Qt GUI描画のトラブルシューティング：QPainter::combinedTransform()で問題解決

結合変換は、以下の要素で構成されます。

ユーザー変換
ユーザーによって適用されるカスタム変換です。
ビュー変換
ワールド座標系をペインターのウィジェット座標系に変換します。
ワールド変換
ペインターが描画するワールド座標系を定義します。

QPainter::combinedTransform() は、これらの変換をすべて組み合わせた行列を返します。この行列を使用して、描画されるすべての形状がどのように変換されるかを正確に把握することができます。

QPainter::combinedTransform() の使用方法

QMatrix matrix = painter->combinedTransform();

このコードは、現在のペインターの結合変換を matrix 変数に格納します。その後、この行列を使用して、描画されるすべての形状の変換を計算することができます。

QPainter::combinedTransform() の例

painter->translate(100, 50);
painter->rotate(45);
painter->scale(2, 2);

QMatrix matrix = painter->combinedTransform();

// 描画処理...

この例では、ペインターを (100, 50) だけ平行移動し、45 度回転させ、2 倍に拡大します。その後、QPainter::combinedTransform() を使用して、これらの変換をすべて組み合わせた行列を取得します。この行列を使用して、描画されるすべての形状がどのように変換されるかを計算することができます。

QPainter::combinedTransform() の利点

描画されるすべての形状がどのように変換されるかを正確に把握することができます。
ユーザー定義の変換を適用できます。
描画されるすべての形状に適用される累積的な変換を取得できます。

複雑な変換を使用すると、描画処理が難しくなる可能性があります。
結合変換は、描画処理のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

#include <QPainter>

int main() {
  QPainter painter;

  // ペインターを (100, 50) だけ平行移動
  painter.translate(100, 50);

  // ペインターを 45 度回転
  painter.rotate(45);

  // ペインターを 2 倍に拡大
  painter.scale(2, 2);

  // 描画処理
  painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

  return 0;
}

例 2: ユーザー定義の変換

#include <QPainter>
#include <QMatrix>

int main() {
  QPainter painter;

  // ユーザー定義の変換行列を作成
  QMatrix matrix;
  matrix.rotate(45);
  matrix.scale(2, 2);

  // ペインターにユーザー定義の変換を適用
  painter.setTransform(matrix);

  // 描画処理
  painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

  return 0;
}

この例では、ユーザー定義の変換行列を作成し、ペインターに適用します。この行列は、45 度回転と 2 倍の拡大を表します。その後、QPainter::combinedTransform() を使用して、この変換とペインターのデフォルト変換をすべて組み合わせた行列を取得します。この行列を使用して、描画されるすべての形状がどのように変換されるかを計算することができます。

例 3: 結合変換の取得

#include <QPainter>
#include <QMatrix>

int main() {
  QPainter painter;

  // ペインターを (100, 50) だけ平行移動
  painter.translate(100, 50);

  // ペインターを 45 度回転
  painter.rotate(45);

  // ペインターを 2 倍に拡大
  painter.scale(2, 2);

  // 結合変換を取得
  QMatrix matrix = painter->combinedTransform();

  // 結合変換行列を表示
  qDebug() << matrix;

  // 描画処理
  painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

  return 0;
}

この例では、ペインターを (100, 50) だけ平行移動し、45 度回転させ、2 倍に拡大します。その後、QPainter::combinedTransform() を使用して、これらの変換をすべて組み合わせた行列を取得します。この行列は、qDebug() 関数を使用してコンソールに表示されます。その後、この行列を使用して、描画されるすべての形状がどのように変換されるかを計算することができます。

QMatrix を直接使用する

QPainter::combinedTransform() の代わりに、QMatrix オブジェクトを直接使用することができます。QMatrix オブジェクトは、変換を表す行列を格納します。

QMatrix matrix;

// ペインターを (100, 50) だけ平行移動
matrix.translate(100, 50);

// ペインターを 45 度回転
matrix.rotate(45);

// ペインターを 2 倍に拡大
matrix.scale(2, 2);

// ペインターに変換を適用
painter->setTransform(matrix);

// 描画処理
painter->drawRect(0, 0, 100, 100);

この例では、QMatrix オブジェクトを作成し、ペインターに適用します。このオブジェクトは、QPainter::combinedTransform() と同じ変換を表します。

利点

複雑な変換をより簡単に処理できる
より柔軟な制御が可能

欠点

結合変換を取得できない
QPainter::combinedTransform() よりもコード量が多くなる

QPainter の他の変換関数を使用する

QPainter::combinedTransform() の代わりに、QPainter の他の変換関数を使用することができます。これらの関数は、個々の変換を直接適用することができます。

painter->translate(100, 50);
painter->rotate(45);
painter->scale(2, 2);

// 描画処理
painter->drawRect(0, 0, 100, 100);

この例では、painter->translate(), painter->rotate(), painter->scale() 関数を使用して、ペインターに個々の変換を適用します。

利点

わかりやすい
コードがシンプルになる

欠点

結合変換を取得できない
複雑な変換を処理するのが難しい

カスタム変換クラスを作成する

QPainter::combinedTransform() の代わりに、カスタム変換クラスを作成することができます。このクラスは、独自の変換ロジックを実装することができます。

class MyTransform : public QTransform {
public:
  void apply(QPainter *painter) override {
    // 独自の変換ロジック
  }
};

MyTransform transform;

// ペインターにカスタム変換を適用
painter->setTransform(&transform);

// 描画処理
painter->drawRect(0, 0, 100, 100);

この例では、MyTransform というカスタム変換クラスを作成し、ペインターに適用します。このクラスは、apply() メソッドを使用して独自の変換ロジックを実装します。

利点

複雑な変換を簡単に処理できる
非常に柔軟な制御が可能

開発が難しい
コード量が多くなる