Qt Widgetsプログラミング上級者向け：ぼかし効果のヒント変更を高度に制御するQGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged()
QGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged() は、Qt Widgetsライブラリにおける QGraphicsBlurEffect クラスのシグナルです。このシグナルは、QGraphicsBlurEffect オブジェクトの blurHints プロパティが変更されるたびに発行されます。
構文
void blurHintsChanged(QGraphicsBlurEffect::BlurHints hints);
パラメータ
hints: 変更されたblurHintsプロパティの値を表すQGraphicsBlurEffect::BlurHints型のフラグです。
戻り値
なし
詳細
QGraphicsBlurEffect は、グラフィックアイテムにぼかし効果を適用するために使用されます。blurHints プロパティは、ぼかし効果のレンダリング方法を制御するために使用されるヒントを指定します。このプロパティには、以下の値を設定できます。
AnimationHint: ぼかし半径がアニメーション化されることを示します。このヒントを選択すると、インプリメンテーションはソースのぼやけたバージョンのキャッシュを保持できます。ソースが動的に変更される場合は、このヒントを使用しないでください。QualityHint: レンダリング品質を優先します。このヒントを選択すると、レンダリングパフォーマンスが低下する可能性があります。PerformanceHint: レンダリングパフォーマンスを優先します。このヒントを選択すると、ぼかし効果の品質が低下する可能性があります。
blurHintsChanged() シグナルは、blurHints プロパティが変更されるたびに発行されます。このシグナルを接続して、プロパティの変更を検知し、それに応じて処理を実行することができます。
例
QGraphicsBlurEffect *effect = new QGraphicsBlurEffect;
effect->setBlurHints(QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint);
connect(effect, &QGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged, this, &MyClass::onHintsChanged);
void MyClass::onHintsChanged(QGraphicsBlurEffect::BlurHints hints)
{
if (hints & QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint) {
qDebug() << "Performance hint is set";
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::QualityHint) {
qDebug() << "Quality hint is set";
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::AnimationHint) {
qDebug() << "Animation hint is set";
}
}
この例では、QGraphicsBlurEffect オブジェクトが作成され、PerformanceHint ヒントが設定されます。次に、blurHintsChanged() シグナルが onHintsChanged() メソッドに接続されます。onHintsChanged() メソッドは、シグナルが発行されるたびに呼び出され、変更されたヒントを調べます。
#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsBlurEffect>
#include <QLabel>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QGraphicsScene scene;
QGraphicsView view(&scene);
QLabel *label = new QLabel("Hello, World!");
label->setFont(QFont("Arial", 24));
QGraphicsBlurEffect *effect = new QGraphicsBlurEffect;
effect->setBlurRadius(10.0);
label->setGraphicsEffect(effect);
scene.addItem(label);
view.resize(400, 300);
view.show();
// ぼかし効果のヒントが変更されたときにテキストラベルのぼかし半径を更新する
connect(effect, &QGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged, label, &QLabel::setBlurRadius);
return app.exec();
}
このコードを実行すると、次のようになります。
Hello, World!というテキストラベルがウィンドウに表示されます。- テキストラベルは、ぼかし効果でぼかされます。
blurHintsプロパティを変更すると、テキストラベルのぼかし半径が自動的に更新されます。
このコードは、QGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged() シグナルを使用して、ぼかし効果を動的に制御する方法を示す基本的な例です。実際のアプリケーションでは、このシグナルを使用して、より複雑な処理を実行することができます。
以下のコードは、QGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged() シグナルを使用して、ぼかし効果のヒントが変更されたときにコンソールにログメッセージを出力する方法を示しています。
#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsBlurEffect>
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
QGraphicsScene scene;
QGraphicsView view(&scene);
QGraphicsItem *item = scene.createRect(0, 0, 100, 100);
QGraphicsBlurEffect *effect = new QGraphicsBlurEffect;
effect->setBlurRadius(10.0);
item->setGraphicsEffect(effect);
scene.addItem(item);
view.resize(400, 300);
