C++/Objective-C開発の必須ツール! CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTSでメモリ問題を徹底解決
CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
は、CMake の変数であり、Xcode プロジェクトで生成されるスキームの診断セクションにおいて、「ゾンビオブジェクト」の検出を有効化/無効化します。ゾンビオブジェクトとは、解放されているにもかかわらず、メモリ上に残っているオブジェクトのことを指します。
設定方法
この変数は、CMake の set
コマンドを使用して設定できます。
set(CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS ON/OFF)
OFF
に設定すると、ゾンビオブジェクトの検出が無効化されます。ON
に設定すると、ゾンビオブジェクトの検出が有効化されます。
デフォルト値
デフォルトでは、CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
は OFF
に設定されています。
動作
CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
が ON
に設定されている場合、Xcode でプロジェクトをビルドすると、生成されるスキームの診断セクションに「ゾンビオブジェクト」に関する情報が表示されます。この情報には、ゾンビオブジェクトの数が含まれ、各オブジェクトのアドレスとサイズも表示されます。
利点
CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
を有効化すると、メモリリークの検出に役立ちます。メモリリークは、プログラムがメモリを解放せずにオブジェクトを保持している場合に発生する問題です。メモリリークは、パフォーマンスの低下やメモリの断片化につながる可能性があります。
注意点
CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
を有効化すると、ビルド時間が長くなる可能性があります。これは、Xcode がゾンビオブジェクトを検出するために追加の処理を行う必要があるためです。
例
以下の例では、CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
を ON
に設定して、すべてのターゲットでゾンビオブジェクトの検出を有効化する方法を示します。
set(CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS ON)
関連項目
プログラミングへの応用
CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
変数は、メモリリークの検出とデバッグに役立つツールです。特に、C++ や Objective-C などの言語で開発を行う場合に役立ちます。これらの言語では、メモリ管理を手動で行うため、メモリリークが発生する可能性が高くなります。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
set(CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS ON)
add_executable(mytarget main.cpp)
このコードは、main.cpp
という名前のソースファイルを含む mytarget
という名前の実行可能ファイルを作成します。CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
変数が ON
に設定されているため、Xcode でこのプロジェクトをビルドすると、生成されるスキームの診断セクションに「ゾンビオブジェクト」に関する情報が表示されます。
以下の例は、特定のターゲットに対してのみゾンビオブジェクトの検出を有効化する方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(myproject)
set(CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS OFF)
add_executable(mytarget1 main1.cpp)
set_property(TARGET mytarget1 PROPERTY CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS ON)
add_executable(mytarget2 main2.cpp)
このコードは、main1.cpp
と main2.cpp
という名前のソースファイルを含む mytarget1
と mytarget2
という名前の実行可能ファイルを作成します。CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
変数は OFF
に設定されていますが、mytarget1
ターゲットに対してのみ ON
に設定されています。そのため、Xcode でこのプロジェクトをビルドすると、mytarget1
のスキームの診断セクションにのみ「ゾンビオブジェクト」に関する情報が表示されます。
- ビルド時間を長くなります。
- すべてのターゲットに適用されます。
- デフォルトでは無効化されています。
これらの制限を克服するために、CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
の代替方法をいくつか検討する必要があります。
Xcode の診断設定を使用する
Xcode には、ゾンビオブジェクトの検出を有効化するための診断設定が用意されています。この設定を使用するには、以下の手順を実行します。
- Xcode でプロジェクトを開きます。
- ターゲットを選択します。
- ビルド設定を開きます。
- 検索バーに「ゾンビ」と入力します。
Zombie Objects
設定を見つけます。- この設定を
Yes
に設定します。
この方法を使用すると、選択したターゲットに対してのみゾンビオブジェクトの検出を有効化できます。また、ビルド時間を短縮できます。
AddressSanitizer (ASan) を使用する
- CMakeLists.txt ファイルで、以下の行を追加します。
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -fsanitize=address")
- Xcode でプロジェクトを開きます。
- ターゲットを選択します。
- ビルド設定を開きます。
- 検索バーに「AddressSanitizer」と入力します。
AddressSanitizer
設定を見つけます。- この設定を
Yes
に設定します。
ASan を使用すると、ゾンビオブジェクトを含むメモリリークを検出できます。ただし、ASan はビルド時間を大幅に増加させる可能性があります。
LeakSanitizer (LSan) を使用する
LeakSanitizer (LSan) は、メモリリークを検出するための別のツールです。LSan を使用するには、以下の手順を実行します。
- CMakeLists.txt ファイルで、以下の行を追加します。
set(CMAKE_CXX_FLAGS "${CMAKE_CXX_FLAGS} -fsanitize=leak")
- Xcode でプロジェクトを開きます。
- ターゲットを選択します。
- ビルド設定を開きます。
- 検索バーに「LeakSanitizer」と入力します。
LeakSanitizer
設定を見つけます。- この設定を
Yes
に設定します。
LSan は、ゾンビオブジェクトを含むメモリリークを検出できます。ASan と同様に、LSan もビルド時間を増加させる可能性があります。
静的コード分析ツールを使用する
静的コード分析ツールは、コードを解析して潜在的な問題を検出するツールです。これらのツールを使用して、メモリリークにつながる可能性のある問題を検出できます。
静的コード分析ツールの例をいくつか紹介します。
静的コード分析ツールは、ゾンビオブジェクトを直接検出するものではありませんが、メモリリークにつながる可能性のある問題を検出することで、ゾンビオブジェクトの発生を防ぐのに役立ちます。
CMAKE_XCODE_SCHEME_ZOMBIE_OBJECTS
変数は、ゾンビオブジェクトの検出を有効化するための便利なツールですが、いくつかの制限があります。これらの制限を克服するために、上記の代替方法を検討する必要があります。