Qt WidgetsにおけるQGraphicsBlurEffect::QGraphicsBlurEffect():詳細解説とサンプルコード
QGraphicsBlurEffect
は、Qt Widgetsライブラリで提供されるグラフィック効果の一つであり、ソース画像をぼかす効果を提供します。QGraphicsBlurEffect::QGraphicsBlurEffect()
コンストラクタは、この効果を生成するために使用されます。
構文
QGraphicsBlurEffect::QGraphicsBlurEffect(QObject *parent = nullptr);
パラメータ
parent
: 親オブジェクトへのポインタ(省略可能)。デフォルトではnullptr
です。
戻り値
QGraphicsBlurEffect
オブジェクトへのポインタ。
詳細
QGraphicsBlurEffect::QGraphicsBlurEffect()
コンストラクタは、デフォルト設定でQGraphicsBlurEffect
オブジェクトを生成します。デフォルト設定は以下の通りです。
- ぼかしヒント:
PerformanceHint
- ぼかし半径: 5ピクセル
ぼかし半径はsetBlurRadius()
関数を使用して変更できます。ぼかしヒントはsetBlurHints()
関数を使用して変更できます。
例
以下のコードは、QGraphicsBlurEffect
オブジェクトを生成し、ぼかし半径を10ピクセルに設定し、ソース画像に適用する方法を示しています。
QGraphicsBlurEffect *blurEffect = new QGraphicsBlurEffect;
blurEffect->setBlurRadius(10);
QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem;
item->setGraphicsEffect(blurEffect);
QGraphicsBlurEffect
は、アニメーションに適しています。setBlurRadius()
関数を介してぼかし半径をアニメーション化することで、滑らかなぼかし効果を実現できます。QGraphicsBlurEffect
は、パフォーマンスと品質の間でトレードオフを提供します。setBlurHints()
関数を使用して、パフォーマンスを優先するか、品質を優先するかを選択できます。
#include <QApplication>
#include <QGraphicsScene>
#include <QGraphicsView>
#include <QGraphicsPixmapItem>
#include <QGraphicsBlurEffect>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// シーンとビューを作成
QGraphicsScene scene;
QGraphicsView view(&scene);
// 画像を読み込み、ピックスマップアイテムを作成
QPixmap pixmap("image.png");
QGraphicsPixmapItem *item = new QGraphicsPixmapItem(pixmap);
// ぼかし効果を作成し、アイテムに適用
QGraphicsBlurEffect *blurEffect = new QGraphicsBlurEffect;
blurEffect->setBlurRadius(10);
item->setGraphicsEffect(blurEffect);
// アイテムをシーンに追加
scene.addItem(item);
// ビューをウィンドウに表示
view.show();
return app.exec();
}
このコードでは、以下の処理が行われます。
QApplication
オブジェクトを作成します。QGraphicsScene
とQGraphicsView
オブジェクトを作成します。- 画像ファイル "image.png" を読み込み、
QPixmap
オブジェクトを作成します。 QPixmap
オブジェクトを使用してQGraphicsPixmapItem
オブジェクトを作成します。QGraphicsBlurEffect
オブジェクトを作成し、ぼかし半径を10ピクセルに設定します。QGraphicsPixmapItem
オブジェクトにQGraphicsBlurEffect
オブジェクトを適用します。QGraphicsPixmapItem
オブジェクトをQGraphicsScene
オブジェクトに追加します。QGraphicsView
オブジェクトをウィンドウに表示します。
このコードを実行すると、"image.png" 画像がぼかされた状態でウィンドウに表示されます。ぼかし半径を変更することで、ぼかし具合を調整できます。
- アニメーション効果を作成する。
- 画像の一部を強調するために、周囲をぼかす。
- ウィンドウにフォーカスが当たっていないときに、他のウィンドウをぼかす。
- アニメーションに適していない場合があります。
- 低解像度の画像では、ぼかし効果が粗く見える場合があります。
- パフォーマンスが遅い場合があります。
これらの制限を克服するために、QGraphicsBlurEffect
の代替方法をいくつか検討する必要があります。
代替方法
以下の代替方法が考えられます。
- カスタムシェーダー
GLSL シェーダーを使用して、カスタムぼかし効果を作成できます。この方法は、最も柔軟性がありますが、最も複雑でもあります。 - QImage::filter()関数
画像にフィルタを適用することで、ぼかし効果をシミュレートできます。この方法は、QGraphicsBlurEffect
よりも高品質な結果を得ることができますが、処理速度が遅くなります。 - QPixmap::scaled()関数
画像を縮小することで、ぼかし効果をシミュレートできます。この方法は、高速で低解像度の画像に適しています。
各方法の比較
方法 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
QPixmap::scaled() | 高速、低解像度の画像に適している | ぼかし効果が粗い |
QImage::filter() | 高品質な結果が得られる | 処理速度が遅い |
カスタムシェーダー | 最も柔軟性がある | 最も複雑 |
具体的な例
以下のコードは、QPixmap::scaled()
関数を使用して画像をぼかす例です。
QPixmap pixmap("image.png");
QPixmap blurredPixmap = pixmap.scaled(pixmap.size() / 2, Qt::AspectRatioMode::KeepAspectRatio);
このコードは、"image.png" 画像を半分に縮小し、ぼかされた画像を blurredPixmap
変数に格納します。
以下のコードは、QImage::filter()
関数を使用して画像をぼかす例です。
QImage image("image.png");
QImage blurredImage = image.filter(QImage::GaussianBlur);
このコードは、"image.png" 画像にガウスぼかしフィルタを適用し、ぼかされた画像を blurredImage
変数に格納します。
QGraphicsBlurEffect
は、Qt Widgetsで画像をぼかすための便利なツールですが、いくつかの制限があります。上記の代替方法を検討することで、より良い結果を得られる場合があります。