【初心者向け】Qt Widgetsでスライダーを実装:QSlider::QSlider()の解説とサンプルコード


QSlider::QSlider()は、Qt Widgetsライブラリで提供されるスライダーウィジェットを生成するコンストラクタです。このコンストラクタは、オプションで親ウィジェットとスライダーの方向を指定することができます。

構文

QSlider::QSlider(QWidget *parent = nullptr);
QSlider::QSlider(Qt::Orientation orientation, QWidget *parent = nullptr);

引数

  • orientation: スライダーの方向を指定します。デフォルトではQt::Verticalで、この場合スライダーは垂直方向に表示されます。Qt::Horizontalを指定すると、スライダーは水平方向に表示されます。
  • parent: スライダーウィジェットを配置する親ウィジェットを指定します。デフォルトではnullptrで、この場合ウィジェットはウィンドウシステムに直接配置されます。

戻り値

このコンストラクタは、生成されたスライダーウィジェットへのポインタを返します。

// 垂直方向のスライダーを作成し、ウィンドウシステムに配置する
QSlider slider;

// 水平方向のスライダーを作成し、親ウィジェットに配置する
QWidget *parent = new QWidget;
QSlider slider(Qt::Horizontal, parent);
  • スライダーの値が変更されたときにシグナルを発行するには、valueChanged()シグナルに接続します。
  • スライダーの現在の値は、value()プロパティを使用して取得または設定できます。
  • スライダーの値範囲は、minimum()maximum()プロパティを使用して設定できます。
  • スライダーの方向は、orientation()プロパティを使用して変更することもできます。


#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QSlider>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label("現在の値: 0");

  // スライダーを作成
  QSlider slider(Qt::Horizontal);
  slider.setRange(0, 100);

  // スライダーの値が変更されたときにシグナルを接続
  QObject::connect(&slider, &QSlider::valueChanged, &label,
                   [=](int value) { label.setText("現在の値: " + QString::number(value)); });

  // ウィジェットを配置
  QVBoxLayout layout;
  layout.addWidget(&label);
  layout.addWidget(&slider);

  // メインウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.setLayout(&layout);
  window.setWindowTitle("スライダー例");
  window.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下のようになります。

スライダーを動かすと、ラベルにスライダーの現在の値が表示されます。

  • スライダーのスタイルを変更する
  • スライダーに目盛りを表示する
  • スライダーのステップを変更する
  • スライダーの値範囲を変更する
  • スライダーの向きを変更する


代替方法の選択

QSlider::QSlider() の代替方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。

  • コードの簡潔性
    コードをできるだけ簡潔に保ちたい場合は、シンプルなソリューションが最適です。
  • パフォーマンス
    スライダーを頻繁に更新する必要がある場合は、パフォーマンスが重要な要素となります。
  • 必要な機能
    スライダーにどのような機能が必要ですか? 単純な値選択スライダーが必要ですか? それとも、目盛りやカスタムスタイルなどの高度な機能が必要ですか?

代替方法

以下に、QSlider::QSlider() の代替となるいくつかの方法をご紹介します。

  • カスタムウィジェット
    必要な機能が Qt Widgets ライブラリで提供されているウィジェットで実現できない場合は、カスタムウィジェットを作成することができます。
  • QProgressBar
    QProgressBar は、タスクの進捗状況を示すために使用されるウィジェットです。 スライダーのように値を選択することはできませんが、ユーザーに情報を提供するのに役立ちます。
  • QDial
    QDial は、円形のグラフィックを使用して値を選択できるウィジェットです。 方角や角度などの値を表現する場合に適しています。
  • QSpinBox
    QSpinBox は、数値を入力して選択できるウィジェットです。 スライダーよりも精度の高い値選択が必要な場合に適しています。

以下のコードは、QSpinBox を使って数値を入力して選択できるスライダーを作成する例です。

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QSpinBox>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ラベルを作成
  QLabel label("現在の値: 0");

  // スピンボックスを作成
  QSpinBox spinBox;
  spinBox.setRange(0, 100);

  // スピンボックスの値が変更されたときにシグナルを接続
  QObject::connect(&spinBox, static_cast<void (QSpinBox::*)>(QSpinBox::valueChanged),
                   &label, [=](int value) { label.setText("現在の値: " + QString::number(value)); });

  // ウィジェットを配置
  QVBoxLayout layout;
  layout.addWidget(&label);
  layout.addWidget(&spinBox);

  // メインウィンドウを作成
  QWidget window;
  window.setLayout(&layout);
  window.setWindowTitle("スピンボックス例");
  window.show();

  return app.exec();
}