();
}
void MyWidget::onSplitterResize() {
// ウィジェットのサイズ変更
// ...
}
この方法の利点は、柔軟性を高めることができることです。ただし、コードが複雑になる可能性があります。
QPropertyAnimation を使用する
QPropertyAnimation
を使用して、ハンドルをドラッグした際にウィジェットのサイズをアニメーションで変更する方法です。
void MyWidget::handleSplitterResize() {
// アニメーションを作成
QPropertyAnimation* animation = new QPropertyAnimation(splitter, "geometry");
animation->setDuration(500);
animation->setStartValue(splitter->geometry());
animation->setEndValue(splitter->geometry());
animation->start();
}
この方法の利点は、滑らかなアニメーションを実現できることです。ただし、コードが複雑になる可能性があります。
QResizeEvent を処理する
QResizeEvent
を処理して、ウィジェットのサイズ変更を行う方法です。
void MyWidget::resizeEvent(QResizeEvent* event) {
// ウィジェットのサイズ変更
// ...
}
この方法の利点は、シンプルで分かりやすいことです。ただし、opaqueResize
と同様、パフォーマンスが低下したり、複雑なレイアウトでは予期しない動作が発生したりする可能性があります。