パフォーマンス向上に役立つ！Qt GUI プログラミングにおける QPaintEngineState::brushNeedsResolving()

QPaintEngineState::brushNeedsResolving() は、Qt GUIにおけるペイントエンジン状態の重要なメソッドの一つです。このメソッドは、現在のペイントエンジン状態において、ブラシが更新を必要としているかどうかを判断します。ブラシの更新が必要かどうかは、ブラシのプロパティが変更されたかどうかによって決まります。

メソッドの役割

QPaintEngineState::brushNeedsResolving() は、以下の状況で true を返します。

ブラシの変換が変更された
ブラシの描画パターンが変更された
ブラシカラーが変更された
ブラシスタイルが変更された

上記以外の状況では、false を返します。

メソッドの重要性

QPaintEngineState::brushNeedsResolving() は、ペイントエンジンの効率的な更新を可能にする重要なメソッドです。ブラシが更新を必要ない場合は、ペイントエンジンはブラシを再描画する必要がなく、パフォーマンスが向上します。

メソッドの使用方法

QPaintEngineState::brushNeedsResolving() は、以下のコードのように使用できます。

bool needsResolving = paintEngineState.brushNeedsResolving();

if (needsResolving) {
  // ブラシを更新する
}

QPaintEngineState::brushNeedsResolving() は、静的メソッドです。つまり、このメソッドを呼び出すには、オブジェクトインスタンスを作成する必要はありません。
dirtyFlags プロパティは、ペイントエンジン状態において、どのプロパティが変更されたかを表すビットフラグです。
QPaintEngineState::brushNeedsResolving() は、ペイントエンジン状態の dirtyFlags プロパティをチェックして、ブラシが更新を必要としているかどうかを判断します。

#include <QPainter>
#include <QPaintEngineState>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent) {}

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    QPainter painter(this);

    // ブラシを作成する
    QBrush brush(Qt::red);

    // ブラシを描画する
    painter.setBrush(brush);
    painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

    // ブラシの色を変更する
    brush.setColor(Qt::green);

    // ブラシが更新を必要としているかどうかを確認する
    bool needsResolving = paintEngineState.brushNeedsResolving();

    // ブラシが更新を必要としている場合は、再描画する
    if (needsResolving) {
      update();
    }
  }
};

このコードでは、まず QBrush オブジェクトを作成します。次に、ブラシを使用して四角形を描画します。その後、ブラシの色を緑色に変更します。最後に、QPaintEngineState::brushNeedsResolving() メソッドを使用して、ブラシが更新を必要としているかどうかを確認します。ブラシが更新を必要としている場合は、update() メソッドを呼び出してウィジェットを再描画します。

#include <QPainter>
#include <QPaintEngineState>

class MyWidget : public QWidget {
public:
  MyWidget(QWidget *parent) : QWidget(parent) {}

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    QPainter painter(this);

    // ブラシを作成する
    QBrush brush(Qt::red);

    // ブラシスタイルを変更する
    brush.setStyle(Qt::FDiagPattern);

    // ブラシを描画する
    painter.setBrush(brush);
    painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

    // ブラシの描画パターンを変更する
    brush.setStyle(Qt::LinearGradientPattern);

    // ブラシが更新を必要としているかどうかを確認する
    bool needsResolving = paintEngineState.brushNeedsResolving();

    // ブラシが更新を必要としている場合は、再描画する
    if (needsResolving) {
      update();
    }

    // ブラシの変換を変更する
    brush.setTransform(QTransform::rotate(45));

    // ブラシを描画する
    painter.setBrush(brush);
    painter.drawRect(100, 0, 100, 100);
  }
};

代替方法

ブラシのプロパティを直接チェックする

ブラシのプロパティを直接チェックすることで、ブラシが更新を必要としているかどうかを判断することができます。例えば、以下のコードのように、ブラシの色が変更されたかどうかを確認できます。

bool brushNeedsResolving = brush.color() != oldColor;

この方法は、QPaintEngineState::brushNeedsResolving() メソッドよりも単純ですが、ブラシのプロパティが変更されたかどうかを個別にチェックする必要があるため、すべての状況で使えるわけではありません。

QBrush::dirty プロパティを使用する

QBrush オブジェクトには、dirty プロパティがあります。このプロパティは、ブラシが更新を必要としているかどうかを表します。以下のコードのように、dirty プロパティを使用してブラシの状態を確認できます。

bool brushNeedsResolving = brush.dirty();

この方法は、QPaintEngineState::brushNeedsResolving() メソッドよりもシンプルですが、ブラシが更新を必要としている理由を特定できません。

代替方法の選択

どの代替方法を使用するかは、状況によって異なります。ブラシのプロパティが変更されたかどうかを個別にチェックする必要がある場合は、ブラシのプロパティを直接チェックする方法が適切です。ブラシの状態を単純に確認する必要がある場合は、QBrush::dirty プロパティを使用するのが良いでしょう。

QBrush::dirty プロパティは、ブラシが更新を必要としているかどうかを判断するだけのものであり、ブラシを更新するものではありません。
QPaintEngineState::brushNeedsResolving() メソッドは静的メソッドです。つまり、このメソッドを呼び出すには、オブジェクトインスタンスを作成する必要はありません。