プログラミング初心者でもわかる!CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECKでメモリリークをデバッグ
構文
set(CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK "<command1> <command2> ...")
例
set(CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK "valgrind --leak-check=full --track-fds=yes --log-file=valgrind.log")
この例では、valgrind
メモリチェッカーツールを使用してメモリリークとファイル記述子の追跡を有効にし、ログファイルを valgrind.log
に出力するように設定しています。
機能
利点
注意点
CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK
で指定するコマンドは、テストを実行するシステムで利用可能である必要があります。また、これらのコマンドは、テストの実行に影響を与えないように注意する必要があります。
CTEST_MEMCHECK_COMMAND
:ctest_memcheck()
コマンドで使用されるメモリチェッカーツールのパスを指定します。CTEST_CUSTOM_POST_MEMCHECK
:ctest_memcheck()
コマンドを実行した後を実行される一連のコマンドを定義します。
- メモリチェッカーツールに関する詳細については、ツールのドキュメントを参照してください。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyProject)
set(CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK "valgrind --leak-check=full --track-fds=yes --log-file=valgrind.log")
add_executable(MyProgram main.cpp)
add_test(MyProgramTest MyProgram)
このコードは、次のようになります。
- CMake のバージョン 3.10 以降を必要とすることを宣言します。
MyProject
という名前のプロジェクトを作成します。CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK
変数にvalgrind
コマンドを設定します。このコマンドは、メモリリークとファイル記述子の追跡を有効にし、ログファイルをvalgrind.log
に出力するように設定します。main.cpp
ファイルからMyProgram
という名前の実行可能ファイルを作成します。MyProgramTest
という名前のテストを追加します。このテストはMyProgram
実行可能ファイルを実行します。
このコードを実行するには、次のコマンドを実行します。
cmake .
make
ctest
このコマンドは、まず CMake を使用してプロジェクトをビルドします。次に、make
を使用して実行可能ファイルを作成します。最後に、ctest
を使用してテストを実行します。
代替方法
以下に、CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK
の代替方法をいくつか紹介します。
- テストフレームワークの機能: 一部のテストフレームワークには、メモリリーク検出機能が組み込まれています。たとえば、Boost Test フレームワークには、
BOOST_TEST_ASSERT_NO_LEAKS
マクロを使用してメモリリークを検出する機能があります。 - メモリチェッカーツールを直接使用:
valgrind
やAddressSanitizer
などのメモリチェッカーツールを直接使用できます。これらのツールは、CMake ではなく、独自のオプションと設定を使用して実行されます。
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK | CMake に簡単に統合できる | テストの実行に影響を与える可能性がある |
メモリチェッカーツールを直接使用 | 高度な制御とカスタマイズが可能 | CMake との統合が難しい場合がある |
テストフレームワークの機能 | テストフレームワークに簡単に統合できる | すべてのテストフレームワークで利用できるわけではない |
静的解析ツール | コードレビュープロセスに簡単に統合できる | 誤検知が発生する可能性がある |
最適な方法の選択
最適な方法は、プロジェクトのニーズと要件によって異なります。メモリリーク検出をテスト実行の一部として簡単に統合したい場合は、CTEST_CUSTOM_PRE_MEMCHECK
が良い選択肢です。より高度な制御とカスタマイズが必要な場合は、メモリチェッカーツールを直接使用することを検討してください。テストフレームワークに組み込まれたメモリリーク検出機能を使用できる場合は、それが最も簡単なオプションになる可能性があります。コードレビュープロセスでメモリリークを検出したい場合は、静的解析ツールが役立ちます。
- 利用可能なリソース
- チームの経験とスキル
- 使用しているテストフレームワーク
- プロジェクトの規模と複雑性