Qt WidgetsにおけるQSizePolicy::operator==()の解説

QSizePolicy::operator==()は、Qt Widgetsにおける重要な機能の一つです。これは、2つのQSizePolicyオブジェクトが等しいかどうかを比較するために使用される演算子です。QSizePolicyは、ウィジェットのサイズ調整に関するポリシーを定義するものであり、水平方向と垂直方向の伸縮性や最小サイズなどを設定することができます。

構文

bool QSizePolicy::operator==(const QSizePolicy &other) const;

引数

other: 比較対象となるQSizePolicyオブジェクト

戻り値

2つのQSizePolicyオブジェクトが等しい場合はtrue、そうでない場合はfalse

詳細

QSizePolicy::operator==()は、以下の条件をすべて満たす場合にtrueを返します。

非表示時のサイズ保持フラグが等しい
最小サイズが等しい
伸縮度が等しい
制御タイプが等しい
垂直方向のポリシーが等しい
水平方向のポリシーが等しい

QSizePolicy policy1(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
QSizePolicy policy2(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

if (policy1 == policy2) {
  // 2つのポリシーは等しい
} else {
  // 2つのポリシーは等しくない
}

例1：2つのQSizePolicyオブジェクトを比較する

QSizePolicy policy1(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
QSizePolicy policy2(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

if (policy1 == policy2) {
  std::cout << "2つのポリシーは等しい" << std::endl;
} else {
  std::cout << "2つのポリシーは等しくない" << std::endl;
}

例2：ウィジェットのサイズを同じにする

QLabel label1;
QLabel label2;

label1.setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
label2.setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

if (label1.sizePolicy() == label2.sizePolicy()) {
  // 2つのラベルのサイズポリシーは同じ
  label1.setMinimumSize(QSize(100, 50));
  label2.setMinimumSize(label1.minimumSize());
} else {
  // 2つのラベルのサイズポリシーは異なる
  // 適切な処理を行う
}

例3：QSizePolicyオブジェクトをシリアル化して保存する

QSizePolicy policy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Preferred);

QByteArray data;
QDataStream stream(&data, QIODevice::WriteOnly);
stream << policy;

// データを保存

QByteArray restoredData = data;
QDataStream restoreStream(&restoredData, QIODevice::ReadOnly);
QSizePolicy restoredPolicy;
restoreStream >> restoredPolicy;

if (policy == restoredPolicy) {
  // 保存されたポリシーと復元されたポリシーは同じ
} else {
  // 保存されたポリシーと復元されたポリシーは異なる
}

これらの例は、QSizePolicy::operator==() の使用方法を理解するのに役立つはずです。

QSizePolicyオブジェクトをネットワーク経由で送信する
QSizePolicyオブジェクトをリストまたはマップに保存する
特定の条件下でのみ2つのQSizePolicyオブジェクトを比較する

QSizePolicy::operator==() は、静的メンバー関数です。つまり、QSizePolicyオブジェクトのインスタンスではなく、クラス自体に対して呼び出す必要があります。
QSizePolicy::operator==() は、2つのQSizePolicyオブジェクトが完全に等しいかどうかを比較するものです。部分的に一致するかどうかを比較したい場合は、他の方法を使用する必要があります。

各プロパティを個別に比較する

QSizePolicyオブジェクトには、水平方向のポリシー、垂直方向のポリシー、制御タイプ、伸縮度、最小サイズ、非表示時のサイズ保持フラグという6つのプロパティがあります。これらのプロパティを個別に比較することで、2つのQSizePolicyオブジェクトが等しいかどうかを判断することができます。

QSizePolicy policy1(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
QSizePolicy policy2(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

bool isEqual = (policy1.controlType() == policy2.controlType() &&
               policy1.stretch() == policy2.stretch() &&
               policy1.minimumSize() == policy2.minimumSize() &&
               policy1.hasHeightForWidth() == policy2.hasHeightForWidth() &&
               policy1.hasWidthForHeight() == policy2.hasWidthForHeight());

if (isEqual) {
  // 2つのポリシーは等しい
} else {
  // 2つのポリシーは等しくない
}

QVariant を使用する

QSizePolicyオブジェクトは、QVariantに変換することができます。QVariantは、さまざまな型を保持できるデータ型です。2つのQSizePolicyオブジェクトをQVariantに変換し、比較することができます。

QSizePolicy policy1(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
QSizePolicy policy2(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

QVariant variant1 = QVariant::fromValue(policy1);
QVariant variant2 = QVariant::fromValue(policy2);

if (variant1 == variant2) {
  // 2つのポリシーは等しい
} else {
  // 2つのポリシーは等しくない
}

カスタム比較関数を使用する

独自の比較ロジックを実装したい場合は、カスタム比較関数を作成することができます。この関数は、2つのQSizePolicyオブジェクトを引数とし、trueまたはfalseを返す必要があります。

bool compareQSizePolicies(const QSizePolicy &policy1, const QSizePolicy &policy2) {
  // 独自の比較ロジックを実装する
  return true; // 2つのポリシーが等しい場合
}

QSizePolicy policy1(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
QSizePolicy policy2(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

if (compareQSizePolicies(policy1, policy2)) {
  // 2つのポリシーは等しい
} else {
  // 2つのポリシーは等しくない
}

どの方法を使用すべきか

使用する方法は、状況によって異なります。

独自の比較ロジックを実装したい場合は、カスタム比較関数を使用します。
QSizePolicyオブジェクトをシリアル化して保存したい場合は、QVariant を使用する必要があります。
特定のプロパティのみを比較したい場合は、個別に比較する方法を使用します。
2つのQSizePolicyオブジェクトが完全に等しいかどうかを比較したい場合は、QSizePolicy::operator==() を使用するのが最も簡単です。