CMake で Objective-C コンパイラフラグを検証：CheckOBJCCompilerFlag 以外の方法

使用方法

CheckOBJCCompilerFlag モジュールを CMakeLists.txt ファイルにロードします。

check_objc_compiler_flag("<flag>" <resultVar>)

<flag> には、検証したいコンパイラフラグを指定します。
<resultVar> には、検証結果を格納する変数を指定します。

例

check_objc_compiler_flag("-fobjc-arc" OBJC_ARC_SUPPORTED)

if(OBJC_ARC_SUPPORTED)
  message(STATUS "Objective-C ARC is supported")
else()
  message(STATUS "Objective-C ARC is not supported")
endif()

この例では、-fobjc-arc フラグが Objective-C コンパイラでサポートされているかどうかを確認します。検証結果は OBJC_ARC_SUPPORTED 変数に格納されます。

オプション

CMAKE_REQUIRED_LIBRARIES 変数を使用して、リンカに渡される追加ライブラリを指定できます。
CMAKE_REQUIRED_LINK_OPTIONS 変数を使用して、リンカに渡される追加オプションを指定できます。
CMAKE_REQUIRED_INCLUDES 変数を使用して、コンパイラに渡される追加ヘッダー検索パスを指定できます。
CMAKE_REQUIRED_DEFINITIONS 変数を使用して、コンパイラに渡される追加定義を指定できます。
CMAKE_REQUIRED_FLAGS 変数を使用して、コンパイラに渡される追加フラグを指定できます。

詳細

キャッシュエントリを強制的に再評価するには、resultVar 変数をキャッシュから削除する必要があります。
キャッシュエントリは、CMake の実行中に再利用されます。
検証結果は、キャッシュエントリとして内部に保存されます。
CheckOBJCCompilerFlag モジュールは、try_compile() 関数を使用してコンパイラフラグを検証します。

利点

CMake のキャッシュ機能を使用して、検証結果を再利用できます。
Objective-C コンパイラが特定のフラグをサポートしているかどうかを簡単に検証できます。

キャッシュエントリは、CMake の実行中にのみ有効です。CMake を再起動すると、キャッシュエントリはクリアされます。
CheckOBJCCompilerFlag モジュールは、フラグが有効かどうかしか確認しません。フラグがどのような効果があるかは確認しません。

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

check_objc_compiler_flag("-fobjc-arc" OBJC_ARC_SUPPORTED)

if(OBJC_ARC_SUPPORTED)
  message(STATUS "Objective-C ARC is supported")
  add_definitions(-fobjc-arc)
else()
  message(STATUS "Objective-C ARC is not supported")
endif()

add_executable(MyProgram main.m)

例 2: Objective-C 2.0 言語機能のサポート確認

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

check_objc_compiler_flag("-fobjc-2.0" OBJC_2_0_SUPPORTED)

if(OBJC_2_0_SUPPORTED)
  message(STATUS "Objective-C 2.0 is supported")
  add_definitions(-fobjc-2.0)
else()
  message(STATUS "Objective-C 2.0 is not supported")
endif()

add_executable(MyProgram main.m)

例 3: 特定の Objective-C ライブラリの存在確認

cmake_minimum_required(VERSION 3.10)

project(MyProject)

check_objc_compiler_flag("-framework Foundation" FOUNDATION_FOUND)

if(FOUNDATION_FOUND)
  message(STATUS "Foundation framework is found")
  link_libraries(Foundation)
else()
  message(STATUS "Foundation framework is not found")
endif()

add_executable(MyProgram main.m)

この例では、-framework Foundation フラグが Objective-C コンパイラでサポートされているかどうかを確認します。検証結果は FOUNDATION_FOUND 変数に格納されます。

これらの例は、CheckOBJCCompilerFlag モジュールの使用方法を説明するためのものです。実際の使用例は、プロジェクトの要件によって異なります。

これらの例は、Linux または macOS システムで動作するように設計されています。Windows システムで動作させるには、一部のコードを修正する必要がある場合があります。
これらの例では、CMake のバージョン 3.10 を使用しています。古いバージョンの CMake を使用している場合は、CMake のドキュメントを参照して、対応する構文を確認してください。

代替方法の例

手動によるコンパイル

try_compile(SOURCE_CODE main.c
           COMPILE_FLAGS "-fobjc-arc"
           RESULT_VARIABLE OBJC_ARC_SUPPORTED)

この例では、main.c ファイルを -fobjc-arc フラグを使用してコンパイルしようとします。コンパイルが成功すれば、OBJC_ARC_SUPPORTED 変数は TRUE に設定されます。

CMake の configure_file コマンド

configure_file(main.c.in main.c COPYONLY)

try_compile(SOURCE_CODE main.c
           COMPILE_FLAGS "-fobjc-arc"
           RESULT_VARIABLE OBJC_ARC_SUPPORTED)

この例では、main.c.in ファイルを main.c ファイルにコピーしてから、-fobjc-arc フラグを使用してコンパイルしようとします。コンパイルが成功すれば、OBJC_ARC_SUPPORTED 変数は TRUE に設定されます。

カスタム CMake モジュール

独自の CMake モジュールを作成して、Objective-C コンパイラが特定のフラグをサポートしているかどうかを検証することもできます。

コードの再利用性
カスタム CMake モジュールは、複数のプロジェクトで再利用できます。
制御性
カスタム CMake モジュールを使用すると、検証プロセスを完全に制御できます。
柔軟性
手動によるコンパイルや configure_file コマンドを使用すると、より柔軟な検証が可能です。
簡便性
CheckOBJCCompilerFlag モジュールは、最も簡便な方法です。