Objective-C++ソースコードのコンパイル・リンク・実行を自動テスト: CheckOBJCXXSourceRunsがもたらす利点
このモジュールは、Objective-C++ プロジェクトでソースコードの動作確認を自動化したい場合に非常に役立ちます。
使い方
CMakeLists.txt
ファイルにCheckOBJCXXSourceRuns
モジュールをロードします。
cmake_minimum_required(VERSION 3.16)
load_module(CheckOBJCXXSourceRuns)
check_objcxx_source_runs
マクロを使用して、テスト対象のソースコードを指定します。
check_objcxx_source_runs(RESULT_VARIABLE source_code)
source_code
は、テスト対象の Objective-C++ ソースコードを含むファイルパスです。RESULT_VARIABLE
は、テスト結果を格納する変数名です。
オプション
ARGS
変数を使用して、実行時に渡す引数を指定できます。LINK_FLAGS
変数を使用して、リンク時に使用するフラグを指定できます。COMPILE_FLAGS
変数を使用して、コンパイル時に使用するフラグを指定できます。
例
以下の例では、hello.cc
という Objective-C++ ソースコードがコンパイル、リンク、実行できるかどうかを確認します。
cmake_minimum_required(VERSION 3.16)
load_module(CheckOBJCXXSourceRuns)
check_objcxx_source_runs(RESULT hello.cc)
if(RESULT)
message(STATUS "Objective-C++ source code runs successfully.")
else()
message(STATUS "Objective-C++ source code failed to run.")
endif()
- このモジュールは、テスト対象のソースコードが実際に実行されることを確認するため、単にコンパイルとリンクが成功しただけでは合格とはなりません。
- CheckOBJCXXSourceRuns は、Objective-C++ ソースコードだけでなく、C++ ソースコードにも使用できます。
cmake_minimum_required(VERSION 3.16)
project(hello-objcxx)
load_module(CheckOBJCXXSourceRuns)
check_objcxx_source_runs(RESULT hello.cc)
if(RESULT)
message(STATUS "Objective-C++ source code runs successfully.")
else()
message(STATUS "Objective-C++ source code failed to run.")
endif()
add_executable(hello hello.cc)
target_link_libraries(hello)
hello.cc
#include <iostream>
int main() {
std::cout << "Hello, Objective-C++!" << std::endl;
return 0;
}
このコードの説明
cmake_minimum_required(VERSION 3.16)
: CMake バージョン 3.16 以上が必要であることを指定します。project(hello-objcxx)
: プロジェクトの名前をhello-objcxx
に設定します。load_module(CheckOBJCXXSourceRuns)
: CheckOBJCXXSourceRuns モジュールをロードします。check_objcxx_source_runs(RESULT hello.cc)
:hello.cc
ファイル内の Objective-C++ ソースコードがコンパイル、リンク、実行できるかどうかを確認します。 テスト結果はRESULT
変数に格納されます。if(RESULT)
: テストが成功した場合、以下のブロックが実行されます。message(STATUS "Objective-C++ source code runs successfully.")
: "Objective-C++ ソースコードが正常に実行されました。" というメッセージを出力します。
else()
: テストが失敗した場合、以下のブロックが実行されます。message(STATUS "Objective-C++ source code failed to run.")
: "Objective-C++ ソースコードが実行できませんでした。" というメッセージを出力します。
add_executable(hello hello.cc)
:hello.cc
ファイルからhello
という実行ファイルを作成します。target_link_libraries(hello)
:hello
実行ファイルに必要なライブラリをリンクします。
このコードを実行する方法
- 上記のコードを
CMakeLists.txt
ファイルに保存します。 hello.cc
ファイルを同じディレクトリに保存します。- ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
cmake .
make
./hello
Hello, Objective-C++!
- オプションを使用して、コンパイル、リンク、実行時の動作をさらに制御できます。
手動テスト
- 欠点
- 時間と労力がかかる
- テストケースの作成と実行を毎回手動で行う必要がある
- テスト漏れが発生しやすい
- 利点
- シンプルで理解しやすい
- 他のツールやモジュールを必要としない
カスタム CMake スクリプト
- 欠点
- 作成と保守に時間がかかる
- CMake スクリプティングの知識が必要
- 利点
- CheckOBJCXXSourceRuns よりも柔軟性が高い
- 独自のテストロジックを実装できる
テストフレームワーク
- 欠点
- CheckOBJCXXSourceRuns よりも設定が複雑
- テストフレームワークの習得が必要
- 利点
- テストケースの作成と実行を自動化できる
- テスト結果をレポートできる
- 既存のテストフレームワークを活用できる
CI/CD パイプライン
- 欠点
- CI/CD システムのセットアップと管理が必要
- 知識と経験が必要
- 利点
- テストを自動的に実行できる
- コード変更のたびにテストを実行できる
- テスト結果をチーム全体で共有できる
最適な代替方法の選択
最適な代替方法は、プロジェクトの要件と開発チームのスキルによって異なります。
- テストを自動化し、チーム全体で共有したい場合は、CI/CD パイプラインが適しています。
- より柔軟性と制御が必要な場合は、カスタム CMake スクリプトまたはテストフレームワークが適しています。
- シンプルで軽量なソリューションが必要な場合は、手動テストが適しています。
- テスト結果の報告方法
- テストにかける時間と労力
- 開発チームのスキルと経験
- プロジェクトの規模と複雑性