HTMX.closest()：要素関係性を効率化するJavaScript API

具体的な仕組み

HTMX.closest() は、引数として 対象要素 と CSS セレクタ を受け取り、以下の手順を実行します。

1. 対象要素 から 親要素 を順に辿っていきます。
2. 各親要素 に対して、指定された CSS セレクタ にマッチするかを判定します。
3. マッチする最初の親要素 を見つけたら、それを 結果として返します。
4. マッチする親要素が見つからない場合 は、null を返します。

例：最寄りの行要素を見つける

<table id="my-table">
  <tr>
    <td>データ1</td>
    <td>データ2</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>データ3</td>
    <td>データ4</td>
  </tr>
</table>

<button hx-target="closest tr" hx-action="delete">削除</button>

上記の例では、削除ボタン がクリックされた際に、HTMX.closest() を用いて 最寄りの行要素 を探し出し、削除処理 を実行しています。

主な利用例

HTMX.closest() は、様々な場面で活用できます。以下に、代表的な利用例をいくつか紹介します。

• フォームデータの収集
  フォーム要素から送信されたデータに加え、最寄りの親要素に含まれるデータも収集する。
• DOM 操作における要素参照
  特定の要素から最も近い親要素を取得し、その要素に対してスタイル変更や属性操作を行う。
• イベント処理における要素特定
  特定の要素をクリックした際に、その要素の親要素に基づいて処理を実行する。

HTMX.closest() を利用することで、以下の利点が得られます。

• パフォーマンスの向上
  ネイティブの JavaScript API を用いるよりも、パフォーマンスが向上する場合があります。
• メンテナンス性の向上
  コードの可読性が高まり、後のメンテナンスが容易になります。
• コードの簡潔化
  CSS セレクタを用いることで、複雑な DOM 操作をシンプルに記述できます。

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例1：最寄りの行要素を削除する

<table>
  <tr>
    <td>データ1</td>
    <td>データ2</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>データ3</td>
    <td>データ4</td>
  </tr>
</table>

<button hx-target="closest tr" hx-action="delete">削除</button>

この例では、削除ボタン がクリックされた際に、HTMX.closest() を用いて 最寄りの行要素 を探し出し、削除処理 を実行しています。

JavaScript コード

htmx.on('hx-action:delete', (event) => {
  const row = event.target.closest('tr');
  row.parentNode.removeChild(row);
});

例2：最寄りの親要素の背景色を変更する

<div class="container">
  <div class="item">コンテンツ1</div>
  <div class="item">コンテンツ2</div>
</div>

<button hx-target="closest .container" hx-action="style">背景色変更</button>

この例では、背景色変更ボタン がクリックされた際に、HTMX.closest() を用いて 最寄りの .container 要素 を探し出し、背景色を変更 しています。

JavaScript コード

htmx.on('hx-action:style', (event) => {
  const container = event.target.closest('.container');
  container.style.backgroundColor = 'red';
});

<form id="my-form">
  <label for="name">名前：</label>
  <input type="text" id="name" name="name">

  <label for="email">メールアドレス：</label>
  <input type="email" id="email" name="email">

  <button type="submit">送信</button>
</form>

<div hx-target="#my-form" hx-action="submit">
  <p>名前：{{ name }}</p>
  <p>メールアドレス：{{ email }}</p>
</div>

この例では、送信ボタン がクリックされた際に、HTMX.closest() を用いて 最寄りのフォーム要素 を探し出し、フォームデータ を取得して 新しい DOM 要素に反映 しています。

htmx.on('hx-action:submit', (event) => {
  const form = event.target.closest('form');
  const name = form.querySelector('#name').value;
  const email = form.querySelector('#email').value;

  const resultDiv = document.querySelector('.result');
  resultDiv.innerHTML = `
    <p>名前：${name}</p>
    <p>メールアドレス：${email}</p>
  `;
});

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parentNode 属性

• 欠点:
  • 一つ上の親要素しか取得できない
  • 複雑な条件には不向き
• 利点:
  • シンプルで分かりやすい構文
  • 軽量で高速

例

const closestParent = element.parentNode;

querySelectorAll() メソッド

• 欠点:
  • HTMX.closest() よりもパフォーマンスが劣る場合がある
  • 余計な要素を取得してしまう可能性がある
• 利点:
  • 任意の CSS セレクタに基づいて親要素を検索できる
  • 複数の一致要素を処理できる

例

const closestParent = element.querySelectorAll('.container')[0];

jQuery ライブラリ

• 欠点:
  • HTMX よりも読み込み速度が遅くなる
  • 別途ライブラリの読み込みが必要
• 利点:
  • HTMX.closest() と同様の機能に加え、より多くのユーティリティを提供
  • 複雑な DOM 操作を簡潔に記述できる

例

const closestParent = $(element).closest('.container');

カスタム JavaScript コード

• 欠点:
  • 開発・テスト・デバッグが複雑になる
  • コード量が増加する
• 利点:
  • 完全な柔軟性と制御性
  • 独自のロジックを実装できる

例

function findClosestParent(element, selector) {
  while (element && !element.matches(selector)) {
    element = element.parentNode;
  }
  return element;
}

const closestParent = findClosestParent(element, '.container');

最適な代替方法の選択

HTMX.closest() の代替方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。

• 開発・保守性
  シンプルで分かりやすいコードを維持したい場合は、parentNode 属性や HTMX.closest() を検討してください。
• 機能性
  複雑な条件や複数の一致要素を処理する必要がある場合は、querySelectorAll() メソッドやカスタム JavaScript コードが必要になります。
• パフォーマンス
  パフォーマンスが重要な場合は、parentNode 属性や querySelectorAll() メソッドなどの軽量なオプションを検討してください。