Qt WidgetsにおけるQMdiSubWindowの高度な操作:keyboardSingleStepの代替テクニック
QMdiSubWindow::keyboardSingleStep
は、Qt Widgetsライブラリにおける QMdiSubWindow
クラスのメンバープロパティで、キーボード操作でウィンドウを移動またはサイズ変更する際のステップ距離を設定します。
詳細
- デフォルトのステップ距離は10ピクセルです。
- Shiftキーが押されている場合は、
keyboardPageStep
プロパティで設定されたステップ距離が使用されます。 keyboardSingleStep
プロパティは、Shiftキーが押されていない場合に、キーボード操作でウィンドウを移動またはサイズ変更する際のピクセル単位のステップ距離を定義します。QMdiSubWindow
は、QMdiArea
ウィジェット内に配置されるトップレベルウィンドウを表します。
例
QMdiSubWindow *subWindow = new QMdiSubWindow(this);
subWindow->setWindowTitle("My Subwindow");
// ウィンドウを15ピクセルずつ移動するように設定
subWindow->setKeyboardSingleStep(15);
// MdiAreaウィジェットにサブウィンドウを追加
mdiArea->addSubWindow(subWindow);
subWindow->show();
keyboardSingleStep
プロパティとkeyboardPageStep
プロパティは、ウィンドウのサイズと解像度に応じて調整される場合があります。- キーボードインタラクティブモードは、ウィンドウのシステムメニューから有効にすることができます。
keyboardSingleStep
プロパティは、QMdiSubWindow
ウィジェットがキーボードインタラクティブモードに入った場合にのみ有効です。
上記以外にも、QMdiSubWindow
クラスには、ウィンドウの外観と動作を制御するためのさまざまなプロパティとメソッドが用意されています。これらの詳細については、Qtドキュメントを参照してください。
QMdiSubWindow *subWindow = new QMdiSubWindow(this);
subWindow->setWindowTitle("My Subwindow");
// ウィンドウを15ピクセルずつ移動するように設定
subWindow->setKeyboardSingleStep(15);
// MdiAreaウィジェットにサブウィンドウを追加
mdiArea->addSubWindow(subWindow);
subWindow->show();
例2:Shiftキーを押しながら移動すると30ピクセルずつ移動
QMdiSubWindow *subWindow = new QMdiSubWindow(this);
subWindow->setWindowTitle("My Subwindow");
// ウィンドウを15ピクセルずつ移動するように設定
subWindow->setKeyboardSingleStep(15);
// Shiftキーを押しながら移動すると30ピクセルずつ移動するように設定
subWindow->setKeyboardPageStep(30);
// MdiAreaウィジェットにサブウィンドウを追加
mdiArea->addSubWindow(subWindow);
subWindow->show();
例3:サブウィンドウのサイズ変更
QMdiSubWindow *subWindow = new QMdiSubWindow(this);
subWindow->setWindowTitle("My Subwindow");
// ウィンドウを15ピクセルずつ移動するように設定
subWindow->setKeyboardSingleStep(15);
// サブウィンドウのサイズ変更を有効にする
subWindow->setSizeGripEnabled(true);
// MdiAreaウィジェットにサブウィンドウを追加
mdiArea->addSubWindow(subWindow);
subWindow->show();
- 例3では、サブウィンドウのサイズ変更を有効にして、キーボード操作でサイズ変更できるようにしています。
- 例2では、Shiftキーを押しながら移動すると30ピクセルずつ移動するように設定しています。
- 例1では、ウィンドウを15ピクセルずつ移動するように設定しています。
- 上記のコード例は、
QMdiSubWindow::keyboardSingleStep
プロパティを使用して、ウィンドウを移動またはサイズ変更する方法を示しています。
QMdiSubWindow
クラスには、ウィンドウの外観と動作を制御するためのさまざまなプロパティとメソッドが用意されています。これらの詳細については、Qtドキュメントを参照してください。- 上記のコード例はあくまでも例であり、実際の用途に合わせて変更する必要があります。
- Shiftキーが押されている場合は、
keyboardPageStep
プロパティで設定されたステップ距離が使用されます。 - ウィンドウのサイズと解像度に応じて調整されるため、常に一定のステップ距離で移動またはサイズ変更できない場合があります。
これらの制限を回避するために、QMdiSubWindow::keyboardSingleStep
