フォーム送信をスムーズに!HTMX「hx-sync」属性で同期処理をマスター


属性の構文

hx-sync="セレクタ[:同期戦略]"

構成要素

  1. セレクタ: 同期対象となる要素を指定するCSSセレクタです。
  2. オプションの同期戦略: コロン(:)で区切って指定し、リクエストの同期方法を定義します。(省略可)

同期戦略

  • passthrough: 同期対象要素からのリクエストに関わらず、要素自身からのリクエストを実行します。
  • queue: 同期対象要素からのリクエストが実行中に、要素自身からのリクエストをキューに格納します。
    • queue first: キューの先頭に格納します。(デフォルト)
    • queue last: キューの末尾に格納します。
  • abort: 同期対象要素からのリクエストが実行中に、要素自身からのリクエストを中止します。

具体的な使用例

以下の例では、input要素に hx-sync 属性を使用して、フォーム全体のリクエストと同期させています。

<form>
  <input type="text" hx-sync="closest form:abort">
  <button type="submit">送信</button>
</form>

この例では、input 要素に入力して送信しようとすると、まずフォーム全体のリクエストが送信されます。もしフォーム全体のリクエストが実行中の場合、input 要素からのリクエストは中止されます。これは、フォーム全体のリクエストが完了する前に個別の入力値を送信することを防ぎます。

hx-sync 属性は、複雑なフォームやアプリケーションにおけるリクエストの同期を容易にするために役立ちます。

  • hx-sync 属性は、HTMX 1.1以降で使用できます。


<form>
  <input type="text" hx-sync="closest form:abort">
  <button type="submit">送信</button>
</form>

説明

  • これは、フォーム全体のリクエストが完了する前に個別の入力値を送信することを防ぎます。
  • もしフォーム全体のリクエストが実行中の場合、input 要素からのリクエストは中止されます。
  • この例では、input 要素に入力して送信しようとすると、まずフォーム全体のリクエストが送信されます。

キューイングによる同期

以下の例では、input 要素に hx-sync 属性を使用して、フォーム全体のリクエストと同期させ、キューイング戦略を使用しています。

<form>
  <input type="text" hx-sync="closest form:queue first">
  <button type="submit">送信</button>
</form>

説明

  • フォーム全体のリクエストが完了すると、キューに格納された input 要素からのリクエストが順番に実行されます。
  • もしフォーム全体のリクエストが実行中の場合、input 要素からのリクエストはキューに格納されます。
  • この例では、input 要素に入力して送信しようとすると、まずフォーム全体のリクエストが送信されます。

同期対象要素からのリクエストを無視する

以下の例では、input 要素に hx-sync 属性を使用して、フォーム全体からのリクエストを無視するように設定しています。

<form>
  <input type="text" hx-sync="closest form:passthrough">
  <button type="submit">送信</button>
</form>

説明

  • これは、個別の入力値を即座に送信が必要な場合に役立ちます。
  • この例では、input 要素に入力して送信しようとすると、フォーム全体のリクエストに関わらず、input 要素からのリクエストが送信されます。

複数の同期対象要素を指定する

以下の例では、input 要素に hx-sync 属性を使用して、複数の同期対象要素を指定しています。

<div id="container">
  <input type="text" hx-sync="#container .submit-button:abort">
  <button class="submit-button">送信</button>
  <button class="other-button">その他</button>
</div>

説明

  • .other-button 要素からのリクエストは無視されます。
  • この例では、input 要素に入力して送信しようとすると、#container 内の .submit-button 要素からのリクエストと同期されます。

動的な同期対象要素を指定する

以下の例では、input 要素に hx-sync 属性を使用して、JavaScriptで動的に同期対象要素を設定しています。

<script>
  const input = document.querySelector('input');
  const form = document.querySelector('form');

  input.addEventListener('keyup', () => {
    if (input.value.length > 5) {
      input.setAttribute('hx-sync', form);
    } else {
      input.removeAttribute('hx-sync');
    }
  });
</script>

<form>
  <input type="text">
  <button type="submit">送信</button>
</form>
  • これにより、長い入力値のみフォーム全体のリクエストと同期されます。
  • 入力値が5文字以下になると、hx-sync 属性が削除されます。
  • この例では、input 要素に入力値が5文字を超えると、hx-sync 属性にフォーム要素が設定されます。


代替手段の選択肢

  1. JavaScriptによる同期処理: hx-trigger 属性や hx-init 属性と組み合わせて、JavaScriptで同期処理を記述することができます。これは、より柔軟な制御と複雑なロジックが必要な場合に適しています。
  2. サーバサイドの同期処理: サーバ側でリクエストを制御することで、クライアント側の同期処理を回避することができます。これは、パフォーマンスやセキュリティ上の理由でクライアント側の処理を避けたい場合に適しています。

具体的な代替例

JavaScriptによる同期処理

以下の例では、hx-trigger 属性とJavaScriptを使用して、フォーム送信時に別の要素のリクエストを同期させています。

<form>
  <input type="text">
  <button type="submit" hx-trigger="submit .other-element">送信</button>
</form>

<div class="other-element">
  <button hx-get="/data">データ取得</button>
</div>

<script>
  const form = document.querySelector('form');
  const otherElement = document.querySelector('.other-element');

  form.addEventListener('submit', () => {
    if (otherElement.querySelector('button').classList.contains('active')) {
      event.preventDefault();
      return;
    }

    otherElement.querySelector('button').classList.add('active');
  });

  otherElement.querySelector('button').addEventListener('hx-done', () => {
    otherElement.querySelector('button').classList.remove('active');
  });
</script>

説明

  • これは、フォーム送信と別の要素のリクエストを順番に実行する簡単な方法です。
  • リクエストが完了するまで、フォーム送信ボタンは無効化されます。
  • この例では、フォーム送信時に .other-element 内のボタンをクリックすると、/data エンドポイントへのリクエストが送信されます。

サーバサイドの同期処理

サーバサイドの同期処理は、フレームワークや言語によって実装方法が異なります。ここでは、一般的な概念のみ説明します。

  • クライアント側では、レスポンスを受信してから、必要な処理を実行します。
  • リクエストを受信したサーバは、他の必要な処理を実行してから、レスポンスを返します。

別のライブラリの使用

他のライブラリを使用する場合は、そのライブラリのドキュメントを参照してください。多くのライブラリは、独自の同期メカニズムを提供しています。

最適な代替手段の選択

最適な代替手段は、具体的なニーズによって異なります。

  • 使いやすさ: HTMX以外のライブラリ
  • パフォーマンスやセキュリティが重要: サーバサイドの同期処理
  • 柔軟性と制御が必要: JavaScriptによる同期処理

それぞれの方法を比較検討し、状況に合ったものを選択することが重要です。

  • 新しい機能が追加された場合は、hx-sync 属性よりも優れた代替手段となる可能性があります。
  • HTMXは比較的新しいライブラリであり、今後機能が追加される可能性があります。