view.show();
// ぼかし効果のヒントが変更されたときにコンソールにログメッセージを出力する
connect(effect, &QGraphicsBlurEffect::blurHintsChanged, [] (QGraphicsBlurEffect::BlurHints hints) {
if (hints & QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint) {
qDebug() << "Performance hint is set";
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::QualityHint) {
qDebug() << "Quality hint is set";
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::AnimationHint) {
qDebug() << "Animation hint is set";
}
});
return app.exec();
}
blurHints プロパティを直接ポーリングする
blurHints プロパティを直接ポーリングすることで、プロパティが変更されたかどうかを定期的に確認することができます。これは、シグナルスロットメカニズムを使用するよりもシンプルで軽量な方法ですが、パフォーマンス上のオーバーヘッドが発生する可能性があります。
QGraphicsBlurEffect *effect = new QGraphicsBlurEffect;
effect->setBlurRadius(10.0);
item->setGraphicsEffect(effect);
while (true) {
QGraphicsBlurEffect::BlurHints hints = effect->blurHints();
if (hints & QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint) {
// ぼかし効果がパフォーマンス優先モードに設定されている
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::QualityHint) {
// ぼかし効果が品質優先モードに設定されている
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::AnimationHint) {
// ぼかし効果がアニメーションヒントに設定されている
}
QThread::msleep(100); // 100ミリ秒ごとにポーリング
}
カスタムプロパティを使用する
QGraphicsEffect クラスは、カスタムプロパティを格納するための setProperty() メソッドと property() メソッドを提供しています。blurHints プロパティの変更を監視する代わりに、カスタムプロパティを使用してヒントの状態を格納することができます。
QGraphicsBlurEffect *effect = new QGraphicsBlurEffect;
effect->setBlurRadius(10.0);
item->setGraphicsEffect(effect);
effect->setProperty("blurHints", QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint);
connect(effect, &QGraphicsEffect::propertyChanged, this, &MyClass::onPropertyChanged);
void MyClass::onPropertyChanged(const QString &propertyName)
{
if (propertyName == "blurHints") {
QGraphicsBlurEffect::BlurHints hints = effect->property("blurHints").toInt();
if (hints & QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint) {
// ぼかし効果がパフォーマンス優先モードに設定されている
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::QualityHint) {
// ぼかし効果が品質優先モードに設定されている
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::AnimationHint) {
// ぼかし効果がアニメーションヒントに設定されている
}
}
}
カスタムシグナルを作成する
QGraphicsEffect クラスは、カスタムシグナルを作成するための signal() メソッドを提供しています。blurHints プロパティが変更されたときに発行されるカスタムシグナルを作成して、そのシグナルを接続して処理を実行することができます。
QGraphicsBlurEffect *effect = new QGraphicsBlurEffect;
effect->setBlurRadius(10.0);
item->setGraphicsEffect(effect);
connect(effect, &MyClass::blurHintsChanged, this, &MyClass::onHintsChanged);
void MyClass::blurHintsChanged(QGraphicsBlurEffect::BlurHints hints)
{
if (hints & QGraphicsBlurEffect::PerformanceHint) {
// ぼかし効果がパフォーマンス優先モードに設定されている
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::QualityHint) {
// ぼかし効果が品質優先モードに設定されている
} else if (hints & QGraphicsBlurEffect::AnimationHint) {
// ぼかし効果がアニメーションヒントに設定されている
}
}
これらの代替方法はそれぞれ長所と短所があります。
- カスタムシグナルを作成する方法は、最も柔軟性がありますが、実装が最も複雑です。
- カスタムプロパティを使用する方法は、シグナルスロットメカニズムを使用するよりも柔軟性がありますが、コードが煩雑になる可能性があります。
blurHintsプロパティを直接ポーリングする方法は最もシンプルですが、パフォーマンス上のオーバーヘッドが発生する可能性があります。
どの方法を使用するかは、特定のニーズと要件によって異なります。
blurHintsChanged()QGraphicsBlurEffectオブジェクトが複数のアイテムに適用されている場合は、blurHintsChanged()シグナルがどのアイテムに対して発行されたのかを判断する必要があります。