Qt GUIプログラミングにおける必須テクニック:QStandardItem::setText()を使いこなす


QStandardItem::setText()メソッドは、Qt GUIアプリケーションで標準アイテムのテキストを設定するために使用されます。このメソッドは、QStandardItemクラスのメンバー関数であり、アイテムに表示されるテキストコンテンツを指定するために使用されます。

メソッドの引数

setText()メソッドは、1つの引数を取ります。

  • text: 設定するテキストコンテンツを表すQString型オブジェクト

メソッドの戻り値

setText()メソッドは、void型であり、値を返しません。

メソッドの使用方法

QStandardItem::setText()メソッドを使用するには、以下の手順に従います。

  1. QStandardItemオブジェクトを取得します。
  2. setText()メソッドを呼び出し、設定するテキストコンテンツをQString型オブジェクトとして引数に渡します。

QStandardItem* item = new QStandardItem("元のテキスト");
item->setText("新しいテキスト");

この例では、QStandardItemオブジェクトを作成し、"元のテキスト"というテキストコンテンツを設定します。その後、setText()メソッドを呼び出し、"新しいテキスト"という新しいテキストコンテンツを設定します。

メソッドの使用例

QStandardItem::setText()メソッドは、さまざまな状況で使用することができます。以下は、いくつかの例です。

  • コンボボックスのアイテムテキストを設定する
  • テーブルウィジェットのセルテキストを設定する
  • リストウィジェットやツリーウィジェットのアイテムのテキストを設定する

注意事項

  • アイテムのテキストを変更するには、dataChanged()シグナルを発行する必要があります。
  • setText()メソッドは、アイテムの表示テキストのみを変更します。アイテムに関連付けられたデータは変更されません。

QStandardItem::setText()メソッドは、Qt GUIアプリケーションで標準アイテムのテキストを設定するための基本的な方法です。このメソッドに加えて、アイテムのテキスト書式を設定したり、アイテムにアイコンを設定したりする他のメソッドも用意されています。



#include <QApplication>
#include <QStandardItem>
#include <QListView>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // リストウィジェットを作成
  QListView listView;

  // 標準アイテムモデルを作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムを作成し、テキストを設定
  QStandardItem* item1 = new QStandardItem("アイテム1");
  QStandardItem* item2 = new QStandardItem("アイテム2");
  QStandardItem* item3 = new QStandardItem("アイテム3");

  // モデルにアイテムを追加
  model.appendRow(item1);
  model.appendRow(item2);
  model.appendRow(item3);

  // リストウィジェットにモデルを設定
  listView.setModel(&model);

  // リストウィジェットを表示
  listView.show();

  return app.exec();
}

例2:テーブルウィジェットのセルテキストを設定する

この例では、テーブルウィジェットを作成し、セルのテキストをsetText()メソッドを使用して設定します。

#include <QApplication>
#include <QStandardItem>
#include <QTableView>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルウィジェットを作成
  QTableView tableView;

  // 標準アイテムモデルを作成
  QStandardItemModel model;

  // アイテムを作成し、テキストを設定
  QStandardItem* item11 = new QStandardItem("1行1列");
  QStandardItem* item12 = new QStandardItem("1行2列");
  QStandardItem* item21 = new QStandardItem("2行1列");
  QStandardItem* item22 = new QStandardItem("2行2列");

  // アイテムをモデルに追加
  model.setItem(0, 0, item11);
  model.setItem(0, 1, item12);
  model.setItem(1, 0, item21);
  model.setItem(1, 1, item22);

  // テーブルウィジェットにモデルを設定
  tableView.setModel(&model);

  // テーブルウィジェットを表示
  tableView.show();

  return app.exec();
}

例3:コンボボックスのアイテムテキストを設定する

この例では、コンボボックスを作成し、アイテムのテキストをsetText()メソッドを使用して設定します。

#include <QApplication>
#include <QStandardItem>
#include <QComboBox>

int main(int argc, char* argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // コンボボックスを作成
  QComboBox comboBox;

  // 標準アイテムを作成し、テキストを設定
  QStandardItem* item1 = new QStandardItem("アイテム1");
  QStandardItem* item2 = new QStandardItem("アイテム2");
  QStandardItem* item3 = new QStandardItem("アイテム3");

  // コンボボックスにアイテムを追加
  comboBox.addItem(item1);
  comboBox.addItem(item2);
  comboBox.addItem(item3);

  // コンボボックスを表示
  comboBox.show();

  return app.exec();
}


Qt GUIアプリケーションで標準アイテムのテキストを設定するには、QStandardItem::setText()メソッドが一般的に使用されます。しかし、状況によっては、このメソッドの代替方法を使用する方が適切な場合があります。

代替方法

QStandardItem::setText()の代替方法として、以下の方法が考えられます。

  1. setData()メソッドを使用する

QStandardItem::setData()メソッドは、アイテムに任意のデータを設定するために使用できます。テキストデータを設定するには、Qt::ItemDataRole::DisplayRoleという役割を指定します。

item->setData("新しいテキスト", Qt::ItemDataRole::DisplayRole);
  1. QStandardItem::appendRow()またはQStandardItem::appendColumn()メソッドを使用する

これらのメソッドは、アイテムモデルに新しい行または列を追加するために使用できます。新しい行または列には、setText()メソッドを使用してテキストを設定する新しいアイテムを含めることができます。

// 新しい行を追加
QStandardItem* newItem = new QStandardItem("新しいテキスト");
model.appendRow(newItem);

// 新しい列を追加
QStandardItem* newItem = new QStandardItem("新しいテキスト");
model.appendColumn(newItem);
  1. インデックスを使用してアイテムに直接アクセスする

モデルインデックスを使用して、アイテムモデル内の特定のアイテムに直接アクセスできます。アイテムにアクセスしたら、data()メソッドを使用してテキストデータを取得または設定できます。

QModelIndex index = model.indexFromItem(item);
model.setData(index, "新しいテキスト", Qt::ItemDataRole::DisplayRole);

各方法の比較

方法利点欠点
QStandardItem::setText()シンプルでわかりやすいデータの種類に制限がある
QStandardItem::setData()任意のデータを設定できる役割を指定する必要がある
QStandardItem::appendRow()/appendColumn()新しい行または列を追加できるモデル構造を変更する必要がある
インデックスを使用する柔軟性が高いインデックスを取得する必要がある

最適な方法の選択

使用する方法は、状況によって異なります。

  • 柔軟性の高い方法が必要な場合は、インデックスを使用してアイテムに直接アクセスする方法を使用します。
  • モデル構造を変更する必要がある場合は、QStandardItem::appendRow()/appendColumn()メソッドを使用します。
  • 任意のデータをアイテムに設定する必要がある場合は、QStandardItem::setData()メソッドを使用する必要があります。
  • シンプルでわかりやすい方法が必要な場合は、QStandardItem::setText()メソッドを使用するのが一般的です。

上記以外にも、QStandardItem::setHtml()メソッドやQStandardItem::setIcon()メソッドを使用して、アイテムのテキストをフォーマットしたり、アイコンを設定したりする方法もあります。