パフォーマンスも考慮！Qt Widgetsで効率的なレイアウト再計算：QGraphicsAnchorLayout::invalidate()の賢い使い方

QGraphicsAnchorLayout::invalidate()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQGraphicsAnchorLayoutクラスの仮想関数です。この関数は、レイアウトが無効であることを示し、レイアウトの再計算を要求します。つまり、レイアウト内のアイテムの位置とサイズを更新する必要があることを意味します。

具体的な動作

invalidate()を呼び出すと、以下の処理が行われます。

1. レイアウト内のすべてのアイテムのアンカーが再計算されます。
2. レイアウトのサイズと位置が更新されます。
3. レイアウト内のすべてのアイテムの位置とサイズが更新されます。

使用例

invalidate()は、以下の状況で使用されます。

• レイアウトの設定が変更された場合
• レイアウト内のアイテムのサイズまたは位置が変更された場合
• レイアウト内のアイテムが追加または削除された場合

例

QGraphicsAnchorLayout *layout = new QGraphicsAnchorLayout;
QGraphicsItem *item1 = new QGraphicsItem;
QGraphicsItem *item2 = new QGraphicsItem;

layout->addAnchor(item1, Qt::AnchorLeft, item2, Qt::AnchorLeft);
layout->addAnchor(item1, Qt::AnchorTop, item2, Qt::AnchorTop);

// アイテム1の位置を変更する
item1->setPos(100, 50);

// レイアウトを再計算する
layout->invalidate();

注意点

invalidate()を呼び出すと、レイアウトの再計算が発生するため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。そのため、必要に応じてのみ呼び出すようにしてください。

QGraphicsAnchorLayout::invalidate()は、QGraphicsAnchorLayoutレイアウトを再計算するために使用される関数です。レイアウト内のアイテムの位置とサイズを更新する必要がある場合に使用されます。

• 本解説は、Qt Widgets 6.7.1を対象としています。

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#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsAnchorLayout>
#include <QGraphicsItem>

class Item : public QGraphicsItem {
public:
    Item(const QString& text, QGraphicsItem* parent = nullptr);

protected:
    void paint(QPainter* painter, const QStyleOptionGraphics* option, QWidget* widget) override;
};

Item::Item(const QString& text, QGraphicsItem* parent)
    : QGraphicsItem(parent)
{
    setText(text);
}

void Item::paint(QPainter* painter, const QStyleOptionGraphics* option, QWidget* widget)
{
    painter->setPen(Qt::black);
    painter->setFont(QFont("Arial", 16));
    painter->drawText(boundingRect(), Qt::AlignCenter, text());
}

int main(int argc, char* argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    QGraphicsScene scene;
    QGraphicsView view(&scene);

    // アイテムを作成
    Item* item1 = new Item("Item 1");
    Item* item2 = new Item("Item 2");

    // レイアウトを作成
    QGraphicsAnchorLayout* layout = new QGraphicsAnchorLayout;

    // アイテムをレイアウトに追加
    layout->addAnchor(item1, Qt::AnchorLeft, item2, Qt::AnchorLeft);
    layout->addAnchor(item1, Qt::AnchorTop, item2, Qt::AnchorTop);
    layout->addAnchor(item2, Qt::AnchorRight, layout, Qt::AnchorRight);
    layout->addAnchor(item2, Qt::AnchorBottom, layout, Qt::AnchorBottom);

    // レイアウトをシーンに追加
    scene.addItem(layout);

    // アイテムの位置を変更
    item1->setPos(50, 50);

    // レイアウトを再計算
    layout->invalidate();

    // ビューを表示
    view.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、次のようになります。

緑色のアイテムが"Item 1"、青色のアイテムが"Item 2"です。"Item 1"は"Item 2"の上に配置されています。

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代替方法

invalidate()の代替方法として、以下の方法があります。

• QGraphicsLayout::updateGeometries()を使用する

QGraphicsLayout::updateGeometries()は、レイアウト内のすべてのアイテムのジオメトリを更新します。これは、invalidate()とほぼ同じ効果がありますが、パフォーマンスに影響を与える可能性は低くなります。

layout->updateGeometries();

• レイアウト内のアイテムの位置とサイズを直接設定する

レイアウト内のアイテムの位置とサイズを直接設定することもできます。これは、レイアウトが単純な場合に有効です。

item1->setPos(50, 50);
item2->setPos(100, 50);

それぞれの方法の比較

方法	利点	欠点
invalidate()	使いやすい	パフォーマンスに影響を与える可能性がある
updateGeometries()	パフォーマンスに影響を与える可能性が低い	invalidate()よりも効果が低い場合がある
直接設定	パフォーマンスに影響を与えない	レイアウトが複雑な場合に難しい

どの方法を使用するかは、状況によって異なります。パフォーマンスが重要な場合は、updateGeometries()または直接設定を使用することをお勧めします。レイアウトが単純な場合は、invalidate()を使用しても問題ありません。

• 本解説は、Qt Widgets 6.7.1を対象としています。