プロパティの代替方法として、以下の方法を検討することができます。
カスタムイベントハンドラを使用する
QMdiSubWindow
クラスは、キーボードイベントを処理するためのいくつかのシグナルを提供しています。これらのシグナルに接続して、カスタムイベントハンドラを作成することで、キーボード操作でウィンドウを移動またはサイズ変更する際のステップ距離をより細かく制御することができます。
class MySubwindow : public QMdiSubWindow
{
public:
MySubwindow(QWidget *parent = nullptr);
protected:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override;
};
MySubwindow::MySubwindow(QWidget *parent)
: QMdiSubWindow(parent)
{
// キーボードイベントのシグナルに接続する
connect(this, &QMdiSubWindow::keyPressEvent, this, &MySubwindow::keyPressEvent);
}
void MySubwindow::keyPressEvent(QKeyEvent *event)
{
// 矢印キーが押された場合、ウィンドウを移動またはサイズ変更する
if (event->key() == Qt::Key_Left || event->key() == Qt::Key_Right ||
event->key() == Qt::Key_Up || event->key() == Qt::Key_Down) {
int stepSize = 10; // ステップ距離
if (event->modifiers() & Qt::ShiftModifier) {
stepSize *= 2; // Shiftキーが押されている場合はステップ距離を2倍にする
}
if (event->key() == Qt::Key_Left) {
move(x() - stepSize, y());
} else if (event->key() == Qt::Key_Right) {
move(x() + stepSize, y());
} else if (event->key() == Qt::Key_Up) {
move(x(), y() - stepSize);
} else if (event->key() == Qt::Key_Down) {
move(x(), y() + stepSize);
}
}
}
QPropertyAnimation を使用する
QPropertyAnimation
クラスを使用して、ウィンドウをアニメーションで移動またはサイズ変更することができます。この方法を使用すると、ステップ距離だけでなく、アニメーションの速度やイージング関数なども制御することができます。
QMdiSubWindow *subWindow = new QMdiSubWindow(this);
subWindow->setWindowTitle("My Subwindow");
// アニメーションを作成する
QPropertyAnimation *animation = new QPropertyAnimation(subWindow, "geometry");
animation->setDuration(100); // アニメーションの持続時間 (ミリ秒)
animation->setEasingCurve(QEasingCurve::InOutCubic); // イージング関数
// ウィンドウを15ピクセルずつ移動する
animation->setStartValue(subWindow->geometry());
animation->setEndValue(subWindow->geometry().adjusted({0, 15, 0, 0}));
// アニメーションを開始する
animation->start();
// MdiAreaウィジェットにサブウィンドウを追加
mdiArea->addSubWindow(subWindow);
subWindow->show();
QGraphicsView と QGraphicsItem を使用する
QGraphicsView
と QGraphicsItem
クラスを使用して、ウィンドウをグラフィカルに移動またはサイズ変更することができます。この方法を使用すると、マウス操作だけでなく、キーボード操作による移動やサイズ変更も可能になります。
class MySubwindow : public QGraphicsItem
{
public:
MySubwindow(QWidget *parent = nullptr);
protected:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override;
};
MySubwindow::MySubwindow(QWidget *parent)
: QGraphicsItem(parent)
{
// キーボードイベントのシグナルに接続する
connect(this, &QGraphicsItem::keyPressEvent, this, &MySubwindow::keyPressEvent);
}
void MySubwindow::keyPressEvent(QKeyEvent *event)