MariaDBでJSONデータ分析をレベルアップ!JSON関数とXPathライブラリの活用術


JSON関数は、MariaDBでJSONデータを操作するために使用される一連の組み込み関数です。これらの関数は、JSONデータの抽出、挿入、更新、削除など、さまざまな操作を実行できます。

主なJSON関数

以下に、MariaDBでよく使用されるJSON関数をいくつか紹介します。

  • JSON_TYPE(): JSON値のデータ型を返します。
  • JSON_LENGTH(): JSON文字列またはJSON配列の長さを返します。
  • JSON_CONTAINS(): JSON文字列が特定のJSONパスを含むかどうかを確認します。
  • JSON_ARRAYAGG(): 複数の値またはSQL行をJSON配列に集計します。
  • JSON_REMOVE(): JSONオブジェクトからキーと値のペアを削除します.
  • JSON_REPLACE(): JSONオブジェクト内の既存のキーと値のペアを置き換えます。
  • JSON_INSERT(): JSONオブジェクトに新しいキーと値のペアを挿入します。
  • JSON_OBJECT(): キーと値のペアをJSONオブジェクトに変換します。
  • JSON_ARRAY(): 複数の値をJSON配列に変換します。
  • JSON_QUERY(): JSON文字列に対してJSONPath式を評価し、結果をJSONデータとして返します。
  • JSON_VALUE(): JSON文字列から指定されたパスで値を抽出します。

JSON関数の構文

JSON関数は、次の一般的な構文に従います。

JSON_FUNCTION(JSON_STRING, JSON_PATH)

ここで、

  • JSON_PATH は、オプションのJSONPath式であり、JSON文字列内の特定の値を指定します。
  • JSON_STRING は、操作対象のJSON文字列です。
  • JSON_FUNCTION は、実行する関数 (例: JSON_VALUE(), JSON_INSERT()) です。

JSON関数の例

以下に、JSON関数の使用方法の例をいくつか示します。

例1:JSON文字列から値を抽出する

次のクエリは、products テーブルの description 列に格納されているJSON文字列から price フィールドの値を抽出します。

SELECT product_id, JSON_VALUE(description, '$.price') AS price
FROM products;

例2:JSONオブジェクトに新しいキーと値のペアを挿入する

次のクエリは、customers テーブルの address 列に格納されているJSONオブジェクトに新しい city フィールドを追加します。

UPDATE customers
SET address = JSON_INSERT(address, '$.city', 'San Francisco')
WHERE customer_id = 123;

例3:JSON配列を生成する

次のクエリは、orders テーブルの product_ids 列に格納されているカンマ区切りのIDリストをJSON配列に変換します。

SELECT order_id, JSON_ARRAY(product_ids) AS product_ids_json
FROM orders;


製品テーブルから価格と名前を抽出する

この例では、products テーブルから description 列の JSON データを解析し、pricename フィールドの値を抽出します。

SELECT product_id, JSON_VALUE(description, '$.price') AS price,
       JSON_VALUE(description, '$.name') AS product_name
FROM products;

顧客テーブルに配送先住所を追加する

この例では、customers テーブルの address 列の JSON オブジェクトに新しい city フィールドを追加します。

UPDATE customers
SET address = JSON_INSERT(address, '$.city', 'San Francisco')
WHERE customer_id = 1;

注文テーブルから注文詳細を JSON 配列として取得する

この例では、orders テーブルの order_details 列の JSON データを解析し、各注文の詳細な情報を含む JSON 配列を返します。

SELECT order_id, JSON_ARRAYAGG(
    JSON_OBJECT('product_id', product_id, 'quantity', quantity, 'price', price)
) AS order_details_json
FROM order_details
GROUP BY order_id;

ユーザー設定を JSON オブジェクトとして保存する

この例では、ユーザー設定を JSON オブジェクトとして user_settings 列に保存します。

INSERT INTO users (user_id, user_name, user_settings)
VALUES (1, 'John Doe', JSON_OBJECT('theme', 'dark', 'language', 'en'));

この例では、products テーブルの description 列にある JSON データから price フィールドの値を抽出しますが、price が 10 より大きい場合のみ抽出します。

