QDateTimeEdit::paintEvent()で日付と時刻の表示を自由自在に！

QDateTimeEditは、Qt Widgetsライブラリで提供される日付と時刻の編集コントロールです。paintEvent()は、QWidgetクラスで定義された仮想関数であり、ウィジェットの外観を描画するために呼び出されます。QDateTimeEditでは、paintEvent()を使用して、日付、時刻、および編集ボタンを含むコントロールのすべての要素を描画します。

paintEvent()の役割

paintEvent()は、以下の役割を果たします。

エラーインジケータを描画する（エラーがある場合）
フォーカスインジケータを描画する（フォーカスがある場合）
日付、時刻、および編集ボタンを描画する
コントロールの背景を描画する

paintEvent()の実装

QDateTimeEditのpaintEvent()実装は、以下の手順で行われます。

QPainterオブジェクトを作成し、コントロールのペイント表面に設定します。
コントロールの背景を描画します。
日付、時刻、および編集ボタンを描画します。
フォーカスインジケータを描画します（フォーカスがある場合）。
エラーインジケータを描画します（エラーがある場合）。
QPainterオブジェクトを破棄します。

例

以下の例は、QDateTimeEditのpaintEvent()関数を再実装する方法を示します。この例では、コントロールの背景を青色に塗り、日付、時刻、および編集ボタンを黒色で描画します。

void QDateTimeEdit::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);

    // コントロールの背景を青色に塗りつぶす
    painter.setBrush(Qt::blue);
    painter.drawRect(rect());

    // 日付、時刻、および編集ボタンを描画する
    painter.setPen(Qt::black);
    painter.drawText(QRect(10, 10, 100, 20), date().toString("yyyy/MM/dd"));
    painter.drawText(QRect(120, 10, 100, 20), time().toString("hh:mm:ss"));
    painter.drawButton(QRect(230, 10, 20, 20), QPushButton::Flat,
                       timeSpec() == Qt::TimeSpec::LocalTime ? QPushButton::Normal : QPushButton::Disabled);

    // フォーカスインジケータを描画する（フォーカスがある場合）
    if (hasFocus()) {
        painter.setPen(Qt::red);
        painter.drawRect(rect());
    }

    // エラーインジケータを描画する（エラーがある場合）
    if (validator()->validate(text(), pos()) != QValidator::State::Acceptable) {
        painter.setPen(Qt::red);
        painter.drawPoint(rect().bottomRight());
    }
}

カスタマイズ

paintEvent()を再実装することで、QDateTimeEditコントロールの外観を自由にカスタマイズできます。たとえば、フォント、色、および配置を変更したり、カスタムアイコンを追加したりできます。

日付と時刻の書式をカスタマイズする

void QDateTimeEdit::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);

    // ... (背景を描画)

    // 日付と時刻をカスタム書式で描画する
    painter.setPen(Qt::black);
    painter.drawText(QRect(10, 10, 100, 20), date().toString("yyyy年 MM月 dd日"));
    painter.drawText(QRect(120, 10, 100, 20), time().toString("hh:mm"));

    // ... (編集ボタンを描画)
}

このコードでは、date().toString("yyyy年 MM月 dd日") と time().toString("hh:mm") を使用して、日付と時刻をカスタム書式で描画しています。

編集ボタンを無効化する

以下のコードは、QDateTimeEditコントロールの編集ボタンを無効化する方法を示します。

void QDateTimeEdit::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);

    // ... (背景と日付、時刻を描画)

    // 編集ボタンを無効化して描画する
    painter.setPen(Qt::gray);
    painter.drawButton(QRect(230, 10, 20, 20), QPushButton::Flat, QPushButton::Disabled);

    // ... (フォーカスインジケータとエラーインジケータを描画)
}

このコードでは、painter.setPen(Qt::gray) と QPushButton::Disabled を使用して、編集ボタンを無効化して描画しています。

以下のコードは、QDateTimeEditコントロールのエラーインジケータをカスタマイズする方法を示します。

void QDateTimeEdit::paintEvent(QPaintEvent *event)
{
    QPainter painter(this);

    // ... (背景、日付、時刻、編集ボタンを描画)

    // エラーインジケータをカスタム形状で描画する
    if (validator()->validate(text(), pos()) != QValidator::State::Acceptable) {
        painter.setBrush(Qt::red);
        painter.drawEllipse(rect().bottomRight() - QPoint(10, 10), 5, 5);
    }

    // ... (フォーカスインジケータを描画)
}

このコードでは、painter.setBrush(Qt::red) と painter.drawEllipse を使用して、エラーインジケータを赤い楕円形で描画しています。

スタイルシートを使用する

スタイルシートを使用すると、QDateTimeEditコントロールの外観を、CSSのような記述で簡単にカスタマイズできます。たとえば、以下のスタイルシートを使用して、QDateTimeEditコントロールの背景色を青色に設定できます。

QDateTimeEdit {
    background-color: blue;
}

カスタムデリゲートを使用する

QDateTimeEditコントロールは、QItemDelegate派生クラスを使用してカスタマイズすることもできます。カスタムデリゲートを使用すると、コントロールのすべての要素を個別に制御できます。

たとえば、以下のカスタムデリゲートは、QDateTimeEditコントロールの日付部分を赤色で表示します。

class MyDateTimeDelegate : public QItemDelegate
{
public:
    void paint(QPainter *painter, const QStyleOptionViewItem &option, const QModelIndex &index) const override
    {
        if (index.column() == 0) { // 日付列の場合
            painter->setPen(Qt::red);
        }

        QItemDelegate::paint(painter, option, index);
    }
};

サブウィジェットを使用する

QDateTimeEditコントロールは、QWidget派生クラスであるため、サブウィジェットを追加して外観をカスタマイズできます。たとえば、以下のコードは、QDateTimeEditコントロールにラベルを追加します。

QLabel *label = new QLabel("日付:");
label->setParent(this);
label->setGeometry(10, 10, 50, 20);

QDateTimeEdit *dateTimeEdit = new QDateTimeEdit(this);
dateTimeEdit->setGeometry(60, 10, 120, 20);