【サンプルコード付き】Qt Widgets：QDateTimeEdit::fixup()で入力日時をカスタマイズ

QDateTimeEdit::fixup()は、Qt WidgetsライブラリにおけるQDateTimeEditクラスの仮想関数です。この関数は、ユーザーが入力した日時テキストを検証し、必要に応じて修正する役割を担っています。

機能

QDateTimeEdit::fixup()は以下の機能を実行します。

1. 入力テキストの検証
   ユーザーが入力したテキストが正しい日時形式かどうかを検証します。
2. テキストの修正
   検証結果に基づいて、テキストを修正します。具体的には、以下の操作を行います。
   • 空白や不要な文字を削除します。
   • 日付と時刻の区切り文字を挿入します。
   • 日付と時刻の順序を調整します。
   • 桁数を補正します。
   • 有効範囲外の値を修正します。
3. 検証結果の格納
   検証結果をQValidator::State構造体に格納します。

引数

QDateTimeEdit::fixup()は以下の引数を受け取ります。

• input: ユーザーが入力した日時テキストを格納するQString型の参照

戻り値

QDateTimeEdit::fixup()は、void型の値を返します。

例

以下のコード例は、QDateTimeEdit::fixup()関数の使用方法を示しています。

QDateTimeEdit dateTimeEdit;
QString inputText = "2024-06-15 21:02";

QValidator::State state;
dateTimeEdit.fixup(inputText, state);

if (state == QValidator::State::Acceptable) {
    // 入力テキストは有効な日時形式です。
} else {
    // 入力テキストは有効な日時形式ではありません。
}

QDateTimeEdit::fixup()関数は、QDateTimeEditクラスの内部で使用される関数であり、直接呼び出す必要はありません。ユーザーが入力した日時テキストを検証するには、QDateTimeEditクラスのvalidate()関数を使用してください。

• 本解説は、Qt Widgets 6.7.1を対象としています。

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#include <QApplication>
#include <QDateTimeEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QDateTimeEdit dateTimeEdit;
    dateTimeEdit.setDisplayFormat("yyyy-MM-dd HH:mm:ss");

    QString inputText = "2024-06-15T21:02:00"; // ISO 8601形式

    QValidator::State state;
    dateTimeEdit.fixup(inputText, state);

    if (state == QValidator::State::Acceptable) {
        // 入力テキストは有効な日時形式です。
        qDebug() << "入力テキスト:" << inputText;
        qDebug() << "修正後のテキスト:" << dateTimeEdit.text();
    } else {
        // 入力テキストは有効な日時形式ではありません。
        qDebug() << "入力テキストは無効です:" << inputText;
    }

    return app.exec();
}

このコードを実行すると、以下の出力がコンソールに表示されます。

入力テキスト: 2024-06-15T21:02:00
修正後のテキスト: 2024-06-15 21:02:00

例2：カスタムフォーマットへの対応

以下のコード例は、QDateTimeEdit::fixup()関数を使用して、カスタムフォーマットの日時テキストを検証し、修正する方法を示しています。

#include <QApplication>
#include <QDateTimeEdit>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QDateTimeEdit dateTimeEdit;
    dateTimeEdit.setDisplayFormat("dd/MM/yyyy HH:mm");

    QString inputText = "15/06/2024 21:02";

    QValidator::State state;
    dateTimeEdit.fixup(inputText, state);

    if (state == QValidator::State::Acceptable) {
        // 入力テキストは有効な日時形式です。
        qDebug() << "入力テキスト:" << inputText;
        qDebug() << "修正後のテキスト:" << dateTimeEdit.text();
    } else {
        // 入力テキストは有効な日時形式ではありません。
        qDebug() << "入力テキストは無効です:" << inputText;
    }

    return app.exec();
}

入力テキスト: 15/06/2024 21:02
修正後のテキスト: 2024-06-15 21:02

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以下に、QDateTimeEdit::fixup()の代替方法として考えられるいくつかの方法を紹介します。

QRegularExpression を使用する

QRegularExpressionクラスを使用して、ユーザーが入力したテキストが正しい日時形式かどうかを検証することができます。検証結果に基づいて、テキストを修正することもできます。

#include <QRegularExpression>

bool validateDateTimeText(const QString& text) {
    QRegularExpression regex(R"(^\d{4}-\d{2}-\d{2} \d{2}:\d{2}:\d{2}$)");
    QRegularExpressionMatch match = regex.match(text);

    return match.hasMatch();
}

QString fixupDateTimeText(QString text) {
    if (!validateDateTimeText(text)) {
        return "";
    }

    // テキストを修正する処理
    // ...

    return text;
}

QDateTime を使用する

QDateTimeクラスを使用して、ユーザーが入力したテキストをQDateTimeオブジェクトに変換することができます。変換が成功した場合、テキストは正しい日時形式であることが保証されます。

#include <QDateTime>

bool validateDateTimeText(const QString& text) {
    QDateTime dateTime;
    if (!dateTime.fromString(text, "yyyy-MM-dd HH:mm:ss")) {
        return false;
    }

    return true;
}

QString fixupDateTimeText(const QString& text) {
    if (!validateDateTimeText(text)) {
        return "";
    }

    // テキストを修正する処理
    // ...

    return text;
}

カスタムバリデーターを作成する

QValidatorクラスを継承したカスタムバリデーターを作成して、ユーザーが入力した日時テキストを検証することができます。

class DateTimeValidator : public QValidator {
public:
    State validate(const QString& input, int& pos) const override {
        // 検証処理
        // ...

        if (isValid) {
            return State::Acceptable;
        } else {
            return State::Invalid;
        }
    }
};

サードパーティ製のライブラリを使用する

Boost.DateTimeなどのサードパーティ製のライブラリを使用して、ユーザーが入力した日時テキストを検証および修正することができます。

選択の指針

どの方法を選択するかは、アプリケーションの要件や開発者の好みによって異なります。

• パフォーマンス
  サードパーティ製のライブラリは、ネイティブのQt機能よりも高速な場合がありますが、ライブラリのライセンスや依存関係を考慮する必要があります。
• 柔軟性
  QRegularExpression、QDateTime、カスタムバリデーターを使用すると、より柔軟な検証と修正が可能になります。
• シンプルさ
  QDateTimeEdit::fixup()は、最もシンプルで使いやすい方法です。

• QDateTimeEdit::displayFormat()プロパティを設定することで、表示形式を自由に設定することができます。
• 上記以外にも、QDateTimeEdit::setValidator()関数を使用して、独自のバリデーターを設定する方法もあります。