Qt Widgetsで影効果を作成する方法：QGraphicsDropShadowEffectを徹底解説

QGraphicsDropShadowEffect::draw() は、Qt Widgetsライブラリで影効果を生成するために使用される重要な関数です。この関数は、影のオフセット、ぼかし半径、色などの影の特性に基づいて、対象オブジェクトの周囲に影を描画します。

機能

draw() 関数は、QPainter オブジェクトを引数として受け取り、そのオブジェクトを使用して影を描画します。影は、対象オブジェクトの形状を複製し、影の色で塗りつぶし、影のオフセットでオフセットすることで作成されます。ぼかし半径は、影の境界線のぼかし具合を制御するために使用されます。

コード例

QGraphicsDropShadowEffect *shadowEffect = new QGraphicsDropShadowEffect();
shadowEffect->setBlurRadius(10.0);
shadowEffect->setOffset(5, 5);
shadowEffect->setColor(QColor(Qt::black));

QGraphicsPixmapItem *item = new QGraphicsPixmapItem(pixmap);
item->setGraphicsEffect(shadowEffect);

scene->addItem(item);

このコード例では、以下の操作が行われます。

QGraphicsDropShadowEffect オブジェクトが作成されます。
ぼかし半径が 10.0 に設定されます。
影のオフセットが (5, 5) に設定されます。
影の色が黒に設定されます。
QGraphicsPixmapItem オブジェクトが作成され、ピクセルマップが設定されます。
QGraphicsDropShadowEffect オブジェクトが QGraphicsPixmapItem オブジェクトに設定されます。
QGraphicsPixmapItem オブジェクトがシーンに追加されます。

注意事項

QGraphicsDropShadowEffect::draw() 関数は保護されているため、直接呼び出すことはできません。代わりに、QGraphicsItem オブジェクトに QGraphicsDropShadowEffect オブジェクトを設定することで、この関数を間接的に呼び出すことができます。

QGraphicsDropShadowEffect クラスは、Qt Widgets ライブラリの一部です。
QGraphicsEffect クラスは、グラフィック効果を定義するための抽象クラスです。
QGraphicsDropShadowEffect クラスは、QGraphicsEffect クラスを継承しています。

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsPixmapItem>
#include <QGraphicsDropShadowEffect>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // シーンとビューを作成
  QGraphicsScene scene;
  QGraphicsView view(&scene);

  // ピクセルマップを作成
  QPixmap pixmap("image.png");

  // ピクセルマップアイテムを作成
  QGraphicsPixmapItem *item = new QGraphicsPixmapItem(pixmap);

  // 影効果を作成
  QGraphicsDropShadowEffect *shadowEffect = new QGraphicsDropShadowEffect();
  shadowEffect->setBlurRadius(10.0);
  shadowEffect->setOffset(5, 5);
  shadowEffect->setColor(QColor(Qt::black));

  // アイテムに影効果を設定
  item->setGraphicsEffect(shadowEffect);

  // シーンにアイテムを追加
  scene.addItem(item);

  // ビューをウィジェットとして設定
  view.showMaximized();

  return app.exec();
}

QApplication オブジェクトが作成されます。
QGraphicsScene オブジェクトと QGraphicsView オブジェクトが作成されます。
ピクセルマップ "image.png" が作成されます。
QGraphicsPixmapItem オブジェクトが作成され、ピクセルマップが設定されます。
QGraphicsDropShadowEffect オブジェクトが作成されます。
ぼかし半径が 10.0 に設定されます。
影のオフセットが (5, 5) に設定されます。
影の色が黒に設定されます。
QGraphicsDropShadowEffect オブジェクトが QGraphicsPixmapItem オブジェクトに設定されます。
QGraphicsPixmapItem オブジェクトがシーンに追加されます。
QGraphicsView オブジェクトがウィジェットとして設定され、最大化表示されます。

例 2: グラデーション影

#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsPixmapItem>
#include <QGraphicsDropShadowEffect>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // シーンとビューを作成
  QGraphicsScene scene;
  QGraphicsView view(&scene);

  // ピクセルマップを作成
  QPixmap pixmap("image.png");

  // ピクセルマップアイテムを作成
  QGraphicsPixmapItem *item = new QGraphicsPixmapItem(pixmap);

  // グラデーション影効果を作成
  QGraphicsDropShadowEffect *shadowEffect = new QGraphicsDropShadowEffect();
  shadowEffect->setBlurRadius(10.0);
  shadowEffect->setOffset(5, 5);

