【超解説】Qt GUIで複雑なツリービューも楽々!QStandardItem::setRowCount()とinsertRows()/removeRows()を使いこなす
QStandardItem::setRowCount()
は、Qt GUIプログラミングにおいて、標準アイテムの子要素の行数を設定するためのメソッドです。標準アイテムは、モデルビューフレームワークで使用されるデータ構造であり、ツリー構造を形成するために使用されます。
使用方法
void QStandardItem::setRowCount(int rows);
このメソッドは、rows
という引数を受け取り、標準アイテムの子要素の行数を設定します。rows
の値は正整数である必要があります。
例
QStandardItem *item = new QStandardItem("Parent Item");
// 3行の子要素を追加
item->setRowCount(3);
// 各行に子要素を追加
item->child(0, 0)->setText("Child 1-1");
item->child(0, 1)->setText("Child 1-2");
item->child(0, 2)->setText("Child 1-3");
// モデルビューにアイテムを追加
model->appendRow(item);
この例では、Parent Item
というテキストを持つ標準アイテムを作成し、3行の子要素を追加します。その後、各行に子要素を追加し、モデルビューにアイテムを追加します。
注意事項
- 行数を減らす場合は、
removeRows()
メソッドを使用する必要があります。 setRowCount()
メソッドを呼び出すと、既存の子要素は削除されます。setRowCount()
メソッドを呼び出す前に、標準アイテムがモデルビューに挿入されていることを確認する必要があります。
QStandardItem::setRowCount()
メソッドは、モデルビューフレームワークで標準アイテムを使用する際に役立つ基本的な操作の一つです。このメソッドを理解することで、より複雑なツリー構造を構築することができます。
- Qtの公式ドキュメントは、Qt GUIプログラミングを学ぶための貴重なリソースです。
main.cpp
#include <QApplication>
#include <QStandardItemModel>
#include <QTreeView>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルを作成
QStandardItemModel model;
// 親アイテムを作成
QStandardItem *parentItem = new QStandardItem("Parent Item");
// 3行の子要素を追加
parentItem->setRowCount(3);
// 各行に子要素を追加
parentItem->child(0, 0)->setText("Child 1-1");
parentItem->child(0, 1)->setText("Child 1-2");
parentItem->child(0, 2)->setText("Child 1-3");
// モデルに親アイテムを追加
model.appendRow(parentItem);
// ツリービューを作成
QTreeView treeView;
treeView.setModel(&model);
// ツリービューを表示
treeView.show();
return app.exec();
}
main.ui
import QtQuick 2.0
Rectangle {
width: 300
height: 200
TreeView {
anchors.fill: parent
model: model
delegate: StandardItemDelegate {
text: item.text()
}
}
}
このコードを実行すると、次のようになります。
- Qt Creator以外にも、Qt GUIプログラミングを行うためのツールは多数あります。
- コードを使用する前に、ライセンス条項を確認してください。
insertRows()とremoveRows()`を使用する
insertRows()
とremoveRows()
は、モデルビューフレームワークで標準アイテムの子要素の行を挿入または削除するためのメソッドです。これらのメソッドを使用すると、より柔軟に子要素の行を管理することができます。
利点
- 特定の行から子要素を削除することができます。
- 特定の行に新しい子要素を挿入することができます。
- 既存の子要素を保持することができます。
欠点
- 行のインデックスを計算する必要があります。
setRowCount()
よりもコードが冗長になる可能性があります。
例
QStandardItem *item = new QStandardItem("Parent Item");
// 3行の子要素を追加
item->insertRows(0, 3);
// 各行に子要素を追加
item->child(0, 0)->setText("Child 1-1");
item->child(0, 1)->setText("Child 1-2");
item->child(0, 2)->setText("Child 1-3");
// 2番目の行を削除
item->removeRows(1, 1);
この例では、Parent Item
というテキストを持つ標準アイテムを作成し、3行の子要素を追加します。その後、各行に子要素を追加し、2番目の行を削除します。
QStandardItemModel::appendRow()とremoveRow()`を使用する
QStandardItemModel::appendRow()
とremoveRow()
は、モデルビューフレームワークで標準アイテムの行を挿入または削除するためのモデルレベルのメソッドです。これらのメソッドを使用すると、コードをより簡潔にすることができます。
利点
- 行のインデックスを計算する必要がありません。
insertRows()
とremoveRows()
よりもコードが簡潔になる可能性があります。
欠点
- 特定の行から子要素を削除することはできません。
- 特定の行に新しい子要素を挿入することはできません。
- 既存の子要素を保持できません。
例
QStandardItem *item = new QStandardItem("Parent Item");
// 3行の子要素を追加
model->appendRow(item);
item->appendRow(QStandardItem("Child 1-1"));
item->appendRow(QStandardItem("Child 1-2"));
item->appendRow(QStandardItem("Child 1-3"));
// 2番目の行を削除
model->removeRow(1);
この例では、Parent Item
というテキストを持つ標準アイテムを作成し、3行の子要素を追加します。その後、2番目の行を削除します。
カスタムデータ構造を使用する
独自のデータ構造を使用すると、子要素の行をより柔軟に管理することができます。ただし、この方法はより複雑で、モデルビューフレームワークとの統合が難しい場合があります。
利点
- モデルビューフレームワークに依存しない独自のロジックを実装することができます。
- 子要素の行を完全に制御することができます。
欠点
- モデルビューフレームワークとの統合が難しい場合があります。
- コードが複雑になる可能性があります。
例
struct MyItem {
QString text;
std::vector<MyItem> children;
};
std::vector<MyItem> items = {
{ "Parent Item", {
{ "Child 1-1" },
{ "Child 1-2" },
{ "Child 1-3" }
} }
};
// ...
// モデルビューフレームワークにデータを反映
この例では、MyItem
という独自のデータ構造を作成し、子要素の行を管理します。その後、モデルビューフレームワークにデータを反映します。
QStandardItem::setRowCount()
は、標準アイテムの子要素の行数を設定するための基本的な方法ですが、状況によっては代替方法がより適切な場合があります。上記で紹介した代替方法を検討し、ニーズに合った方法を選択してください。
- Qtの公式ドキュメントは、Qt GUIプログラミングを学ぶための貴重なリソースです。