【初心者向け】Qt Widgetsにおけるスペーサーの使いこなし術：QSpacerItem::expandingDirections()を極める

QSpacerItem::expandingDirections()は、Qt WidgetsにおけるQSpacerItemクラスのメソッドの一つであり、伸縮可能な方向をQt::Orientations型で返します。

QSpacerItemとは

QSpacerItemは、レイアウト内に空白領域を作成するためのアイテムです。通常、直接的にこのクラスを使用する必要はありません。Qtのレイアウトマネージャーは、レイアウト内の空白領域を操作するための以下の機能を提供します。

• QGridLayout
  setRowMinimumHeight(), setRowStretch(), setColumnMinimumWidth(), setColumnStretch()
• QHBoxLayout
  addSpacing(), addStretch(), insertSpacing(), insertStretch()

expandingDirections()の役割

expandingDirections()は、QSpacerItemがどの方向に伸縮可能かを設定します。この設定は、レイアウトマネージャーがレイアウトを調整する際に考慮されます。

引数と戻り値

expandingDirections()は、引数を取らず、Qt::Orientations型の値を返します。

Qt::Orientations型は、以下のビットフラグを組み合わせたものです。

• Qt::Vertical
  垂直方向に伸縮可能
• Qt::Horizontal
  水平方向に伸縮可能

例

QSpacerItem* spacer = new QSpacerItem(10, 20, QSizePolicy::Minimum, QSizePolicy::Minimum);
spacer->expandingDirections() |= Qt::Horizontal;

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(new QLabel("Label 1"));
layout->addWidget(spacer);
layout->addWidget(new QLabel("Label 2"));

widget->setLayout(layout);

この例では、水平方向に伸縮可能なスペーサーを作成し、レイアウトに追加しています。これにより、"Label 2"がウィンドウの右端に配置されます。

• QSpacerItem以外にも、レイアウト内に空白領域を作成するための方法はいくつかあります。例えば、QLabelやQFrameなどのウィジェットに空の文字列を設定したり、QSizePolicyのfixedSize()を使用したりすることができます。
• expandingDirections()は、QSizePolicyのminimumSizeHint()とmaximumSizeHint()と合わせて使用することで、より柔軟なレイアウトを作成することができます。

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水平方向に伸縮可能なスペーサーを作成し、レイアウトに追加する

QSpacerItem* spacer = new QSpacerItem(10, 20, QSizePolicy::Minimum, QSizePolicy::Minimum);
spacer->expandingDirections() |= Qt::Horizontal;

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(new QLabel("Label 1"));
layout->addWidget(spacer);
layout->addWidget(new QLabel("Label 2"));

widget->setLayout(layout);

このコードは、以下の操作を行います。

1. QSpacerItemオブジェクトを作成します。
2. スペーサーのサイズポリシーを最小サイズに設定します。
3. expandingDirections()を使用して、スペーサーが水平方向に伸縮可能であることを設定します。
4. QHBoxLayoutオブジェクトを作成します。
5. "Label 1"ラベルをレイアウトに追加します。
6. スペーサーをレイアウトに追加します。
7. "Label 2"ラベルをレイアウトに追加します。
8. レイアウトをウィジェットに設定します。

この結果、"Label 2"はウィンドウの右端に配置されます。

垂直方向と水平方向に伸縮可能なスペーサーを作成し、グリッドレイアウトに追加する

QSpacerItem* spacer = new QSpacerItem(20, 10, QSizePolicy::Minimum, QSizePolicy::Minimum);
spacer->expandingDirections() |= Qt::Horizontal | Qt::Vertical;

QGridLayout* layout = new QGridLayout;
layout->addWidget(new QLabel("Label 1"), 0, 0);
layout->addWidget(new QLabel("Label 2"), 0, 1);
layout->addWidget(new QLabel("Label 3"), 1, 0);
layout->addWidget(new QLabel("Label 4"), 1, 1);
layout->addItem(spacer, 2, 0, 2, 2);

widget->setLayout(layout);

説明

1. QSpacerItemオブジェクトを作成します。
2. スペーサーのサイズポリシーを最小サイズに設定します。
3. expandingDirections()を使用して、スペーサーが垂直方向と水平方向に伸縮可能であることを設定します。
4. QGridLayoutオブジェクトを作成します。
5. "Label 1"、"Label 2"、"Label 3"、"Label 4"ラベルをグリッドレイアウトに追加します。
6. スペーサーをグリッドレイアウトの行2と列0から行4と列1までの領域に追加します。
7. レイアウトをウィジェットに設定します。

