CMake: target_link_options() とその代替方法を比較徹底! 〜 使い分けをマスターしよう 〜
target_link_options()
コマンドは、CMakeにおいて、ターゲットのリンク段階にオプションを追加するために使用されます。このコマンドは、ターゲットが作成された後にのみ使用できます。
構文
target_link_options(<target> [BEFORE] <INTERFACE|PUBLIC|PRIVATE> [options1...] [<INTERFACE|PUBLIC|PRIVATE> [options2...] ...])
[options1...]
: 追加するオプションをスペースで区切って指定します。<INTERFACE|PUBLIC|PRIVATE>
: オプションのスコープを指定します。INTERFACE
: ターゲットインターフェースに公開されるオプションを指定します。PUBLIC
: ターゲットと依存関係にあるすべてのターゲットに公開されるオプションを指定します。PRIVATE
: ターゲットのみが使用できるオプションを指定します。
[BEFORE]
: オプションを既存のオプションの前に追加するかどうかを指定します。省略可。<target>
: オプションを追加したいターゲットの名前
例
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_options(myprogram PUBLIC "-std=c++11")
この例では、myprogram
ターゲットのリンク段階に-std=c++11
オプションが追加されます。
- オプションの形式は、使用しているコンパイラによって異なる場合があります。
target_link_options()
コマンドは、CMake 3.13以降で使用できます。
プログラミングへの応用
target_link_options()
コマンドは、以下の目的で使用できます。
- ライブラリ検索パスを指定する
- デバッガオプションを指定する
- コンパイルオプションを指定する
これらのオプションは、ターゲットのビルド方法と動作に影響を与える可能性があります。
コンパイルオプションを指定する
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_options(myprogram PUBLIC "-std=c++11" "-Wall")
この例では、myprogram
ターゲットのリンク段階に-std=c++11
と-Wall
オプションが追加されます。-std=c++11
オプションは、C++11標準でコンパイルすることを指定し、-Wall
オプションは、すべての警告を表示することを指定します。
デバッガオプションを指定する
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_options(myprogram PUBLIC "-g" "-fsanitize=address")
この例では、myprogram
ターゲットのリンク段階に-g
と-fsanitize=address
オプションが追加されます。-g
オプションは、デバッガ情報を出力することを指定し、-fsanitize=address
オプションは、メモリリークなどのアドレス関連のエラーを検出することを指定します。
ライブラリ検索パスを指定する
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram PRIVATE "/usr/local/lib/mylib.a")
target_link_options(myprogram PRIVATE "-L/usr/local/lib")
この例では、myprogram
ターゲットに"/usr/local/lib/mylib.a"
ライブラリをリンクし、/usr/local/lib
ディレクトリをライブラリ検索パスに追加します。
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_options(myprogram PUBLIC "-Wl,--verbose")
この例では、myprogram
ターゲットのリンク段階に-Wl,--verbose
オプションが追加されます。このオプションは、リンカの動作の詳細な出力を表示することを指定します。
- オプションの形式は、使用しているコンパイラによって異なる場合があります。
target_link_options()
コマンドは、CMake 3.13以降で使用できます。- 上記のコードはあくまで例であり、実際のプロジェクトでは状況に応じて変更する必要があります。
target_compile_options() コマンド
target_compile_options()
コマンドは、ターゲットのコンパイル段階にオプションを追加するために使用されます。このコマンドで指定したオプションは、ターゲットのソースコードがコンパイルされる際に適用されます。
特徴
- リンク段階でのオプション適用には不向き
- コンパイル段階でのみオプションを適用できる
例
add_executable(myprogram main.cpp)
target_compile_options(myprogram PUBLIC "-std=c++11")
target_compile_features() コマンド
target_compile_features()
コマンドは、ターゲットのコンパイル段階で特定のコンパイラ機能を有効化するために使用されます。このコマンドで指定した機能は、ターゲットのソースコードがコンパイルされる際に有効化されます。
特徴
- オプションよりも詳細な制御が可能
- コンパイル段階でのみ機能を有効化できる
例
add_executable(myprogram main.cpp)
target_compile_features(myprogram PUBLIC c++11)
ターゲットプロパティの設定
一部のオプションは、ターゲットプロパティを設定することで指定することができます。例えば、CXX_STANDARD
プロパティを設定することで、コンパイラ標準を指定することができます。
特徴
- 一部のオプションのみ適用可能
- シンプルで分かりやすい
例
set(CMAKE_CXX_STANDARD 11)
add_executable(myprogram main.cpp)
インクルードディレクトリの指定
ライブラリヘッダーファイルへのパスを指定することで、リンカがライブラリを見つけられるようにすることができます。これは、target_include_directories()
コマンドを使用して行います。
特徴
- オプションよりも明確
- ライブラリヘッダーファイルへのパスを直接指定できる
例
add_executable(myprogram main.cpp)
target_include_directories(myprogram PUBLIC "/usr/local/include")
ライブラリのリンク
ライブラリを直接ターゲットにリンクすることで、そのライブラリに必要なオプションが自動的に設定されます。これは、target_link_libraries()
コマンドを使用して行います。
特徴
- ライブラリに必要なオプションを自動的に設定
- シンプルで分かりやすい
例
add_executable(myprogram main.cpp)
target_link_libraries(myprogram mylib)
target_link_options()
コマンド以外にも、ターゲットのリンク段階にオプションを追加するための代替方法はいくつかあります。それぞれの方法には長所と短所があるため、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
- オプションの形式は、使用しているコンパイラによって異なる場合があります。
- 上記の代替方法は、CMake 3.0以降で使用できます。