  // グラデーションを作成
  QLinearGradient gradient(0, 0, 10, 10);
  gradient.setColorAt(0, QColor(Qt::black));
  gradient.setColorAt(1, QColor(Qt::transparent));

  // グラデーションを影の色に設定
  shadowEffect->setColor(gradient);

  // アイテムに影効果を設定
  item->setGraphicsEffect(shadowEffect);

  // シーンにアイテムを追加
  scene.addItem(item);

  // ビューをウィジェットとして設定
  view.showMaximized();

  return app.exec();
}

このコード例では、例の 1 と同様に操作が行われ、影の色がグラデーションに変更されています。

説明

これらのコード例では、QGraphicsDropShadowEffect オブジェクトを使用して、ピクセルマップアイテムに影効果を追加する方法を示しています。影効果の設定方法に関する詳細については、上記のコード例と API ドキュメントを参照してください。

Qt Widgets ライブラリには、影効果以外にもさまざまなグラフィック効果が含まれています。
より複雑な影効果を作成するには、QGraphicsEffect クラスの他の機能を使用できます。
これらのコード例は、Qt Widgets ライブラリの基本的な使用方法を示すものです。

QPainter を使用して影を描く

QPainter クラスを使用して、影を手動で描画することができます。この方法は、柔軟性と制御性に優れていますが、複雑な影効果を作成するには時間がかかり、コード量が多くなります。

利点

複雑な影効果を作成できる
柔軟性と制御性に優れている

欠点

時間とコード量がかかる

例

void drawShadow(QPainter *painter, const QRectF &rect, qreal blurRadius,
                const QColor &color) {
  // 影のオフセットを設定
  QPointF offset(blurRadius, blurRadius);

  // ぼかし用のパスを作成
  QPainterPath path = rect.adjusted(-blurRadius, -blurRadius, blurRadius,
                                  blurRadius);

  // ぼかし用のマスクを作成
  QGraphicsBlurEffect blurEffect(blurRadius);
  QPixmap blurPixmap = blurEffect.apply(rect);

  // 影を描画
  painter->setOpacity(0.5);
  painter->setRenderHint(QPainter::Antialiasing);
  painter.translate(offset);
  painter.drawPixmap(rect, blurPixmap);
}

QGraphicsBlurEffect と QGraphicsColorizeEffect を組み合わせて使用する

QGraphicsBlurEffect と QGraphicsColorizeEffect を組み合わせて使用することで、シンプルな影効果を作成することができます。この方法は、QPainter を使用する方法よりも簡単ですが、QGraphicsDropShadowEffect ほど柔軟ではありません。

利点

QPainter を使用するよりも簡単

欠点

QGraphicsDropShadowEffect ほど柔軟ではない

例

QGraphicsBlurEffect *blurEffect = new QGraphicsBlurEffect(10.0);
blurEffect->setBlurStrength(0.5);

QGraphicsColorizeEffect *colorizeEffect = new QGraphicsColorizeEffect(QColor(Qt::black));

QGraphicsEffect *shadowEffect = new QGraphicsParallelEffect(blurEffect,
                                                          colorizeEffect);

item->setGraphicsEffect(shadowEffect);

CSS を使用して影を表現する

Qt Widgets 5.11 以降では、CSS を使用して影を表現することができます。この方法は、他の方法よりも簡潔で、コードをメンテナンスしやすいという利点があります。

利点

簡潔でメンテナンスしやすい

欠点

Qt Widgets 5.11 以降でのみ使用可能

例

QGraphicsPixmapItem {
  border-image: url("image.png") 1 0 1 0 stretch;
  border-radius: 5px;
  box-shadow: 5px 5px 10px rgba(0, 0, 0, 0.5);
}

サードパーティ製のライブラリを使用する

Qt には、影表現に特化したサードパーティ製のライブラリがいくつかあります。これらのライブラリは、より高度な影効果を作成するために使用することができます。

利点

より高度な影効果を作成できる

欠点

サードパーティ製のライブラリを使用する必要がある

例

上記のように、Qt で影表現を行う方法はいくつかあります。どの方法を選択するかは、ニーズと要件によって異なります。

より高度な影効果が必要な場合は、サードパーティ製のライブラリを使用することを検討してください。
コードをメンテナンスしやすいようにしたい場合は、CSS を使用する方法が適しています。
シンプルな影効果が必要な場合は、QGraphicsBlurEffect と QGraphicsColorizeEffect を組み合わせて使用する方が簡単です。
柔軟性と制御性に優れた影効果が必要な場合は、QPainter を使用する方法が適しています。