Qt Widgetsでカスタムデリゲートを駆使してデータ操作を自由自在に!QDataWidgetMapper::setItemDelegate()の活用術


QDataWidgetMapper::setItemDelegate()は、Qt WidgetsにおけるQDataWidgetMapperクラスのメソッドであり、モデルデータとウィジェット間のマッピングにカスタムデリゲートを設定するために使用されます。QDataWidgetMapperは、モデルデータとウィジェット間の双方向バインディングを自動的に処理するクラスです。

機能

  • デリゲートを設定することで、データの表示形式や編集方法をカスタマイズできます。
  • デリゲートは、モデルデータがウィジェットに表示される方法と、ウィジェットからの入力がモデルに書き込まれる方法を制御します。
  • setItemDelegate()メソッドは、QAbstractItemDelegate型の引数を受け取ります。

以下の例は、QDataWidgetMapperQComboBoxを使用して、モデルデータを表示および編集する方法を示しています。

QDataWidgetMapper mapper;
QComboBox *comboBox = new QComboBox;

mapper.setModel(model);
mapper.addMapping(comboBox, 1);
mapper.setItemDelegate(new MyDelegate);

この例では、MyDelegateというカスタムデリゲートがcomboBoxに設定されています。MyDelegateは、モデルデータがcomboBoxに表示される方法と、comboBoxからの入力がモデルに書き込まれる方法を制御します。

  • デリゲートを使用する場合は、モデルデータとウィジェットデータの型が互換性があることを確認する必要があります。
  • QDataWidgetMapperは、モデルデータとウィジェット間の単純なマッピングに適しています。より複雑なマッピングには、QModelViewなどの他のクラスを使用する必要があります。
  • 上記以外にも、QDataWidgetMapperには様々な機能があります。詳細は、Qtドキュメントを参照してください。


#include <QApplication>
#include <QDataWidgetMapper>
#include <QLineEdit>
#include <QSpinBox>
#include <QStandardItemModel>
#include <MyDelegate.h> // カスタムデリゲートヘッダーファイル

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // モデルの作成
  QStandardItemModel model;
  QStandardItem *item1 = new QStandardItem("John Doe");
  item1->setData(30, Qt::UserRole);
  model.appendRow(item1);

  // マッパーの作成
  QDataWidgetMapper mapper;
  mapper.setModel(&model);

  // ウィジェットの作成
  QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
  QSpinBox *spinBox = new QSpinBox;

  // マッピングの設定
  mapper.addMapping(lineEdit, 0); // name プロパティを lineEdit にマッピング
  mapper.addMapping(spinBox, 1);  // age プロパティを spinBox にマッピング

  // カスタムデリゲートの設定
  MyDelegate *delegate = new MyDelegate;
  mapper.setItemDelegate(0, delegate); // name プロパティの編集に delegate を使用する

  // ウィジェットの表示
  lineEdit->show();
  spinBox->show();

  // マッピングの開始
  mapper.setCurrentIndex(0);

  return app.exec();
}

このコードでは、MyDelegate というカスタムデリゲートクラスを使用しています。このデリゲートは、QLineEdit ウィジェットのテキストを大文字に変換します。

class MyDelegate : public QItemDelegate {
public:
  void setEditorData(QWidget *editor, const QModelIndex &index) const override {
    QLineEdit *lineEdit = qobject_cast<QLineEdit *>(editor);
    if (lineEdit) {
      QString text = index.modelData().toString();
      lineEdit->setText(text.toUpper());
    }
  }

  voidsetModelData(QWidget *editor, const QModelIndex &index) const override {
    QLineEdit *lineEdit = qobject_cast<QLineEdit *>(editor);
    if (lineEdit) {
      index.model()->setData(index, lineEdit->text());
    }
  }
};
  • Qt CreatorなどのIDEを使用すると、コードを書くのが簡単になります。
  • 上記以外にも、QDataWidgetMapperには様々な機能があります。詳細は、Qtドキュメントを参照してください。


カスタムビューを使用する

  • QModelView を使用すると、デリゲートを使用せずに、データの表示形式や編集方法をより細かく制御できます。
  • QDataWidgetMapper は、モデルデータとウィジェット間の単純なマッピングに適しています。より複雑なマッピングには、QModelView などの他のクラスを使用する必要があります。

カスタムアイテムを使用する

  • カスタムアイテムを使用すると、デリゲートを使用せずに、より柔軟なマッピングを実現できます。
  • モデルアイテムをカスタマイズすることで、データの表示形式や編集方法を制御できます。

コードでマッピングを処理する

  • コードでマッピングを処理すると、より多くの制御が可能になりますが、コードが複雑になる可能性があります。
  • 複雑なマッピングが必要な場合は、コードでマッピングを処理することができます。

各方法の比較

方法利点欠点
QDataWidgetMapper::setItemDelegate()簡単、シンプル複雑なマッピングには不向き
カスタムビュー柔軟性が高いコード量が多くなる
カスタムアイテム柔軟性が高いコード量が多くなる
コードでマッピングを処理する最も柔軟性が高いコード量が多くなる、複雑になる

どの方法を選択するべきか

どの方法を選択するかは、要件によって異なります。

  • より複雑なマッピングが必要な場合は、カスタムビュー、カスタムアイテム、またはコードによるマッピング処理を検討する必要があります。
  • シンプルなマッピングが必要な場合は、QDataWidgetMapper::setItemDelegate() が最適です。
  • 最適な方法は、要件によって異なります。
  • 上記以外にも、QDataWidgetMapper の代替方法はいくつかあります。