Qt Widgetsで大きなデータセットを扱う?QListView::batchSizeプロパティが鍵!


デフォルト値

batchSizeプロパティのデフォルト値は100です。これは、QListViewが一度に100個のアイテムをレイアウトすることを意味します。

使用方法

batchSizeプロパティを設定するには、以下のコードを使用します。

listView->setBatchSize(batchSize);

ここで、batchSizeは設定する新しいバッチサイズです。

以下のコード例は、batchSizeプロパティを50に設定し、QListViewが一度に50個のアイテムをレイアウトするようにします。

QListView *listView = new QListView();
listView->setBatchSize(50);

パフォーマンスの向上

大きなデータセットを扱う場合、batchSizeプロパティを適切に設定することで、QListViewのパフォーマンスを向上させることができます。これは、QListViewが一度にレイアウトするアイテム数を減らすことで、レイアウト処理にかかる時間を短縮できるためです。

注意点

batchSizeプロパティを小さく設定すると、パフォーマンスが向上する一方で、スクロール時にアイテムがちらつく可能性があります。これは、QListViewが一度にレイアウトするアイテムが少ないため、スクロール時にアイテムが再レイアウトされる頻度が高くなるためです。



#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QListView>
#include <QtWidgets/QStandardItemModel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // データモデルを作成
  QStandardItemModel model;
  for (int i = 0; i < 1000; ++i) {
    model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
  }

  // リストビューを作成
  QListView listView;
  listView.setModel(&model);

  // batchSizeプロパティを設定
  listView.setBatchSize(50);

  // リストビューを表示
  listView.show();

  return app.exec();
}

このコード例は、以下の操作を実行します。

  1. QApplicationオブジェクトを作成します。
  2. QStandardItemModelオブジェクトを作成し、1000個のアイテムを追加します。
  3. QListViewオブジェクトを作成し、QStandardItemModelオブジェクトをモデルとして設定します。
  4. batchSizeプロパティを50に設定します。
  5. QListViewオブジェクトを表示します。

例2: batchSizeプロパティの変化を監視する

#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QListView>
#include <QtWidgets/QStandardItemModel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // データモデルを作成
  QStandardItemModel model;
  for (int i = 0; i < 1000; ++i) {
    model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
  }

  // リストビューを作成
  QListView listView;
  listView.setModel(&model);

  // batchSizeプロパティの変化を監視
  QObject::connect(&listView, &QListView::batchSizeChanged,
                   [](int batchSize) {
                     qDebug() << "batchSize changed to:" << batchSize;
                   });

  // リストビューを表示
  listView.show();

  // batchSizeプロパティを変更
  listView.setBatchSize(100);

  return app.exec();
}
  1. QApplicationオブジェクトを作成します。
  2. QStandardItemModelオブジェクトを作成し、1000個のアイテムを追加します。
  3. QListViewオブジェクトを作成し、QStandardItemModelオブジェクトをモデルとして設定します。
  4. batchSizeプロパティの変化を監視するために、batchSizeChangedシグナルに接続します。
  5. QListViewオブジェクトを表示します。
  6. batchSizeプロパティを100に変更します。

このコード例を実行すると、batchSizeプロパティが100に変更されたときに、コンソールに以下のメッセージが出力されます。

batchSize changed to: 100


  • batchSizeプロパティを大きく設定すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
  • batchSizeプロパティを小さく設定すると、パフォーマンスが向上する一方で、スクロール時にアイテムがちらつく可能性があります。

これらの理由から、QListView::batchSizeプロパティの代替方法を検討することがあります。以下に、いくつかの代替方法を紹介します。

QListView::setViewMode()メソッドを使用する

QListView::setViewMode()メソッドを使用して、QListViewの表示モードを設定することができます。QListViewには、以下の3つの表示モードがあります。

  • NoSelection
  • MultiSelection
  • SingleSelection
listView->setViewMode(QListView::SingleSelection);

QAbstractItemModel::rowCount()メソッドをオーバーライドする

QAbstractItemModel::rowCount()メソッドをオーバーライドすることで、QListViewが一度にレイアウトするアイテム数を制御することができます。この方法は、データセットが非常に大きい場合にのみ有効です。

class MyModel : public QAbstractItemModel {
public:
  int rowCount(const QModelIndex &parent = QModelIndex()) const override {
    // 一度にレイアウトするアイテム数を返す
    return 50;
  }

  // ...
};

カスタムレンダラーを使用する

カスタムレンダラーを使用することで、QListViewがアイテムをレンダリングする方法を制御することができます。この方法は、データセットが非常に複雑な場合にのみ有効です。

class MyRenderer : public QItemDelegate {
public:
  void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option,
            const QModelIndex &index) const override {
    // アイテムをレンダリングする
    // ...
  }
};

Qt Model-View Frameworkを使用する

Qt Model-View Frameworkは、QListViewよりも柔軟で高性能なモデルビューフレームワークです。大きなデータセットを扱う場合は、Qt Model-View Frameworkを使用することを検討することをお勧めします。

QListView::batchSizeプロパティは、大きなデータセットを扱う場合にQListViewのパフォーマンスを向上させるために使用できる便利なプロパティです。しかし、このプロパティにはいくつかの注意点があります。これらの理由から、QListView::batchSizeプロパティの代替方法を検討することがあります。