Qt GUI プログラミングにおける QPainter::end() 関数の役割と使い方

QPainter::begin() 関数は、描画処理を開始するために使用されます。この関数は、描画対象となるデバイス (例: ウィジェット、ウィンドウ、オフスクリーン画像) と描画オプション (例: ペン、ブラシ、変換マトリックス) を指定します。

QPainter::end() 関数は、描画処理を終了し、デバイスとリソースを開放します。この関数は、QPainter::begin() 関数が呼び出された後に必ず呼び出す必要があります。

QPainter::end() 関数の使い方は次のとおりです。

QPainter painter(widget);
painter.begin(widget);
// 描画処理
painter.end();

例

次のコードは、ウィジェットに赤い矩形を描画します。

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);
    painter.begin(this);
    painter.setPen(Qt::red);
    painter.drawRect(0, 0, 100, 100);
    painter.end();
}

QPainter::end() 関数は、他の QPainter オブジェクトと共有しているデバイスに対して呼び出しても問題ありません。
QPainter::end() 関数は、デストラクタによって自動的に呼び出されます。
QPainter::end() 関数は、自動的に呼び出されません。必ず明示的に呼び出す必要があります。

例 1: ウィジェットに赤い矩形を描画する

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);
    painter.begin(this);
    painter.setPen(Qt::red);
    painter.drawRect(0, 0, 100, 100);
    painter.end();
}

例 2: オフスクリーン画像に描画する

QImage image(100, 100, QImage::Format_RGB32);

{
    QPainter painter(&image);
    painter.begin(&image);
    painter.setPen(Qt::blue);
    painter.drawLine(0, 0, 100, 100);
    painter.end();
}

// image を使用する

例 3: 複数の描画処理を行う

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);
    painter.begin(this);

    // 赤い矩形を描画
    painter.setPen(Qt::red);
    painter.drawRect(0, 0, 100, 100);

    // 青い円を描画
    painter.setPen(Qt::blue);
    painter.setBrush(Qt::green);
    painter.drawEllipse(150, 50, 50, 50);

    painter.end();
}

これらの例は、QPainter::end() 関数を使用した描画処理のほんの一例です。QPainter は非常に汎用性の高いクラスであり、さまざまな描画処理を行うことができます。

QPainter::end() 関数は、デストラクタによって自動的に呼び出されます。そのため、明示的に呼び出さなくても問題ありません。ただし、明示的に呼び出すことで、コードがより読みやすくなり、デバッグしやすくなります。

デストラクタを使用する

QPainter オブジェクトが破棄されると、デストラクタによって自動的に QPainter::end() 関数が呼び出されます。そのため、明示的に QPainter::end() 関数を呼び出す必要はありません。

{
    QPainter painter(widget);
    // 描画処理
} // painter オブジェクトが破棄されると、デストラクタによって end() 関数が自動的に呼び出される

QScopedPointer を使用する

QScopedPointer は、スマートポインタの一種であり、オブジェクトがスコープ外になったときに自動的に削除されます。QPainter オブジェクトを QScopedPointer で管理することで、QPainter::end() 関数を明示的に呼び出す必要がなくなります。

{
    QScopedPointer<QPainter> painter(new QPainter(widget));
    // 描画処理
} // painter オブジェクトがスコープ外になると、自動的に削除され、end() 関数が呼び出される

RAII (Resource Acquisition Is Initialization) パターンを使用する

RAII パターンは、オブジェクトがスコープ外になったときに自動的にリソースを開放するプログラミング手法です。QPainter オブジェクトをスコープ内で宣言することで、RAII パターンを使用して QPainter::end() 関数を呼び出す必要がなくなります。

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    {
        QPainter painter(this); // painter オブジェクトがスコープ内で宣言されると、begin() 関数が自動的に呼び出される
        // 描画処理
    } // painter オブジェクトがスコープ外になると、自動的に削除され、end() 関数が呼び出される
}

カスタムスコープガードを使用して、QPainter オブジェクトが破棄される前に QPainter::end() 関数を呼び出すことができます。

void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);

    struct ScopedPainter
    {
        QPainter &painter;

        ScopedPainter(QPainter &painter) : painter(painter) {}
        ~ScopedPainter() { painter.end(); }
    } scopeGuard(painter);

    // 描画処理
}

QPainter::end() 関数は、Qt GUI プログラミングにおいて重要な役割を果たします。しかし、状況によっては、QPainter::end() 関数の代わりに他の方法を使用することができます。

どの方法を使用するかは、状況によって異なります。一般的には、デストラクタ または QScopedPointer を使用するのが最も簡単で安全です。RAII パターンやカスタムスコープガードを使用する場合は、コードがより複雑になる可能性があります。