【初心者向け】 Qt GUI: アイテムの選択・編集・ドラッグを自由自在に設定する QStandardItem::flags() 関数の使い方

QStandardItem::flags() 関数は、Qt GUI における QStandardItem オブジェクトの アイテムフラグ を取得します。アイテムフラグは、ユーザーがアイテムとどのように対話できるかを決定する情報です。

文法

Qt::ItemFlags QStandardItem::flags() const;

戻り値

アイテムフラグを表す Qt::ItemFlags 型の値を返します。

例

QStandardItem *item = new QStandardItem("Item");

// アイテムが選択可能かどうかを確認します
if (item->flags() & Qt::ItemIsSelectable) {
    // アイテムが選択可能です
} else {
    // アイテムが選択できません
}

// アイテムが編集可能かどうかを確認します
if (item->flags() & Qt::ItemIsEditable) {
    // アイテムが編集可能です
} else {
    // アイテムが編集できません
}

詳細

QStandardItem::flags() 関数は、アイテムのデータに格納されたフラグ値を返します。フラグ値は、Qt::ItemIsSelectable、Qt::ItemIsEditable、Qt::ItemIsDragEnabled などのように、さまざまな定数を使用して設定できます。

アイテムフラグは、QStandardItem::setFlags() 関数を使用して設定することもできます。

アイテムフラグは、アイテムの継承者クラスによって拡張できます。
アイテムフラグは、アイテムビューによってどのように解釈されるかを決定します。たとえば、Qt::ItemIsSelectable フラグが設定されていないアイテムは、アイテムビューで選択できません。

#include <QApplication>
#include <QStandardItemModel>
#include <QTableView>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成します
    QStandardItemModel model;

    // アイテムを作成します
    QStandardItem *item1 = new QStandardItem("Item 1");
    QStandardItem *item2 = new QStandardItem("Item 2");

    // アイテム 1 は選択可能で編集可能に設定します
    item1->setFlags(Qt::ItemIsSelectable | Qt::ItemIsEditable);

    // アイテム 2 は選択可能のみ設定します
    item2->setFlags(Qt::ItemIsSelectable);

    // モデルにアイテムを追加します
    model.appendRow(item1);
    model.appendRow(item2);

    // テーブルビューを作成します
    QTableView tableView;
    tableView.setModel(&model);

    // テーブルビューを表示します
    tableView.show();

    return app.exec();
}

例 2: アイテムのドラッグ可否を設定する

この例では、QStandardItem::setFlags() 関数を使用して、アイテムのドラッグ可否を設定します。

#include <QApplication>
#include <QStandardItemModel>
#include <QTableView>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // モデルを作成します
    QStandardItemModel model;

    // アイテムを作成します
    QStandardItem *item1 = new QStandardItem("Item 1");
    QStandardItem *item2 = new QStandardItem("Item 2");

    // アイテム 1 はドラッグ可能に設定します
    item1->setFlags(Qt::ItemIsDragEnabled);

    // アイテム 2 はドラッグ不可に設定します
    item2->setFlags(Qt::ItemIsSelectable);

    // モデルにアイテムを追加します
    model.appendRow(item1);
    model.appendRow(item2);

    // テーブルビューを作成します
    QTableView tableView;
    tableView.setModel(&model);

    // テーブルビューを表示します
    tableView.show();

    return app.exec();
}

説明

これらの例では、QStandardItem::flags() 関数を使用して、アイテムのさまざまなフラグを設定しています。

Qt::ItemIsDragEnabled フラグ: アイテムがドラッグ可能かどうかを設定します。
Qt::ItemIsEditable フラグ: アイテムが編集可能かどうかを設定します。
Qt::ItemIsSelectable フラグ: アイテムが選択可能かどうかを設定します。

これらのフラグは、アイテムビューによってどのように解釈されるかを決定します。たとえば、Qt::ItemIsSelectable フラグが設定されていないアイテムは、アイテムビューで選択できません。

これらの例は、QStandardItem::flags() 関数の使用方法を理解するのに役立ちます。

アイテムのフォントを設定する
アイテムのアイコンを設定する
アイテムのチェックボックス状態を設定する

しかし、状況によっては QStandardItem::flags() 関数を使用する代わりに、以下の代替方法を検討することができます。

hasChildren() 関数

hasChildren() 関数は、アイテムに子アイテムが存在するかどうかを確認します。子アイテムが存在する場合は、アイテムがドラッグ可能である可能性が高いことを示唆します。

if (item->hasChildren()) {
    // アイテムに子アイテムが存在する場合は、ドラッグ可能である可能性が高い
}

data() 関数

data() 関数は、アイテムに格納されているデータを特定のロールに対して取得します。アイテムフラグに関連するデータを格納しているロールが存在する場合、data() 関数を使用してそのデータを取得することができます。

Qt::ItemFlags flags = item->data(Qt::UserRole).toInt();

if (flags & Qt::ItemIsSelectable) {
    // アイテムが選択可能です
} else {
    // アイテムが選択できません
}

isCheckable() 関数

isCheckable() 関数は、アイテムがチェックボックス付きかどうかを確認します。チェックボックス付きのアイテムは、通常、ユーザーが編集できることを示唆します。

if (item->isCheckable()) {
    // アイテムはチェックボックス付きで、編集可能である可能性が高い
}

isEditable() 関数

isEditable() 関数は、アイテムが編集可能かどうかを確認します。

if (item->isEditable()) {
    // アイテムが編集可能です
} else {
    // アイテムが編集できません
}

カスタムデータ型

アイテムフラグに関連するデータを格納するために、カスタムデータ型を使用することができます。

struct ItemData {
    Qt::ItemFlags flags;
    // その他のデータ
};

ItemData itemData;
item->setData(Qt::UserRole, QVariant::fromValue(itemData));

// アイテムフラグを取得します
Qt::ItemFlags flags = itemData.flags;

注意事項

これらの代替方法は、QStandardItem::flags() 関数と同じ結果を常に保証するわけではないことに注意してください。