【初心者向け】PyTorchで多次元テンソルを操る:`unsqueeze_()` と `view()` の違いを解説


unsqueeze_()の動作

unsqueeze_()は、指定された次元位置にサイズ1の次元を挿入することで、テンソルの形状を変更します。具体的には、以下の操作を行います。

  1. 元のテンソル: inputと仮定します。
  2. 挿入する次元: dimと仮定します。
  3. 新しい次元: サイズ1の新しい次元をdim番目の位置に挿入します。
  4. 結果: 新しい次元が挿入されたテンソルを返します。

:

import torch

# 1次元のテンソルを作成
x = torch.tensor([1, 2, 3])

# 0番目の次元(先頭)にサイズ1の次元を挿入
x.unsqueeze_(0)  # tensor([[1, 2, 3]])

# 1番目の次元(要素間)にサイズ1の次元を挿入
x.unsqueeze_(1)  # tensor([[1], [2], [3]])

unsqueeze_()の利点

unsqueeze_()は、以下の利点を提供します。

  • テンソルのブロードキャスト: 異なる形状のテンソル同士の演算を可能にするために、テンソルの形状を揃えることができます。
  • チャネル操作を容易に: 画像処理や畳み込みニューラルネットワークにおいて、チャネル操作を容易に行うことができます。
  • テンソルの形状を柔軟に変更: モデルの入力や出力に合わせて、テンソルの形状を自在に変更できます。
  • 高次元テンソルに対してunsqueeze_()を多用すると、メモリ使用量が増加する可能性があります。
  • 挿入する次元位置を間違えると、意図した結果が得られない可能性があります。
  • unsqueeze_()は元のテンソルを inplace で操作します。つまり、元のテンソル自体が変更されます。

torch.Tensor.unsqueeze_()は、PyTorchにおけるテンソル操作において重要な役割を果たす関数です。テンソルの形状を柔軟に変更し、様々なデータ処理やモデル構築に役立てることができます。

この解説が、unsqueeze_()の理解を深め、PyTorchプログラミングのスキル向上に役立つことを願っています。

  • 次元の挿入と削除: unsqueeze()squeeze()を組み合わせて、テンソルの形状を操作することができます。
  • unsqueeze()unsqueeze_()の違い: unsqueeze()は新しいテンソルを生成しますが、unsqueeze_()は元のテンソルをinplaceで操作します。


単一サンプルのバッチ化

単一のサンプルをバッチデータとして扱う場合、unsqueeze_()を使用して偽のバッチ次元を追加することができます。

import torch

# 単一サンプルのテンソルを作成
x = torch.tensor([1, 2, 3])

# 0番目の次元(先頭)にサイズ1の次元を挿入し、バッチ次元として扱う
x_batch = x.unsqueeze_(0)  # tensor([[1, 2, 3]])

# モデルへの入力として使用
model(x_batch)

チャネル操作

画像処理や畳み込みニューラルネットワークにおいて、チャネル操作を行うためにunsqueeze_()を使用することができます。

import torch

# 3チャネルの画像テンソルを作成
x = torch.randn(3, 32, 32)

# 1番目の次元(チャネル間)にサイズ1の次元を挿入し、チャネル操作を容易に
x_channelized = x.unsqueeze_(1)  # tensor([[..., [1, 2, 3], ...], ..., [..., [29, 30, 31], ...]])

異なる形状のテンソル同士の演算を行うために、unsqueeze_()を使用してテンソルの形状を揃えることができます。

import torch

# 1次元のテンソルと2次元のテンソルを作成
x = torch.tensor([1, 2, 3])
y = torch.tensor([[4, 5, 6], [7, 8, 9]])

# 1番目の次元(要素間)にサイズ1の次元を挿入し、ブロードキャストを可能に
x_broadcasted = x.unsqueeze_(1)  # tensor([[1], [2], [3]])

# ブロードキャスト演算
z = x_broadcasted + y  # tensor([[5, 6, 7], [8, 9, 10], [9, 10, 11]])


torch.newaxis

  • 欠点:
    • PyTorch 1.1.0 より前のバージョンでは利用不可
    • torch.Tensor.unsqueeze_() と比べて若干遅延が発生する可能性がある
  • 利点:
    • シンプルで直感的な書き方
    • コードが読みやすくなる
import torch

x = torch.tensor([1, 2, 3])

# 0番目の次元(先頭)にサイズ1の次元を挿入
x_newaxis = x[None, :]  # tensor([[1, 2, 3]])

# 1番目の次元(要素間)にサイズ1の次元を挿入
x_newaxis = x[:, None]  # tensor([[1], [2], [3]])

view()

  • 欠点:
    • コードが若干複雑になる
    • 意図した結果を得るために適切な形状を指定する必要がある
  • 利点:
    • 柔軟な形状変更が可能
    • unsqueeze_() と組み合わせて使用できる
import torch

x = torch.tensor([1, 2, 3])

# 0番目の次元(先頭)にサイズ1の次元を挿入
x_view = x.view(1, -1)  # tensor([[1, 2, 3]])

# 1番目の次元(要素間)にサイズ1の次元を挿入
x_view = x.view(-1, 1)  # tensor([[1], [2], [3]])

repeat()

  • 欠点:
    • すべての次元を拡張する必要がある
    • コードが冗長になる場合がある
  • 利点:
    • シンプルでメモリ効率が良い
    • 特定の次元のみを拡張したい場合に有効
import torch

x = torch.tensor([1, 2, 3])

# 0番目の次元(先頭)にサイズ1の次元を挿入
x_repeat = x.repeat(1, 1)  # tensor([[1, 2, 3]])

# 1番目の次元(要素間)にサイズ1の次元を挿入
x_repeat = x.repeat(1, 1).transpose(0, 1)  # tensor([[1], [2], [3]])

numpy アレイ変換

  • 欠点:
    • PyTorch テンソルと NumPy アレイの変換が必要
    • コードが冗長になる場合がある
  • 利点:
    • NumPy アライの操作に慣れている場合に便利
    • パフォーマンスが向上する場合がある
import torch
import numpy as np

x = torch.tensor([1, 2, 3])

# NumPy アレイに変換
x_numpy = x.numpy()

# 0番目の次元(先頭)にサイズ1の次元を挿入
x_numpy = np.expand_dims(x_numpy, axis=0)

# PyTorch テンソルに戻す
x_unsqueeze = torch.from_numpy(x_numpy)

# 1番目の次元(要素間)にサイズ1の次元を挿入
x_numpy = np.expand_dims(x_numpy, axis=1)
x_unsqueeze = torch.from_numpy(x_numpy)

選択の指針

上記以外にも、状況に応じて様々な代替方法が存在します。最適な方法は、以下の要素を考慮して選択する必要があります。

  • 個人の好み: 使い慣れた方法を選択することで、開発効率が向上します。
  • パフォーマンス: メモリ効率や処理速度を考慮する必要があります。
  • コードの簡潔性: シンプルで直感的なコードの方が、理解しやすく保守しやすいです。
  • PyTorch のバージョン: torch.newaxis は PyTorch 1.1.0 以降でのみ利用可能です。