【初心者向け】Qt GUIでブラシの原点を設定して描画をもっと自由に！QPainter::setBrushOrigin()チュートリアル

QPainter::setBrushOrigin() は、Qt GUIにおける描画操作において、ブラシの原点を設定するための関数です。ブラシは、図形の内側を塗りつぶすために使用されるパターンや色を定義します。ブラシの原点は、ブラシのパターンがどのように配置されるかを決定します。

使い方

void QPainter::setBrushOrigin(const QPoint &origin);

この関数は、origin パラメータで指定されたポイントをブラシの原点として設定します。

例

QPainter painter(widget);
painter.setBrush(Qt::red);

// ブラシの原点をウィジェットの中央に設定
painter.setBrushOrigin(widget->rect().center());

// 長方形を描画
painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

この例では、赤色のブラシで長方形を描画しています。ブラシの原点はウィジェットの中央に設定されているため、ブラシのパターンはウィジェットの中央から始まり、全体に広がります。

ブラシの原点は、複数のブラシ操作に影響を与えます。
ブラシの原点は、QPainter::begin() と QPainter::end() の間にのみ設定できます。
ブラシの原点は、デフォルトではウィジェットの左上に設定されています。

例 1: ブラシの原点を異なる位置に設定

QPainter painter(widget);

// ブラシを青色に設定
painter.setBrush(Qt::blue);

// ブラシの原点をウィジェットの左上に設定
painter.setBrushOrigin(QPoint(0, 0));
painter.drawRect(0, 0, 50, 50); // 左上隅から塗りつぶし

// ブラシの原点をウィジェットの中央に設定
painter.setBrushOrigin(widget->rect().center());
painter.drawRect(50, 0, 50, 50); // 中央から塗りつぶし

// ブラシの原点をウィジェットの右下に設定
painter.setBrushOrigin(QPoint(widget->width(), widget->height()));
painter.drawRect(100, 0, 50, 50); // 右下隅から塗りつぶし

この例では、ブラシの原点を異なる位置に設定することで、ブラシのパターンがどのように配置されるかを変化させています。

例 2: ブラシの原点を画像に合わせて設定

QPainter painter(widget);

// 画像を読み込む
QImage image("image.png");

// ブラシを画像のパターンに設定
painter.setBrush(QBrush(image));

// ブラシの原点を画像の中央に設定
painter.setBrushOrigin(image.rect().center());

// 画像を描画
painter.drawImage(0, 0, image);

この例では、ブラシを画像のパターンに設定し、ブラシの原点を画像の中央に設定することで、画像全体を塗りつぶしています。

例 3: ブラシの原点をアニメーションさせる

QPainter painter(widget);

// ブラシを赤色に設定
painter.setBrush(Qt::red);

// ブラシの原点をアニメーションさせる
QPoint origin(0, 0);
int animationStep = 0;

while (true) {
  // ブラシの原点を更新
  origin.setX((animationStep % widget->width()) * 2);
  origin.setY((animationStep % widget->height()) * 2);
  painter.setBrushOrigin(origin);

  // 長方形を描画
  painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

  // アニメーションステップを進める
  animationStep++;

  // ウィジェットを更新
  widget->update();

  // 10ミリ秒待つ
  QThread::msleep(10);
}

この例では、ブラシの原点をアニメーションさせることで、ブラシのパターンが常に動き続けるようにしています。

Qt の最新バージョンを使用していることを確認してください。

代替方法

QBrush::setOrigin()` を使用する

QPainter::setBrushOrigin() は、ブラシの原点をペインター座標系で設定しますが、QBrush::setOrigin() はブラシの原点をブラシ座標系で設定します。ブラシ座標系は、ブラシ自体の内部座標系であり、ペインター座標系とは独立しています。

QPainter painter(widget);

// ブラシを青色に設定
painter.setBrush(Qt::blue);

// ブラシの原点をブラシ座標系の中央に設定
brush.setOrigin(brush.rect().center());

// 長方形を描画
painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

この例では、QBrush::setOrigin() を使用して、ブラシの原点をブラシ座標系の中央に設定しています。

QTransform を使用する

QTransform は、2D グラフィックス変換を定義するためのクラスです。QTransform を使用して、ブラシのパターンを回転、拡大縮小、移動することができます。ブラシの原点を設定するには、QTransform::translate() メソッドを使用します。

QPainter painter(widget);

// ブラシを青色に設定
painter.setBrush(Qt::blue);

// ブラシの原点をウィジェットの中央に設定
QTransform transform;
transform.translate(widget->width() / 2, widget->height() / 2);

// ブラシのパターンを transform で変換
painter.setBrushTransform(transform);

// 長方形を描画
painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

この例では、QTransform を使用して、ブラシのパターンをウィジェットの中央に移動しています。

それぞれの方法の比較

方法	利点	欠点
`QPainter::setBrushOrigin()`	シンプルで使いやすい	ブラシ座標系を理解する必要がない
`QBrush::setOrigin()`	ブラシ座標系に基づいてより精密な制御が可能	ブラシ座標系を理解する必要がある
`QTransform`	ブラシのパターンを回転、拡大縮小、移動できる	複雑で、より多くのコードが必要

QPainter::setBrushOrigin() は、ブラシの原点を設定するための最もシンプルで一般的な方法です。しかし、より精密な制御が必要な場合は、QBrush::setOrigin() または QTransform を使用することができます。

Qt の最新バージョンを使用していることを確認してください。
上記の代替方法はあくまでも例であり、実際の用途に合わせて変更する必要があります。