Qt GUI でフォントを読み込む:QFontDatabase::addApplicationFont() を使う前に知っておくべきこと
使い方
QFontDatabase::addApplicationFont(const QString &fileName);
引数
fileName
: 読み込むフォントファイルのパス。絶対パスまたは相対パスを指定できます。
戻り値
- 失敗した場合: -1
- 成功した場合: 0
例
QFontDatabase::addApplicationFont(":/fonts/myfont.ttf");
QLabel label(parent);
label.setFont(QFont("MyFont", 12));
label.setText("This is MyFont.");
上記の例では、myfont.ttf
というフォントファイルが :/fonts/
ディレクトリに存在すると仮定しています。このコードを実行すると、MyFont
という名前のフォントがアプリケーションに読み込まれ、QLabel
ウィジェットのフォントとして使用することができます。
注意点
- フォントファイルのライセンスを確認する必要があります。商用利用可能なフォントを使用する場合は、ライセンス契約に準拠する必要があります。
- フォントファイルがシステムフォントと互換性がない場合、アプリケーションが予期しない動作をする可能性があります。
- フォントファイルが実際に存在し、読み込み可能であることを確認する必要があります。
QFont
コンストラクタを使用して、フォントのファミリー名、サイズ、スタイルなどを指定することができます。:/fonts/
というパスは、Qt リソースシステムによって特別な意味を持つパスです。このパスを使用すると、アプリケーションに埋め込まれたリソースファイルにアクセスすることができます。
QFontDatabase::addApplicationFont() 関数以外にも、Qt GUI でフォントを扱うための方法はいくつかあります。詳しくは、Qt ドキュメントの「フォント」セクションを参照してください。
#include <QApplication>
#include <QLabel>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// フォントファイルのパスを指定
QString fontFilePath = ":/fonts/myfont.ttf";
// フォントファイルをアプリケーションに読み込む
if (QFontDatabase::addApplicationFont(fontFilePath) == -1) {
qDebug() << "フォントファイルの読み込みに失敗しました";
return 1;
}
// QLabel ウィジェットを作成
QLabel label;
// フォントを設定
label.setFont(QFont("MyFont", 12));
// テキストを設定
label.setText("This is MyFont.");
// ウィジェットを表示
label.show();
return app.exec();
}
QApplication
オブジェクトを作成します。- フォントファイルのパスを
QString
型の変数に格納します。 QFontDatabase::addApplicationFont()
関数を使って、フォントファイルをアプリケーションに読み込みます。読み込みに失敗した場合、エラーメッセージを出力して終了します。QLabel
ウィジェットを作成します。QFont
コンストラクタを使って、フォントを設定します。- テキストを設定します。
- ウィジェットを表示します。
QApplication::exec()
関数を使って、アプリケーションを実行します。
- フォントファイルのライセンスを確認する必要があります。商用利用可能なフォントを使用する場合は、ライセンス契約に準拠する必要があります。
- フォントファイルがシステムフォントと互換性がない場合、アプリケーションが予期しない動作をする可能性があります。
- フォントファイルが実際に存在し、読み込み可能であることを確認する必要があります。
QFont::loadFont() 関数
QFont::loadFont() 関数は、フォントファイルを直接読み込んで、QFont オブジェクトを作成することができます。この方法は、QFontDatabase::addApplicationFont() 関数よりも柔軟性が高く、フォントのスタイルやサイズなどをより細かく制御することができます。
QFont font;
if (font.loadFont(":/fonts/myfont.ttf")) {
label.setFont(font);
} else {
qDebug() << "フォントファイルの読み込みに失敗しました";
}
QResource クラス
QResource クラスを使用して、アプリケーションに埋め込まれたリソースファイルにアクセスすることができます。フォントファイルをリソースとして埋め込むことで、ファイルシステム上のパスを指定せずにフォントを読み込むことができます。
QResource resource(":/fonts/myfont.ttf");
if (resource.isValid()) {
QFont font(resource.fileName());
label.setFont(font);
} else {
qDebug() << "リソースファイルの読み込みに失敗しました";
}
QDir::searchPaths() 関数
QDir::searchPaths() 関数を使用して、フォントファイルの検索パスを設定することができます。この方法を使用すると、フォントファイルをアプリケーションのインストールディレクトリ、ユーザーディレクトリ、システムフォントディレクトリなど、さまざまな場所から読み込むことができます。
QDir::setSearchPaths("fonts", QStringList() << QStandardPaths::standardLocations(QStandardPaths::AppFontDir));
QFont font("MyFont");
if (font.resolve()) {
label.setFont(font);
} else {
qDebug() << "フォントが見つかりません";
}
QSettings クラス
QSettings クラスを使用して、フォント設定を保存および読み込むことができます。この方法を使用すると、ユーザーがフォント設定をカスタマイズできるようにすることができます。
QSettings settings("MyCompany", "MyApp");
QString fontName = settings.value("font", "Arial").toString();
int fontSize = settings.value("fontSize", 12).toInt();
QFont font(fontName, fontSize);
label.setFont(font);
- ユーザーがフォント設定をカスタマイズできるようにしたい場合は、QSettings クラスを使用する。
- さまざまな場所からフォントファイルを読み込みたい場合は、QDir::searchPaths() 関数を使用する。
- フォントファイルをアプリケーションに埋め込みたい場合は、QResource クラスを使用する。
- より柔軟性が必要な場合は、QFont::loadFont() 関数を使用する。
- シンプルで使いやすい方法が必要な場合は、QFontDatabase::addApplicationFont() 関数を使用するのが良いでしょう。