【保存版】Qt Widgets: QListView::setRowHidden() で行を非表示/表示する方法
QListView::setRowHidden()
は、Qt Widgetsライブラリで提供されるQListView
クラスのメソッドの一つであり、リストビュー内の特定の行を非表示または表示するための機能を提供します。このメソッドは、リストビューの外観を動的に制御し、特定のデータ項目をユーザーから隠したり、強調したりするのに役立ちます。
メソッドの詳細
setRowHidden()
メソッドの引数は2つです。
hide
: 非表示にする場合はtrue
、表示する場合はfalse
row
: 対象となる行のインデックス番号
// 特定の行を非表示にする
listView->setRowHidden(5, true);
// 非表示にしていた行を表示する
listView->setRowHidden(5, false);
- 行の非表示状態を確認するには、
isRowHidden()
メソッドを使用します。 - 複数の行を同時に非表示にする場合は、ループを使用して各行に対して
setRowHidden()
メソッドを呼び出すことができます。 - 行が非表示になると、その行のデータ項目はユーザーからアクセスできなくなります。
例1:特定の行を非表示にする
この例では、リストビューの5番目の行を非表示にします。
#include <QApplication>
#include <QListView>
#include <QStandardItemModel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// リストビューを作成
QListView listView;
// データモデルを作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// データモデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// 5番目の行を非表示にする
listView.setRowHidden(5, true);
// リストビューを表示
listView.show();
return app.exec();
}
例2:非表示にしていた行を表示する
この例では、リストビューの5番目の行を非表示にした後、再び表示します。
#include <QApplication>
#include <QListView>
#include <QStandardItemModel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// リストビューを作成
QListView listView;
// データモデルを作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// データモデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// 5番目の行を非表示にする
listView.setRowHidden(5, true);
// 2秒後に5番目の行を表示する
QTimer::singleShot(2000, &listView, [this]() {
this->setRowHidden(5, false);
});
// リストビューを表示
listView.show();
return app.exec();
}
例3:複数の行を同時に非表示にする
この例では、リストビューの2番目から4番目の行を非表示にします。
#include <QApplication>
#include <QListView>
#include <QStandardItemModel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// リストビューを作成
QListView listView;
// データモデルを作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// データモデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// 2番目から4番目の行を非表示にする
for (int row = 2; row <= 4; ++row) {
listView.setRowHidden(row, true);
}
// リストビューを表示
listView.show();
return app.exec();
}
例4:行の非表示状態を確認する
この例では、リストビューの5番目の行が非表示かどうかを確認します。
#include <QApplication>
#include <QListView>
#include <QStandardItemModel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// リストビューを作成
QListView listView;
// データモデルを作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// データモデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// 5番目の行が非表示かどうかを確認
bool isHidden = listView.isRowHidden(5);
if (isHidden) {
qDebug() << "5番目の行は非表示です";
} else {
qDebug() << "5番目の行は表示されています";
}
// リストビューを表示
listView.show();
return app.exec();
}
setIndexPrototype()
利点
- 行のデータ項目にアクセスできる
- 行を完全に非表示にするのではなく、視覚的に非表示にすることができる
欠点
- 行の状態をプログラムで追跡する必要がある
- 行の高さを適切に設定しないと、意図した効果が得られない場合がある
例
// 5番目の行の高さを0に設定して非表示のように見せる
listView.setIndexPrototype(5, QModelIndex());
takeItem()とinsertItem()
takeItem()
メソッドを使用して特定の行のアイテムをリストビューから削除し、insertItem()
メソッドを使用して後で再び挿入することで、行を非表示にすることができます。この方法は、行を完全に削除して後で再挿入する必要がある場合に役立ちます。
利点
- 行の状態をプログラムで追跡しやすい
- 行を完全に削除して後で再挿入できる
欠点
- 行の順序が変更される可能性がある
- 行のデータ項目を一時的に削除するため、パフォーマンスに影響を与える可能性がある
例
// 5番目の行のアイテムを削除する
QModelIndex index = model->index(5, 0);
listView.model()->takeItem(index);
// 後で5番目の行のアイテムを挿入する
QStandardItem *item = new QStandardItem("Item 5");
listView.model()->insertItem(5, item);
setRowData()
setRowData()
メソッドを使用して、特定の行のデータを空の文字列に設定することで、その行を非表示のように見せることができます。この方法は、行のデータを保持する必要がない場合に役立ちます。
利点
- 行の状態をプログラムで追跡する必要がない
- 行のデータを空の文字列に設定することで、視覚的に非表示にすることができる
欠点
- 行のデータ項目にアクセスできない
例
// 5番目の行のデータを空の文字列に設定する
QModelIndex index = model->index(5, 0);
listView.model()->setData(index, "");
カスタムデリゲートを使用する
カスタムデリゲートを使用することで、特定の行の外観を完全に制御することができます。この方法は、複雑な外観のカスタマイズが必要な場合に役立ちます。
利点
- 特定の行の外観を完全に制御できる
欠点
- カスタムデリゲートの作成と実装が複雑になる
class MyDelegate : public QItemDelegate {
public:
void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override {
if (index.row() == 5) {
// 5番目の行の外観をカスタマイズする
painter->fillRect(option.rect(), Qt::transparent);
} else {
// デフォルトのデリゲートを使用する
QItemDelegate::paint(painter, option, index);
}
}
};
// カスタムデリゲートを設定する
listView.setItemDelegate(new MyDelegate());