CMakeの「using-dependencies」を徹底解説!サンプルコード付き
依存関係の種類
CMakeでは、主に以下の2種類の依存関係を扱います。
- ライブラリ依存関係
プロジェクトが他のライブラリに依存している場合に設定します。 - ターゲット依存関係
あるターゲットが別のターゲットのビルド結果に依存している場合に設定します。
依存関係の指定方法
ライブラリ依存関係
ライブラリ依存関係は、target_link_libraries
コマンドを使用して指定します。このコマンドには、プロジェクトが依存するライブラリの名前をリストとして渡します。
target_link_libraries(my_target foo bar)
上記の例では、my_target
ターゲットはfoo
ライブラリとbar
ライブラリに依存します。
ターゲット依存関係
ターゲット依存関係は、add_dependencies
コマンドを使用して指定します。このコマンドには、依存するターゲットの名前をリストとして渡します。
add_dependencies(my_target other_target)
上記の例では、my_target
ターゲットはother_target
ターゲットのビルド結果に依存します。
依存関係の自動検出
CMakeは、一部のライブラリに対しては依存関係を自動的に検出することができます。これは、find_package
コマンドを使用して行います。
find_package(foo REQUIRED)
上記の例では、CMakeはfoo
ライブラリを自動的に検出し、その依存関係を設定します。
依存関係のグラフ可視化
CMakeは、依存関係をグラフとして可視化することができます。これは、cmake --graphviz
コマンドを使用して行います。
cmake --graphviz > dependency_graph.dot
生成されたdependency_graph.dot
ファイルをGraphvizを使用して可視化することができます。
CMakeは、依存関係に関する様々な高度な機能を提供します。
- サブディレクトリの依存関係
- インターフェースライブラリ
- 静的ライブラリと共有ライブラリ
- 条件付き依存関係
これらの機能の詳細については、CMakeの公式ドキュメントを参照してください。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(my_project)
add_executable(my_program main.cpp)
target_link_libraries(my_program foo bar)
このコードは以下のようになります。
- CMakeの最低バージョンを3.10に設定します。
- プロジェクトの名前を
my_project
に設定します。 main.cpp
ファイルから実行ファイルmy_program
を作成します。my_program
ターゲットがfoo
ライブラリとbar
ライブラリに依存することを指定します。
以下のコードは、my_target
ターゲットがother_target
ターゲットのビルド結果に依存する方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(my_project)
add_executable(my_target target.cpp)
add_executable(other_target other.cpp)
add_dependencies(my_target other_target)
- CMakeの最低バージョンを3.10に設定します。
- プロジェクトの名前を
my_project
に設定します。 target.cpp
ファイルから実行ファイルmy_target
を作成します。other.cpp
ファイルから実行ファイルother_target
を作成します。my_target
ターゲットがother_target
ターゲットのビルド結果に依存することを指定します。
以下のコードは、foo
ライブラリを自動的に検出し、その依存関係を設定する方法を示しています。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(my_project)
find_package(foo REQUIRED)
add_executable(my_program main.cpp)
- CMakeの最低バージョンを3.10に設定します。
- プロジェクトの名前を
my_project
に設定します。 foo
ライブラリを自動的に検出し、その依存関係を設定します。main.cpp
ファイルから実行ファイルmy_program
を作成します。
サブディレクトリとCMakeLists.txtファイルを使用する
プロジェクトをサブディレクトリに分割し、各サブディレクトリに独自のCMakeLists.txtファイルを作成することで、依存関係を管理することができます。この方法は、特に大きな複雑なプロジェクトの場合に有効です。
外部ビルドシステムを使用する
CMake以外にも、プロジェクトのビルドを自動化するためのツールは数多く存在します。Ant、Bazel、Gradleなどがその例です。これらのツールは、それぞれ独自の依存関係管理機能を提供しています。
手動で依存関係を管理する
CMakeを使用せずに、手動で依存関係を管理することも可能です。これは、非常に小規模なプロジェクトの場合や、特定のビルドシステムを使用する必要がある場合に適しています。
どの代替方法を選択するかは、プロジェクトの要件によって異なります。
サブディレクトリとCMakeLists.txtファイルを使用する方法は、柔軟性と制御性に優れていますが、プロジェクトの構成が複雑になる可能性があります。
外部ビルドシステムを使用する方法は、CMakeよりも使い慣れたツールを使用したい場合や、特定の機能が必要な場合に適しています。
手動で依存関係を管理する方法は、最もシンプルですが、時間がかかり、エラーが発生しやすい可能性があります。
代替方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
サブディレクトリとCMakeLists.txtファイルを使用する | 柔軟性と制御性に優れている | プロジェクトの構成が複雑になる可能性がある |
外部ビルドシステムを使用する | 使い慣れたツールを使用できる、特定の機能が利用できる | CMakeよりも習得に時間がかかる場合がある |
手動で依存関係を管理する | シンプル | 時間と労力がかかる、エラーが発生しやすい |
CMakeの「using-dependencies」は、プロジェクトの依存関係を管理するための優れた方法ですが、他の方法で置き換えることも可能です。どの代替方法を選択するかは、プロジェクトの要件によって異なります。