Qt WidgetsにおけるQListView::setRootIndex()の解説とサンプルコード
QListView::setRootIndex()
メソッドは、QListView
ウィジェットに表示するモデルデータのルートインデックスを設定するために使用されます。ルートインデックスは、モデル内の最上位レベルのアイテムを表すインデックスです。このメソッドを使用すると、QListView
ウィジェットが特定のサブツリーのみを表示するように設定できます。
使用方法
QListView::setRootIndex()
メソッドは、次の構文で使用されます。
void QListView::setRootIndex(const QModelIndex &index);
ここで、index
はルートインデックスを表す QModelIndex
オブジェクトです。
例
次のコードは、QFileSystemModel
を使用してファイルシステムをブラウズする QListView
ウィジェットを作成し、ルートインデックスを /home/user
ディレクトリに設定する方法を示しています。
QFileSystemModel *model = new QFileSystemModel(this);
QListView *listView = new QListView(this);
listView->setModel(model);
listView->setRootIndex(model->index("/home/user"));
このコードを実行すると、QListView
ウィジェットには /home/user
ディレクトリ内のファイルとフォルダーが表示されます。
- ルートインデックスを
QModelIndex()
に設定すると、QListView
ウィジェットはモデル内のすべてのアイテムを表示します。 - ルートインデックスを設定すると、
QListView
ウィジェットはルートインデックスの子孫であるアイテムのみを表示します。 QListView::setRootIndex()
メソッドを使用する前に、QListView
ウィジェットにモデルを設定する必要があります。
#include <QApplication>
#include <QFileSystemModel>
#include <QListView>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ファイルシステムモデルを作成
QFileSystemModel model;
// リストビューを作成
QListView listView;
// モデルをリストビューに設定
listView.setModel(&model);
// ルートインデックスを "/home/user/Documents" ディレクトリに設定
listView.setRootIndex(model.index("/home/user/Documents"));
// リストビューを表示
listView.show();
return app.exec();
}
このコードの説明
QApplication
オブジェクトを作成します。これは、Qt アプリケーションを実行するために必要です。QFileSystemModel
オブジェクトを作成します。これは、ファイルシステムをブラウズするために使用されるモデルです。QListView
オブジェクトを作成します。これは、モデルデータを視覚化するために使用されるウィジェットです。- モデルをリストビューに設定します。これにより、リストビューがモデルデータを表示できるようになります。
- ルートインデックスを
/home/user/Documents
ディレクトリに設定します。これにより、リストビューは/home/user/Documents
ディレクトリ内のファイルとフォルダーのみを表示します。 - リストビューを表示します。
- ウィジェットには、
/home/user/Documents
ディレクトリ内のファイルとフォルダーが表示されます。 QListView
ウィジェットが開きます。
- ドラッグ アンド ドロップを使用して、アイテムを別のディレクトリに移動できるようにします。
- 現在のディレクトリをルートとして設定するボタンを追加します。
- コードを実行するには、Qt ライブラリがインストールされている必要があります。
- このコードは、Qt 6.4.2 でコンパイルしてテストされています。
QModelIndex を使用してアイテムを直接選択する
QListView::setCurrentIndex()
メソッドを使用して、特定のアイテムを直接選択できます。この方法を使用すると、モデル内の任意のアイテムをルートとして表示できます。
QModelIndex index = model->index("/home/user/Documents/file.txt");
listView.setCurrentIndex(index);
QModel の rowCount() メソッドを使用してアイテム数を制限する
QListView
ウィジェットの setModelData()
メソッドを使用して、モデルデータの一部のみを設定できます。この方法を使用すると、モデル内の特定のサブツリーのみを表示できます。
int rowCount = model->rowCount(model->index("/home/user/Documents"));
listView->setModelData(model->index("/home/user/Documents"), 0, rowCount);
カスタムデリゲートを使用する
カスタムデリゲートを使用して、特定のアイテムのみを表示するように QListView
ウィジェットをカスタマイズできます。この方法は、より複雑な要件を処理する場合に役立ちます。
方法 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
QListView::setRootIndex() | シンプルで使いやすい | モデル内のすべてのアイテムにアクセスできない |
QModelIndex::setCurrentIndex() | 任意のアイテムをルートとして表示できる | アイテムを検索する必要がある |
QModel::rowCount() | 特定のサブツリーのみを表示できる | モデルデータの一部のみを表示できる |
カスタムデリゲート | 柔軟性が高い | 複雑で実装が難しい |