QFontDatabase::smoothSizes()を使いこなしてQt GUIアプリをもっと魅力的に:滑らかなフォント表示でワンランク上のUIへ


QFontDatabase::smoothSizes()は、Qt GUIにおけるフォントサイズ関連の関数の1つであり、指定されたフォントファミリーとスタイルに対して、滑らかに表示されるポイントサイズのリストを返します。これは、ビットマップフォントをスケーリングする場合に特に重要です。

詳細

QFontDatabase::smoothSizes()は、以下の引数を受け取ります。

  • styleName: フォントスタイル名
  • family: フォントファミリー名

これらの引数に基づいて、関数は滑らかに表示されるポイントサイズのリストを返します。リストは空の場合もあります。

QFontDatabase::smoothSizes("Arial", "Regular");

このコードは、"Arial"フォントファミリーの"Regular"スタイルに対して、滑らかに表示されるポイントサイズのリストを返します。

ビットマップフォントのスケーリング

ビットマップフォントをスケーリングする場合、smoothSizes()で返されるポイントサイズの1つを使用することが重要です。そうしないと、フォントが粗く見えてしまいます。

pointSizes()との違い

QFontDatabase::smoothSizes()と類似の関数として、QFontDatabase::pointSizes()があります。pointSizes()は、指定されたフォントファミリーとスタイルに対して、利用可能なすべてのポイントサイズのリストを返します。しかし、pointSizes()は、すべてのポイントサイズが滑らかに表示されることを保証するものではありません。

QFontDatabase::smoothSizes()は、ビットマップフォントを滑らかに表示するために使用する便利な関数です。フォントをスケーリングする場合は、この関数を使用して適切なポイントサイズを選択することが重要です。

  • 本説明は、Qt GUI 6.7.2を対象としています。他のバージョンでは、関数の動作や引数が異なる場合があります。


#include <QFontDatabase>

int main() {
  // フォントファミリーとスタイルを指定
  QString fontFamily = "Arial";
  QString styleName = "Regular";

  // 滑らかに表示されるポイントサイズのリストを取得
  QList<int> pointSizes = QFontDatabase::smoothSizes(fontFamily, styleName);

  // リストの内容を出力
  for (int pointSize : pointSizes) {
    qDebug() << pointSize;
  }

  return 0;
}

例2:ビットマップフォントを滑らかにスケーリングする

#include <QFont>
#include <QPainter>
#include <QImage>

int main() {
  // ビットマップフォントを読み込む
  QFont font("Arial", 12);
  QImage image("image.png");

  // スケーリングファクターを指定
  qreal scaleFactor = 2.0;

  // スケーリングされたフォントを作成
  QFont scaledFont = font;
  scaledFont.setPointSize(font.pointSize() * scaleFactor);

  // スケーリングされたフォントでテキストを描画
  QPainter painter(&image);
  painter.setFont(scaledFont);
  painter.drawText(10, 10, "Hello, World!");

  // スケーリングされた画像を保存
  image.save("scaled_image.png");

  return 0;
}

解説

例1

この例では、"Arial"フォントファミリーの"Regular"スタイルに対する滑らかに表示されるポイントサイズのリストを取得します。リストの内容は、qDebug()関数を使用して出力されます。

例2

この例では、ビットマップフォントを滑らかにスケーリングする方法を示します。まず、ビットマップフォントを読み込み、スケーリングファクターを指定します。次に、スケーリングされたフォントを作成し、そのフォントを使用してテキストを描画します。最後に、スケーリングされた画像を保存します。

この例では、QFontDatabase::smoothSizes()を使用して、スケーリングされたフォントのポイントサイズを選択します。これにより、ビットマップフォントが滑らかに表示されます。

  • 上記のコードはあくまで例であり、状況に応じて変更する必要があります。


QFont::pointSize()とQFont::setScaleFactor()を使用する

この方法は、最も単純な代替方法の1つです。まず、QFont::pointSize()を使用して現在のフォントサイズを取得します。次に、QFont::setScaleFactor()を使用して、スケーリングファクターを設定します。最後に、QFont::setPointSize()を使用して、新しいフォントサイズを設定します。

QFont font("Arial", 12);
qreal scaleFactor = 2.0;

font.setScaleFactor(scaleFactor);
font.setPointSize(font.pointSize() * scaleFactor);

利点

  • コード量が少ない
  • シンプルで分かりやすい

欠点

  • スケーリングファクターを適切に設定する必要がある
  • すべてのフォントで滑らかに表示されることを保証しない

QPainter::setFontRenderHint(QPainter::AntiAlias)を使用する

この方法は、アンチエイリアシングを使用してフォントを滑らかに表示します。まず、QPainterオブジェクトに対してsetFontRenderHint(QPainter::AntiAlias)を呼び出します。次に、そのQPainterオブジェクトを使用してテキストを描画します。

QFont font("Arial", 12);
QImage image("image.png");
QPainter painter(&image);

painter.setFontRenderHint(QPainter::AntiAlias);
painter.setFont(font);
painter.drawText(10, 10, "Hello, World!");

image.save("scaled_image.png");

利点

  • スケーリングファクターを意識する必要がない
  • ほとんどのフォントで滑らかに表示される

欠点

  • QFontDatabase::smoothSizes()よりもパフォーマンスが低下する可能性がある

カスタムフォントレンダリングエンジンを使用する

この方法は、最も高度な代替方法ですが、同時に最も複雑な方法でもあります。まず、カスタムフォントレンダリングエンジンを作成する必要があります。次に、そのエンジンを使用してテキストを描画します。

利点

  • 最高のパフォーマンスが得られる可能性がある
  • 完全な制御が可能

欠点

  • 専門知識が必要
  • 複雑で時間のかかる作業が必要

どの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。シンプルな方法が必要であれば、1番目の方法がおすすめです。パフォーマンスが重要であれば、2番目の方法がおすすめです。完全な制御が必要であれば、3番目の方法がおすすめです。

  • 上記の方法はあくまで例であり、状況に応じて変更する必要があります。