SELECT product_id, JSON_VALUE(description, '$.price') AS price
FROM products
WHERE JSON_VALUE(description, '$.price') > 10;

これらの例は、MariaDBにおけるJSON関数の汎用性と機能を示すほんの一例です。 JSONPath 式を組み合わせることで、複雑なデータ構造から必要な情報を効率的に抽出、操作、保存することができます。



手動の文字列操作

JSONデータは、本質的に文字列として表現されます。そのため、標準的な文字列操作関数を使用して、手動で解析、操作、生成することができます。

長所

  • 比較的軽量で、パフォーマンスが優れている場合があります。
  • 柔軟性と制御性に優れています。
  • 追加のライブラリや依存関係を必要としません。

短所

  • JSONデータの構造が変化すると、コードを更新する必要がある。
  • コードが冗長で保守が難しい場合がある。
  • 複雑でエラーが発生しやすい。


-- JSON文字列から価格を抽出する
SELECT SUBSTRING_INDEX(description, '$.price": "', -1)
FROM products;

-- JSONオブジェクトに新しいフィールドを追加する
UPDATE customers
SET address = CONCAT(address, ', "city": "San Francisco"')
WHERE customer_id = 1;

XPath ライブラリ

XPathは、XMLおよびJSONデータを操作するための標準的な言語です。MariaDBは、XPath モジュールを介してXPath機能をサポートしています。

長所

  • 多くのライブラリとツールが利用可能です。
  • 複雑なJSON構造を処理するのに適しています。
  • 標準的で広く使用されているテクノロジー。

短所

  • JSON関数よりもパフォーマンスが劣る場合がある。
  • 追加のライブラリをインストールする必要がある。


-- JSON文字列から価格を抽出する
SELECT JSON_VALUE(description, '//price/text()')
FROM products;

-- JSONオブジェクトに新しいフィールドを追加する
UPDATE customers
SET address = JSON_SET(address, '$.city', 'San Francisco')
WHERE customer_id = 1;

カスタム関数

独自のロジックや複雑な処理が必要な場合は、カスタム関数を作成することができます。

長所

  • コードを再利用して、メンテナンスを容易にすることができます。
  • 特定のニーズに合わせた柔軟なソリューションを提供します。

短所

  • パフォーマンスが問題になる可能性がある。
  • デバッグが難しい場合がある。
  • 開発とテストに時間がかかる。


CREATE FUNCTION get_product_price(json_string VARCHAR(255))
RETURNS DECIMAL(10,2)
BEGIN
    DECLARE price DECIMAL(10,2);
    SET price = JSON_VALUE(json_string, '$.price');
    RETURN price;
END;

SELECT product_id, get_product_price(description) AS price
FROM products;

サードパーティ製ライブラリ

JSONデータを操作するための機能を提供するサードパーティ製ライブラリがいくつかあります。

長所

  • 複雑なタスクに対処するのに役立ちます。
  • 開発時間を短縮できます。
  • テスト済みで、多くの場合、よく使用される機能が用意されています。

短所

  • パフォーマンスが問題になる可能性がある。
  • セキュリティと互換性の問題が発生する可能性があります。
  • ライブラリの使用方法を習得する必要がある。


-- https://github.com/mysql/mysql-connector-java/blob/master/src/com/mysql/cj/util/json/JsonbJackson.java から JsonbJackson ライブラリをインストールしてロードします。

-- JSON文字列から価格を抽出する
SELECT jsonb_extract(description, '$.price')
FROM products;

-- JSONオブジェクトに新しいフィールドを追加する
UPDATE customers
SET address = jsonb_set(address, '$.city', 'San Francisco')
WHERE customer_id = 1;

最適な代替方法を選択

最適な代替方法は、特定のニーズと要件によって異なります。

  • パフォーマンスが重要
    カスタム関数は、最適化されたソリューションを提供できますが、開発とテストに時間がかかります。
  • 複雑な操作
    XPathライブラリまたはサードパーティ製ライブラリが、より多くの機能と柔軟性を提供します。
  • シンプルな操作
    手動の文字列操作が簡単な解決策を提供します。

それぞれのオプションの長所と短所を比較検討し、状況に最も適したアプローチを選択することが重要です。

  • [MariaDB JSON 関数リファレンス](https