Xcode でメモリ使用量を分析する： CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK の活用

CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK は、CMake の変数の一つであり、Xcode プロジェクトのスキームファイル（*.xcproject）における "Malloc Stack" 設定を制御します。この設定は、メモリ割り当てのデバッグに役立つ情報を生成します。

詳細

CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK は、以下の値を設定できます。

FALSE: Malloc Stack を無効にする
TRUE: Malloc Stack を有効にする

デフォルト値は FALSE です。

使用方法

CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK 変数は、CMake の target_properties コマンドを使用して設定できます。以下の例は、すべてのターゲットに対して Malloc Stack を有効にする方法を示します。

set(CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK TRUE)

特定のターゲットに対してのみ Malloc Stack を有効にする場合は、以下の例のように target_properties コマンドにターゲット名を指定できます。

target_properties(my_target PROPERTIES XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK TRUE)

効果

CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK が TRUE に設定されている場合、Xcode スキームファイルには、Malloc Stack に関する以下の設定が追加されます。

Breakpoints: Malloc Stack 情報に基づいてブレークポイントを設定できます。
Diagnostics: Malloc Stack 情報を含む "Malloc" カテゴリが追加されます。

利点

Malloc Stack を有効にすることで、以下の利点が得られます。

パフォーマンス問題の診断に役立つ
メモリ使用量の分析に役立つ
メモリリークの特定とデバッグが容易になる

注意点

Malloc Stack を有効にすると、ビルド時間が長くなる場合があります。また、デバッグ情報が多くなるため、実行ファイルのサイズも大きくなります。

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(my_project)

set(CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK TRUE)

add_executable(my_target main.cpp)

特定のターゲットに Malloc Stack を有効にする

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(my_project)

target_properties(my_target PROPERTIES XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK TRUE)

add_executable(my_target main.cpp)

説明

上記のコード例は、以下の内容を示しています。

cmake_minimum_required コマンドを使用して、CMake の最小バージョンを 3.10 に設定します。
project コマンドを使用して、プロジェクトの名前を "my_project" に設定します。
set コマンドを使用して、CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK 変数を TRUE に設定します。
add_executable コマンドを使用して、my_target という名前の実行可能ファイルターゲットを作成します。
target_properties コマンドを使用して、my_target ターゲットに対して XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK プロパティを TRUE に設定します。

これらのコード例を実行すると、以下のようになります。

my_target ターゲットにのみ Malloc Stack が有効になります (2番目のコード例の場合)
全ターゲットに Malloc Stack が有効になります (最初のコード例の場合)

上記のコード例は、あくまでも例であり、実際のプロジェクトでは必要に応じて変更する必要があります。

代替方法

Xcode の設定を使用する
Xcode の設定を使用して、Malloc Stack を有効にすることもできます。以下の手順を実行します。
1. Xcode でプロジェクトを開きます。
2. ターゲットを選択します。
3. "Build Settings" タブを選択します。
4. "Apple LLVM Compiler - Language C/C++" カテゴリを展開します。
5. "Memory" サブカテゴリを展開します。
6. "Malloc Stack" 設定を "Enable" に設定します。
この方法は、CMake 変数を使用するよりも簡単ですが、プロジェクトごとに設定する必要があるという点に注意してください。

最適な方法の選択

CMAKE_XCODE_SCHEME_MALLOC_STACK を使用するかどうかは、プロジェクトのニーズと開発者の好みによって異なります。以下の点を考慮して、最適な方法を選択してください。

簡便性: Xcode の設定を使用する方法は最も簡単ですが、プロジェクトごとに設定する必要があります。