【初心者向け】Qt Widgets: QDateTimeEditで日付時刻入力を自由自在に！キー操作でサッと編集

QDateTimeEdit::keyPressEvent() は、QDateTimeEdit ウィジェットでユーザーがキーを押したときに発生するイベントを処理する仮想関数です。この関数は、ユーザーが入力したキーに基づいて、QDateTimeEdit の値を更新するために使用されます。

構文

void QDateTimeEdit::keyPressEvent(QKeyEvent *event)

パラメータ

event: キー押下イベントに関する情報を提供する QKeyEvent ポインタ

処理内容

event->key() を使用して、押されたキーを識別します。
update() を呼び出して、QDateTimeEdit ウィジェットを更新します。

例

void MyDateTimeEdit::keyPressEvent(QKeyEvent *event)
{
    if (event->key() >= Qt::Key_0 && event->key() <= Qt::Key_9) {
        // 数字キーが押された場合
        int digit = event->key() - Qt::Key_0;
        currentValue *= 10;
        currentValue += digit;
    } else if (event->key() == Qt::Key_Up || event->key() == Qt::Key_Down) {
        // ↑ または ↓ キーが押された場合
        QDate date = dateTime().date();
        if (event->key() == Qt::Key_Up) {
            date = date.addDays(1);
        } else {
            date = date.addDays(-1);
        }
        setDateTime(QDateTime(date, dateTime().time()));
    } else if (event->key() == Qt::Key_Left || event->key() == Qt::Key_Right) {
        // ← または → キーが押された場合
        QTime time = dateTime().time();
        if (event->key() == Qt::Key_Left) {
            time = time.addSecs(-1);
        } else {
            time = time.addSecs(1);
        }
        setDateTime(QDateTime(dateTime().date(), time));
    } else if (event->key() == Qt::Key_Backspace) {
        // Backspace キーが押された場合
        if (currentValue > 0) {
            currentValue /= 10;
        }
    } else if (event->key() == Qt::Key_Escape) {
        // Escape キーが押された場合
        setDateTime(originalValue);
    } else {
        // その他のキーが押された場合
        event->ignore();
    }

    update();
}

入力値の検証を行う場合は、QValidator を使用して別途行う必要があります。
この関数は、QDateTimeEdit の値を更新するために使用されますが、QValidator を使用して入力値を制限することはできません。
QDateTimeEdit::keyPressEvent() は、QDateTimeEdit ウィジェットがフォーカスを持っている場合にのみ呼び出されます。

#include <QApplication>
#include <QDateTimeEdit>

class MyDateTimeEdit : public QDateTimeEdit
{
public:
    MyDateTimeEdit(QWidget *parent = nullptr);

protected:
    void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override;
};

MyDateTimeEdit::MyDateTimeEdit(QWidget *parent)
    : QDateTimeEdit(parent)
{
    setDateTime(QDateTime::currentDateTime());
}

void MyDateTimeEdit::keyPressEvent(QKeyEvent *event)
{
    if (event->key() >= Qt::Key_0 && event->key() <= Qt::Key_9) {
        // 数字キーが押された場合
        int digit = event->key() - Qt::Key_0;
        currentValue *= 10;
        currentValue += digit;
    } else if (event->key() == Qt::Key_Up || event->key() == Qt::Key_Down) {
        // ↑ または ↓ キーが押された場合
        QDate date = dateTime().date();
        if (event->key() == Qt::Key_Up) {
            date = date.addDays(1);
        } else {
            date = date.addDays(-1);
        }
        setDateTime(QDateTime(date, dateTime().time()));
    } else if (event->key() == Qt::Key_Left || event->key() == Qt::Key_Right) {
        // ← または → キーが押された場合
        QTime time = dateTime().time();
        if (event->key() == Qt::Key_Left) {
            time = time.addSecs(-1);
        } else {
            time = time.addSecs(1);
        }
        setDateTime(QDateTime(dateTime().date(), time));
    } else if (event->key() == Qt::Key_Backspace) {
        // Backspace キーが押された場合
        if (currentValue > 0) {
            currentValue /= 10;
        }
    } else if (event->key() == Qt::Key_Escape) {
        // Escape キーが押された場合
        setDateTime(originalValue);
    } else {
        // その他のキーが押された場合
        event->ignore();
    }

    update();
}

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);

    MyDateTimeEdit dateTimeEdit;
    dateTimeEdit.show();

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、QDateTimeEdit ウィジェットが表示されます。ユーザーがウィジェットでキーを押すと、そのキーに応じて値が更新されます。

originalValue 変数は、QDateTimeEdit の元の値を保持するために使用されます。
currentValue 変数は、QDateTimeEdit の現在の値を保持するために使用されます。
このメソッドは、押されたキーに応じて、QDateTimeEdit の値を更新します。
keyPressEvent() メソッドは、QDateTimeEdit ウィジェットでユーザーがキーを押したときに呼び出されます。
MyDateTimeEdit クラスは、QDateTimeEdit クラスを継承したカスタムクラスです。

入力値の検証を行う場合は、QValidator を使用して別途行う必要があります。
このコードは、基本的な例のみを示しています。実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードを拡張する必要があります。

入力マスクを使用する

QDateTimeEdit に入力マスクを設定することで、ユーザーが入力できる値を制限できます。これにより、keyPressEvent() を使用する必要がなくなり、コードを簡潔にすることができます。

dateTimeEdit->setInputMask("00:00:00");

このコードは、QDateTimeEdit ウィジェットの入力マスクを "HH:mm:ss" に設定します。ユーザーはこの形式でしか値を入力できなくなります。

カスタムフォーマッターを使用する

QDateTimeEdit にカスタムフォーマッターを設定することで、値の表示形式を自由に設定できます。これにより、keyPressEvent() で値を解析する必要がなくなり、コードを簡潔にすることができます。

QDateTimeFormatter formatter("dd MMMM yyyy");
dateTimeEdit->setDisplayFormat(formatter);

このコードは、QDateTimeEdit ウィジェットの表示形式を "dd MMMM yyyy" に設定します。値は "23 July 2024" のように表示されます。

シグナルとスロットを使用する

QDateTimeEdit では、editingFinished() シグナルが emit されます。このシグナルは、ユーザーが編集を完了したときに emit されます。このシグナルをスロットに接続することで、値を更新する処理を実行できます。

void MyDateTimeEdit::onEditingFinished()
{
    // 値を更新する処理
}

connect(dateTimeEdit, &QDateTimeEdit::editingFinished, this, &MyDateTimeEdit::onEditingFinished);

このコードは、QDateTimeEdit ウィジェットの editingFinished() シグナルを onEditingFinished() スロットに接続します。onEditingFinished() スロットは、ユーザーが編集を完了したときに呼び出され、値を更新する処理を実行します。

サードパーティ製のライブラリを使用する

Qt には、QDateTimeEdit の代替となるサードパーティ製のライブラリがいくつかあります。これらのライブラリは、より多くの機能を提供したり、特定のニーズに特化していたりする可能性があります。

QDateTimeEdit::keyPressEvent() は、QDateTimeEdit ウィジェットでユーザーがキーを押したときに値を更新するための便利な方法ですが、状況によっては代替方法の方が適している場合があります。上記の代替方法を検討して、ニーズに最適な方法を選択してください。

サードパーティ製のライブラリを使用する場合は、ライブラリのドキュメントを参照する必要があります。
カスタムフォーマッターを使用する場合は、フォーマット文字列の書式規則を理解する必要があります。
どの方法を選択するかは、具体的な要件によって異なります。