この結果、"Label 1"、"Label 2"、"Label 3"、"Label 4"ラベルはグリッド内に均等に配置されます。

QSpacerItem* spacerH = new QSpacerItem(40, 0, QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);
QSpacerItem* spacerV = new QSpacerItem(0, 40, QSizePolicy::Minimum, QSizePolicy::Expanding);

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(new QLabel("Label 1"));
layout->addWidget(spacerH);
layout->addWidget(new QLabel("Label 2"));

QVBoxLayout* vlayout = new QVBoxLayout;
vlayout->addWidget(new QLabel("Label 3"));
vlayout->addWidget(spacerV);
vlayout->addWidget(new QLabel("Label 4"));

layout->addWidget(vlayout);

widget->setLayout(layout);

1. 水平方向に伸縮可能なスペーサー (spacerH) と垂直方向に伸縮可能なスペーサー (spacerV) を作成します。
2. QSizePolicyを使用して、スペーサーの最小サイズと最大サイズを指定します。
3. QHBoxLayoutオブジェクト (layout) と QVBoxLayoutオブジェクト (vlayout) を作成します。
4. "Label 1"、"Label 2"ラベルを layoutに追加します。
5. "Label 3"、"Label 4"ラベルを vlayoutに追加します。
6. spacerH を layout に追加します。
7. vlayout を layout に追加します。
8. レイアウトを

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QSpacerItem::expandingDirections()は、Qt WidgetsにおけるQSpacerItemクラスのメソッドの一つであり、伸縮可能な方向をQt::Orientations型で返します。

しかし、状況によっては、QSpacerItem::expandingDirections()を使用するよりも、他の方法で伸縮可能な領域を作成する方が適切な場合があります。

ここでは、QSpacerItem::expandingDirections()の代替方法として、以下の3つの方法をご紹介します。

QSizePolicyを使用する

QSizePolicyは、ウィジェットの最小サイズと最大サイズを指定するためのクラスです。伸縮可能な領域を作成するには、QSizePolicyのpreferredSizeHint()とmaximumSizeHint()を使用することができます。

QSizePolicy sizePolicy(QSizePolicy::MinimumExpanding, QSizePolicy::MinimumExpanding);
QLabel* label1 = new QLabel("Label 1");
label1->setSizePolicy(sizePolicy);

QLabel* label2 = new QLabel("Label 2");
label2->setSizePolicy(sizePolicy);

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label1);
layout->addWidget(label2);

widget->setLayout(layout);

説明

1. QSizePolicyオブジェクトを作成します。
2. preferredSizeHint()とmaximumSizeHint()を使用して、ウィジェットの最小サイズと最大サイズを伸縮可能に設定します。
3. "Label 1"と"Label 2"ラベルを作成します。
4. ラベルにsizePolicyを設定します。
5. QHBoxLayoutオブジェクトを作成します。
6. ラベルをレイアウトに追加します。
7. レイアウトをウィジェットに設定します。

この結果、"Label 1"と"Label 2"ラベルは、ウィンドウの幅に合わせて伸縮します。

レイアウトマネージャーのメソッドを使用する

レイアウトマネージャーには、伸縮可能な領域を作成するためのメソッドが用意されています。例えば、QHBoxLayoutにはaddStretch()メソッドがあり、QGridLayoutにはsetColumnStretch()とsetRowStretch()メソッドがあります。

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(new QLabel("Label 1"));
layout->addStretch(1);
layout->addWidget(new QLabel("Label 2"));

widget->setLayout(layout);

説明

1. QHBoxLayoutオブジェクトを作成します。
2. "Label 1"ラベルをレイアウトに追加します。
3. addStretch(1)を使用して、伸縮可能な領域を追加します。
4. "Label 2"ラベルをレイアウトに追加します。
5. レイアウトをウィジェットに設定します。

この結果、"Label 2"は、ウィンドウの残りの領域を占有します。

空のウィジェットを使用する

伸縮可能な領域を作成するには、空のウィジェットを使用することもできます。

QLabel* label1 = new QLabel("Label 1");
QLabel* label2 = new QLabel("Label 2");

QHBoxLayout* layout = new QHBoxLayout;
layout->addWidget(label1);
layout->addWidget(label2, 1);

widget->setLayout(layout);

説明

1. "Label 1"と"Label 2"ラベルを作成します。
2. QHBoxLayoutオブジェクトを作成します。
3. "Label 1"ラベルをレイアウトに追加します。
4. "Label 2"ラベルをレイアウトに追加し、stretchFactorを1に設定します。
5. レイアウトをウィジェットに設定します。

上記以外にも、伸縮可能な領域を作成するための方法はいくつかあります。例えば、CSSを使用したり、カスタムウィジェットを作成したりすることができます。

• [QGridLayout Class | Qt Widgets 6.7.2](https://doc.