【必見】Qt Widgetsの補完機能を使いこなす！QCompleter::setWidget()のテクニック

QCompleter::setWidget() 関数は、Qt Widgets ライブラリで提供される補完機能クラス QCompleter において、補完候補を表示するウィジェットを設定するためのものです。この関数は、補完候補の表示位置や動作を制御するために重要であり、様々なユースケースに活用できます。

機能

QCompleter::setWidget() 関数は、以下の機能を提供します。

補完候補の入力補完動作を制御する
補完候補の表示タイミングを制御する
補完候補の表示位置を調整する
補完候補を表示するウィジェットを設定する

使用方法

QCompleter::setWidget() 関数は、以下の形式で使用します。

void QCompleter::setWidget(QWidget *widget);

ここで、widget は、補完候補を表示するウィジェットを指定するパラメータです。このウィジェットは、QLineEdit や QComboBox などの入力ウィジェットである必要があります。

例

以下の例は、QLineEdit ウィジェットに QCompleter を設定し、補完候補を表示する方法を示しています。

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
QCompleter *completer = new QCompleter(this);

// 補完候補のモデルを設定する
completer->setModel(new QStringListModel(QStringList{"アイテム1", "アイテム2", "アイテム3"}));

// 補完候補を表示するウィジェットを設定する
completer->setWidget(lineEdit);

// 補完候補の表示タイミングを設定する
completer->setCompletionMode(QCompleter::PopupCompletion);

// 補完候補の入力補完動作を設定する
completer->setFilterCaseSensitivity(Qt::CaseInsensitive);

このコードでは、QLineEdit ウィジェット lineEdit に QCompleter オブジェクト completer を設定しています。completer には、補完候補のモデルとして QStringListModel オブジェクトが設定されています。このモデルには、"アイテム1", "アイテム2", "アイテム3" という文字列が含まれています。

setWidget() 関数によって、completer は lineEdit に関連付けられ、lineEdit で入力が開始されると、completer は QStringListModel に含まれる文字列に基づいて補完候補を提案します。

QCompleter::setWidget() 関数は、補完候補の表示位置や動作を詳細に制御するための様々なオプションを提供しています。これらのオプションの詳細については、Qt ドキュメントを参照してください。

例

以下のコードは、QLineEditウィジェットにQCompleterを設定し、ファイル名の補完機能を実現する例です。

#include <QApplication>
#include <QLineEdit>
#include <QCompleter>
#include <QFileSystemModel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ファイルシステムモデルを作成する
  QFileSystemModel model;
  model.setRootPath("/home");

  // 補完機能を作成する
  QCompleter completer(&model);

  // 補完候補を表示するウィジェットを設定する
  QLineEdit lineEdit;
  lineEdit.setCompleter(&completer);

  // ウィジェットを表示する
  lineEdit.show();

  return app.exec();
}

ヘッダーファイルのインクルード
- QApplication: Qtアプリケーションのメインクラスを宣言するためのヘッダーファイル
- QLineEdit: 行編集ウィジェットを宣言するためのヘッダーファイル
- QCompleter: 補完機能クラスを宣言するためのヘッダーファイル
- QFileSystemModel: ファイルシステムモデルを宣言するためのヘッダーファイル
main()関数
- QApplicationオブジェクトを作成し、コマンドライン引数を処理します。
- QFileSystemModelオブジェクトを作成し、ルートパスを"/home"に設定します。
- QCompleterオブジェクトを作成し、QFileSystemModelオブジェクトをモデルとして設定します。
- QLineEditオブジェクトを作成し、QCompleterオブジェクトを補完機能として設定します。
- QLineEditオブジェクトを表示します。
- QApplication::exec()関数を呼び出し、アプリケーションを実行します。
ファイルシステムモデルの作成
- QFileSystemModelオブジェクトを作成し、setRootPath()関数を使用してルートパスを"/home"に設定します。
補完機能の作成
- QCompleterオブジェクトを作成し、QFileSystemModelオブジェクトをモデルとして引数に渡します。
補完候補を表示するウィジェットの設定
- QLineEditオブジェクトを作成し、setCompleter()関数を使用してQCompleterオブジェクトを補完機能として設定します。
ウィジェットの表示
- show()関数を使用してQLineEditオブジェクトを表示します。

QCompleter::popup() 関数

QCompleter::popup() 関数は、補完候補リストをポップアップウィンドウとして表示します。この方法は、補完候補の表示位置を柔軟に制御したい場合に適しています。

completer->popup();

例

以下のコードは、QLineEdit ウィジェットの横に補完候補リストを表示する例です。

QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
QCompleter *completer = new QCompleter(this);

// 補完候補のモデルを設定する
completer->setModel(new QStringListModel(QStringList{"アイテム1", "アイテム2", "アイテム3"}));

// 補完候補の表示タイミングを設定する
completer->setCompletionMode(QCompleter::PopupCompletion);

// 補完候補の入力補完動作を設定する
completer->setFilterCaseSensitivity(Qt::CaseInsensitive);

// 補完候補リストを横に表示する
QObject::connect(lineEdit, SIGNAL(editingFinished()), completer, SLOT(popup()));

このコードでは、QLineEdit ウィジェットの editingFinished() 信号と QCompleter オブジェクトの popup() スロットを接続しています。これにより、QLineEdit ウィジェットでの入力が完了すると、QCompleter オブジェクトの補完候補リストが横に表示されます。

QCompleter::setCompletionPopup() 関数

QCompleter::setCompletionPopup() 関数は、補完候補リストを表示するウィジェットをカスタムで作成することができます。この方法は、補完候補リストの外観や動作を高度にカスタマイズしたい場合に適しています。

QCompleter *completer = new QCompleter(this);

// 補完候補のモデルを設定する
completer->setModel(new QStringListModel(QStringList{"アイテム1", "アイテム2", "アイテム3"}));

// 補完候補の表示タイミングを設定する
completer->setCompletionMode(QCompleter::PopupCompletion);

// 補完候補の入力補完動作を設定する
completer->setFilterCaseSensitivity(Qt::CaseInsensitive);

// カスタム補完候補リストを作成する
QListView *completionPopup = new QListView;
completionPopup->setModel(completer->model());

// カスタム補完候補リストを設定する
completer->setCompletionPopup(completionPopup);

例

上記のコードは、カスタムの QListView ウィジェットを使用して補完候補リストを表示する例です。

サードパーティライブラリの利用

Qt には、QCompleter の代替となるサードパーティライブラリがいくつか存在します。これらのライブラリは、QCompleter にはない追加機能を提供している場合があります。