CMakeでQt Installer Frameworkを使ったインストーラーを生成:CPackIFWモジュール徹底解説


  • グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を備えたインストーラーを作成できます。
  • プロジェクトのインストールを準備し、QtIFW ツール用の設定とメタ情報を生成します。
  • QtIFW を使用して、Linux、Windows、Mac OS X 向けのインストーラーを作成します。

CPackIFW を使用する利点

  • インストーラーのカスタマイズオプションが豊富です。
  • GUI を備えたインストーラーを作成できます。
  • クロスプラットフォームのインストーラーを簡単に作成できます。

CPackIFW の使用方法

  1. QtIFW をインストールします。
  2. CMakeLists.txt ファイルで CPackIFW モジュールをロードします。
  3. CPackIFW 変数を使用してインストーラーの動作を制御します。
  4. CPack コマンドを使用してインストーラーを生成します。

CPackIFW 変数

  • CPACK_IFW_TARGET_DIRECTORY
    インストールの既定のターゲットディレクトリ。
  • CPACK_IFW_PACKAGE_START_MENU_DIRECTORY
    Windows のスタートメニューにおける製品の既定のプログラムグループの名前。
  • CPACK_IFW_PACKAGE_LOGO
    QWizard::LogoPixmap として使用されるロゴのファイル名。
  • CPACK_IFW_PACKAGE_WINDOW_ICON
    インストーラーアプリケーション用のカスタムウィンドウアイコンのファイル名 (PNG 形式)。
  • CPACK_IFW_PACKAGE_ICON
    カスタムインストーラーアイコンのファイル名 (.icns (Mac OS X)、.ico (Windows))。
  • CPACK_IFW_PRODUCT_URL
    製品情報を含む Web サイトの URL。
  • CPACK_IFW_PACKAGE_PUBLISHER
    ソフトウェアのパブリッシャー (Windows コントロールパネルに表示されます)。
  • CPACK_IFW_PACKAGE_TITLE
    インストーラーのタイトルバーに表示される名前。
  • CPACK_IFW_VERBOSE
    デバッグ出力を有効にします。

CPackIFW コマンド

  • cpack
    インストーラーを生成します。

以下の例は、CMakeLists.txt ファイルで CPackIFW を使用してシンプルなインストーラーを生成する方法を示します。

cmake_minimum_required(VERSION 3.5)

project(MyProject)

set(CPACK_IFW_PACKAGE_TITLE "My Project")
set(CPACK_IFW_PACKAGE_PUBLISHER "Acme Corporation")
set(CPACK_IFW_PRODUCT_URL "https://www.acme.com/myproject")

install(TARGETS MyProject DESTINATION "${CMAKE_INSTALL_PREFIX}")

cpack(PACKAGE_ENDSITE "${CMAKE_BINARY_DIR}")

この例では、以下のようになります。

  • MyProject ターゲットは "CMAKEI​NSTALLP​REFIX"ディレクトリにインストールされます。∗インストーラーは"{CMAKE_BINARY_DIR}" ディレクトリに生成されます。
  • インストーラーのパブリッシャーは "Acme Corporation" になります。
  • インストーラーのタイトルは "My Project" になります。


cmake_minimum_required(VERSION 3.5)

project(MyProject)

set(CPACK_IFW_PACKAGE_TITLE "My Project")
set(CPACK_IFW_PACKAGE_PUBLISHER "Acme Corporation")
set(CPACK_IFW_PRODUCT_URL "https://www.acme.com/myproject")

install(TARGETS MyProject DESTINATION "${CMAKE_INSTALL_PREFIX}")

# グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を備えたインストーラーを作成
set(CPACK_IFW_CREATE_GUI ON)

# インストーラーの言語を日本語に設定
set(CPACK_IFW_PACKAGE_LANGUAGE "ja")

# インストーラーにファイルを追加
file(COPY "LICENSE.txt" DESTINATION "${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/licenses")
set(CPACK_IFW_PACKAGE_FILE_LIST "${CPACK_IFW_PACKAGE_FILE_LIST} LICENSES.txt")

# インストーラーにコンポーネントを追加
add_component(MyComponent MyProject)
set(CPACK_IFW_COMPONENT_INSTALL_MODE "both")
set(CPACK_IFW_COMPONENT_DEPENDS MyProject)

cpack(PACKAGE_ENDSITE "${CMAKE_BINARY_DIR}")
  • "MyProject" コンポーネントがインストーラーに追加されます。
  • インストーラーのパブリッシャーは "Acme Corporation" になります。
  • インストーラーのタイトルは "My Project" になります。


Qt Installer Framework 単独

  • CPackIFW を使用せずに、Qt Installer Framework を直接使用してインストーラーを生成できます。 これは、より多くの制御と柔軟性を求める場合に適しています。
  • 各ツールには独自の機能と利点があるため、プロジェクトのニーズに合ったものを選択する必要があります。
  • CMake には、CPackIFW 以外にも、InstallShield、Wise Installer、NSIS などのさまざまなインストーラーツール用のモジュールが用意されています。

手動スクリプト

  • 経験豊富な開発者であれば、手動でスクリプトを作成してインストーラーを生成することもできます。 これは、高度なカスタマイズが必要な場合や、特定のツールに制限されたくない場合に適しています。

CPackIFW の代替方法を選択する際の考慮事項

  • 時間とコスト
    CPackIFW は、他のツールよりも迅速かつ簡単に使用できる場合があります。
  • 開発者のスキル
    手動スクリプトを作成するには、スクリプティング言語に関する高度な知識が必要です。
  • 必要な機能
    特定の機能 (例: 進捗状況バー、カスタムダイアログ) が必要な場合は、その機能を提供するツールを選択する必要があります。
  • プロジェクトの複雑さ
    複雑なプロジェクトの場合は、CPackIFW よりも柔軟性の高いツールが必要になる場合があります。
ツール利点欠点
Qt Installer Framework 単独柔軟性が高い、多くの制御が可能複雑、C++ の知識が必要
その他のインストーラーツール特定の機能に特化している場合があるCPackIFW よりも習得が難しい場合がある
手動スクリプト高度なカスタマイズが可能時間と労力がかかる、開発者のスキルが必要