CMake: Xcodeスキームのワーキングディレクトリを自在に設定 - CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY徹底解説
CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY
は、CMake で生成される Xcode スキーム内の "Run" と "Profile" アクションのワーキングディレクトリを指定するために使用される変数です。 この変数は CMake 3.17 で導入されました。
設定方法
この変数は、ターゲットを作成する際に設定できます。 以下の例をご覧ください。
target_link_libraries(my_target PRIVATE some_library)
target_property(my_target XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY "/path/to/working/directory")
この例では、my_target
ターゲットの "Run" と "Profile" アクションのワーキングディレクトリが /path/to/working/directory
に設定されます。
動作
CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY
変数が設定されている場合、CMake は Xcode スキームを生成する際にその値を使用します。 これは、"Run" と "Profile" アクションのワーキングディレクトリプロパティに設定されます。
利点
この変数を使用すると、Xcode でアプリケーションを実行またはプロファイリングする際に、ワーキングディレクトリを簡単に設定できます。 これにより、ユーザーはアプリケーションを実行する前に手動でワーキングディレクトリを変更する必要がなくなります。
注意点
CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY
変数は、Xcode 3.17 以降でのみ使用できます。 それ以前のバージョンの CMake を使用している場合は、この変数を使用できません。
例
以下の例は、CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY
変数を使用して、アプリケーションのワーキングディレクトリを /path/to/app/data
に設定する方法を示します。
cmake_minimum_required(VERSION 3.17)
project(my_app)
set(SOURCE_FILES main.cpp)
set(CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY "/path/to/app/data")
target_link_libraries(my_app PRIVATE some_library)
target_property(my_target XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY "/path/to/app/data")
add_executable(my_app ${SOURCE_FILES})
cmake_minimum_required(VERSION 3.17)
project(my_app)
set(SOURCE_FILES main.cpp)
set(CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY "/path/to/app/data")
target_link_libraries(my_app PRIVATE some_library)
target_property(my_target XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY "/path/to/app/data")
add_executable(my_app ${SOURCE_FILES})
このコードの説明
cmake_minimum_required(VERSION 3.17)
: CMake の最小バージョンを 3.17 に設定します。project(my_app)
: プロジェクトの名前をmy_app
に設定します。set(SOURCE_FILES main.cpp)
: ビルド対象となるソースファイルをmain.cpp
に設定します。set(CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY "/path/to/app/data")
: アプリケーションの実行ディレクトリを/path/to/app/data
に設定します。target_link_libraries(my_app PRIVATE some_library)
: ターゲットmy_app
にライブラリsome_library
をリンクします。target_property(my_target XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY "/path/to/app/data")
: ターゲットmy_app
の Xcode スキームのワーキングディレクトリを/path/to/app/data
に設定します。add_executable(my_app ${SOURCE_FILES})
:main.cpp
ファイルを使用して実行可能ファイルmy_app
を作成します。
- Xcode スキームの "Run" と "Profile" アクションのワーキングディレクトリは
/path/to/app/data
に設定されます。 - CMake は Xcode スキームを生成します。
- CMake は
some_library
ライブラリをmy_app
ターゲットにリンクします。 - CMake は
main.cpp
ファイルをビルドします。 - CMake は
my_app
という名前のプロジェクトを作成します。
- 条件付きでワーキングディレクトリを設定するには、
if
ステートメントを使用できます。 - 複数のターゲットにワーキングディレクトリを設定するには、各ターゲットに対して
target_property
コマンドを個別に呼び出します。 CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY
変数を別のディレクトリに設定するには、そのディレクトリのパスを"/path/to/app/data"
に置き換えます。
- ターゲットごとにしか設定できません。
- Xcode 3.17 以降でのみ使用できます。
これらの制限を回避するために、以下の代替方法を使用できます。
Xcode プロジェクトファイルを直接編集する
Xcode プロジェクトファイルを直接編集して、"Run" と "Profile" アクションのワーキングディレクトリを設定できます。 これは、以下の手順で行います。
- Xcode でプロジェクトを開きます。
- ターゲットを選択します。
- "ビルド設定" タブを選択します。
- "展開" > "展開" を選択して、すべての設定を表示します。
- "Run" または "Profile" アクションの "ワーキングディレクトリ" 設定を見つけます。
- 希望するワーキングディレクトリのパスを入力します。
CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY を使用する
CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY
変数は、アプリケーションの実行ディレクトリを設定するために使用できます。 この変数は、CMAKE_XCODE_SCHEME_WORKING_DIRECTORY
変数よりも汎用性が高く、以下の利点があります。
- ターゲットだけでなく、プロジェクト全体に設定できます。
- Xcode 3.17 以前のバージョンの CMake で使用できます。
CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY
を使用してワーキングディレクトリを設定するには、以下の例をご覧ください。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(my_app)
set(SOURCE_FILES main.cpp)
set(CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY "/path/to/working/directory")
target_link_libraries(my_app PRIVATE some_library)
add_executable(my_app ${SOURCE_FILES})
この例では、my_app
アプリケーションは /path/to/working/directory
ディレクトリで実行されます。
カスタム Xcode ビルドステップを作成する
カスタム Xcode ビルドステップを作成して、アプリケーションのワーキングディレクトリを設定できます。 これは、以下の手順で行います。
- Xcode でプロジェクトを開きます。
- ターゲットを選択します。
- "ビルドフェーズ" タブを選択します。
- "+" ボタンをクリックして、新しいビルドフェーズを追加します。
- "シェルスクリプト" を選択します。
- 以下のスクリプトを入力します。
#!/bin/bash
cd "/path/to/working/directory"
./my_app
このスクリプトは、/path/to/working/directory
ディレクトリに移動し、my_app
アプリケーションを実行します。
どの方法を選択するべきですか?
どの方法を選択するかは、ニーズによって異なります。
- 高度な制御
カスタム Xcode ビルドステップを作成する - 柔軟性と互換性
CMAKE_RUNTIME_DIRECTORY
を使用する - シンプルで簡単な方法
Xcode プロジェクトファイルを直接編集する
- ワーキングディレクトリにスペースが含まれている場合は、引用符で囲む必要があります。
- ワーキングディレクトリを設定する場合は、そのディレクトリが存在し、アプリケーションに必要なアクセス許可があることを確認してください。